↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/72

リハビリ開始

 今までの寝不足が解消されたのか、目はすっきり見えている。

 以前のことは頭に白いモヤがかかっているような気分で、すっきりしないが、メガネをかけていたようなきがするけど、今はメガネなしで目はよく見える。

 すっきり見えるのに、頭に白いモヤというのが、気持ち悪い。


 問題は手足だ。動かすと痛い。

 看護師さんが来て、手足を動かしてくれる。

 リハビリに必須だということはわかるが、手加減をしてくれ!と言いたくなるぐらい、痛い。

「ゆっくりしますね。痛かったら、言ってくださいね」と言うが、とんでもない。

 激痛の拷問だ。


 俺が学生で電車に乗っていた時、電車が揺れ、ヒールを履いた女性に足を踏まれたことがあった。

 女性は「あっ、ごめんなさい。大丈夫?」というが、俺は痛すぎて何も言えない…

 それを女性は大丈夫と思って、電車を降りてしまった。

 俺は、やっとの思いで靴を脱ぐと、爪が割れて靴下は血だらけだったことを思い出した。

 それに匹敵する痛さだ。


 今も痛すぎて、「うっ」とうめくことができるかどうかなので、リハビリを辞めてくれない。

 声が出ないのであれば、手を動かせばいいのかもしれないが、まだまだ自由には程遠いので手で合図も送れない。


 だからか、「我慢強いですね。リハビリは大変ですが、頑張りましょうね」と言って看護師さんは帰っていく。

 俺は、看護師さんから見ると、リハビリを必死で耐え、できるだけ早い回復を願っている患者だと思われているようだ…

 リハビリが必要なのはわかるが、もう少し手加減してほしい。


 次の日も看護師さんが来た。

 病室の扉を開けると、笑顔で「今日もリハビリです。固まらないうちに実施しないといけませんので、痛いかもしれませんが、頑張りましょう」と言われると、俺は「…はい。お願いします」としか言えない。

 ということで、今日も俺はたっぷり、拷問をうける…


 毎日これは辛いなぁと考えていると、ドアがノックされ、糸井先生が入ってきた。

 後ろについてくる人は?


「お加減いかがですか?」

「よくはないです…」と俺は後ろの人を紹介してくれるのかな? 見覚えがあるようなきがするけど… 誰だろう?と考えながら答える。


「良くないとは、気分が悪いとか、どこか痛いということですか?」

 え? うーん。思わず『よくはない』と答えちゃったなぁ。

「気分は普通です。痛い箇所がわからないぐらい痛いです」

 俺は、リハビリを思い出しながら答えた。


「看護師がマッサージをしたと思いますが、手足はどうですか? 動きますか?」

 マッサージ? あれ? マッサージだったのか!?

「…少しは…」


 あれが、マッサージだとすると、もう少しお手柔らかにお願いするのが難しいな。

 どう伝えようかな?

 ん? 後ろの女性はじっと俺を心配そうにみているなぁ。

 落ち着いた雰囲気があるから、学生という感じじゃない。

 モテるだろうなぁ。

 あんな綺麗系の人が俺との関係者ということは考えられないし、白衣も着ていないし、どういう人なんだろう…


「そうですか。マッサージをしてリハビリを頑張りましょう」

 糸井先生に声をかけられて思わず、「…はい」と答えてしまった。

 これじゃ、今から『お手柔らかにお願いします』とは言えない。


「何か思い出したことはありますか?」

「いいえ」


「何か思い出したり、気になったことがあれば、呼び出してください」

「わかりました」


「では、また参ります」

「ありがとうございました」


 はぁ。マッサージを手加減してくれとは言えなかった…

 後ろの人が気になる。

 何の用事で病室に入ってきたのだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。