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白い世界

 トランクを転がし、空港を歩く。

 そして、空港の駐車場の自分の車を見ると… 汚い… ホコリで汚れている…

 空港の駐車場は立体駐車場だから屋根があるから汚れないかと思ったけど、違った。


 戻ったら洗車するか…と思いながらハイウェイの101を走る。

 きれいな青空だなぁと思って運転していると、いきなりベチっと音がしたかと思うと、フロントガラスが一瞬で白くなり前がほとんど見えない。


 俺はハザードランプをつけて路肩に寄って、フロントガラスを観察する。

 うっ。鳥のフン? はぁ。ついてないな…


 鳥のフンでフロントガラスの4分の1が覆われている。

 こんな巨大なフンを落とす鳥って何? 伝説の鳥ポケモン ホウオウ? でも、フンは汚いって!

 101で車から降りるのは危険だよねぇ。

 はぁ… ウォッシャーを出してワイパーを動かす。

 5分ほど、フンと格闘しフロントガラスの視野を確保した。

 これって、洗車確定だよねぇ…


 俺はサニーベールのCar Washに寄る。

 25セント(クオーター)硬貨を3枚入れ、高圧洗浄機でフンを洗い流す。

 飛行機で疲れたから、しっかりした洗車はパス。


 芝浜Americaに寄り、愛さんにお土産の植物物語の石鹸と羊羹を渡す。

 愛さんはお金を払うと言うが、出張手当が出るからいらないと言って断り、精算は明日すると言い残し、帰る。


 アパートの扉を開け、荷物を入れる。

 広いから荷物も適当でも問題がない。


 服を脱ぎながらシャワールームに行き、シャワーを浴び、ベッドに倒れ込む。

 疲れた… 飛行機で疲れたから? それとも鼻血のせい?

 どうでもいいや… 眠い…



 俺は白い何もない空間にいた。

 白いが101の鳥のフンの世界じゃないのは確かだな。

 ということは、これは夢?

 ふわふわと漂っている… 目は見えているのか見えていないのかわからない。

 手も足も動かそうと思っても動かない…


 ん? 何か音が聞こえるので、音に意識を集中する。

 女性の声? 誰かわからないし、何を言っているのかわからない。

 まわりに何人もいるような気がする。

「誰だ?」


 落ち着け俺。まずは現状確認…

 えっと。右手は… 動かない。 左手は? 指は少し動く。

 右足は… 痛い。 左足は動かない。

 目は見えない。耳は聞こえるけど、よく聞こえない…

 頭も動かない。

 左手の指は動くのだから、金縛りではなさそう…

 喋ることはできるが、もし、強盗の仕業だとすると喋るのは危険か。


 うーん。寝ていて、見えていないのに、眩暈がする。

 血が足りない?

 夢なのに、俺は気を失った。



 目を開けると真っ暗だ。

 目が見えていないのではなく、暗いだけと言うのがわかる

 さっきの白い空間じゃないことは体が動くので違うことが直感としてわかる。

 ここは… アパートだよな?


 ベッドから降り、手を前に出してゆっくり歩く。

 壁に手がついた。

 壁に沿って歩き、感触が変わった。

 スイッチだ。


 スイッチを入れるとフロアランプがついた。

 俺は部屋を見渡す。

 さっきの金縛りの夢?は何だったんだろう?

 見えないし、体もほぼ動かないし、音も聞こえにくかったが、なぜかリアル感があった。

 不思議…


 今何時だ? ベッドサイドの時計を見ると、9時を指している。

 あっ。出張前に腐りそうなものはすべて処分したから、アパートに食べ物が何もない…

 今なら、スーパーが開いているか…


 俺は車のキーを持って部屋を出た。

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