帰国の飛行機
俺はコストコでカラフルな積み木と、丸い金色のチョコレートのFERRERO ROCHERを大量に買う。
積み木は翔へのお土産だ。遊んでくれるかな。
FERRERO ROCHERは個別包装なので、分けやすいのでお土産にピッタリだ。
FERRERO ROCHERは空港でも売っているが、同じ商品なのに、空港で買うと20ドルだが、コストコだと10ドルだ。
コストコの会員証の値段が10ドルだから、1箱買うだけで元が取れる。
俺は、車のトランクのスーツケースを開け、ほぼ何も入っていないスーツケースに密輸業者と間違われるかと疑われるぐらいFERRERO ROCHERを詰め込む。
そして、サンフランシスコ国際空港まで101を走り、空港の立体駐車場に停める。
JALのカウンターは空いている。
俺は、エコノミーのチケットを出し、トランクを預ける。
このトランクをX線で確認されるだろうけど、丸い物体だらけなのはどう思われるだろう…
「混んでいますか?」
「いいえ、座席ですがどうしても窓側を希望するのでなければ、Eがおすすめです」
「E? どうしておすすめなのですか?」
「ABCとDEFGとHJKに分かれていますよね? この便は空いているのでEにすると4席を独占できます」
「独占?」
「はい。そうです。いかがされます?」
俺は4席独占の意味がわからないけど、おすすめに乗ることにした。
「はぁ。ではEで…」
カウンターの女性はニコっと笑って、「どうぞ」と言い、搭乗券をくれる。
俺は、セキュリティチェックを受け、出国審査を受ける。
搭乗券とゲートの位置を確認する。
ゲートまではエアトレインで移動するようだ。
ゲートまで来たら、出発まで何もすることがない。
ぼーっとしていると、3歳ぐらいの子供を抱えたママさんが歩きながら、搭乗券とゲートを交互に見ながら歩いている。
子供は大はしゃぎしているので、ママさんが抱え直した時に、搭乗券を落としてしまった。
俺は、搭乗券を拾って「どうぞ。大変ですね」と言う。
「ありがとうございます」と言って、俺と少し離れた場所に座った。
同じ飛行機かぁ と思ってみていると、子供が俺に向かって手を振ってくれる。
俺も手を振りかえす。
かわいいなぁ。翔には劣るけど。
搭乗が開始されると、ファーストが優先されるが、親子も入っていったが10人ほどだ
エコノミーで待っている人は30人もいない。
これで、採算がとれるのか?
座席の周りは数人がいるだけで窓際を選択している人が多く、俺みたいにE席の選択している人は数人だ。
この人達もE席をすすめられたのか? それとも飛行機移動の達人なのか?
飛行機が離陸し、しばらくして飲み物が提供され、新聞はいかがですか?と言われるので日経を読む。
空いているので、スチュワーデスのサービスは非常にいいけど、それは窓際でも一緒だ。
4席独占の意味がわからん。
俺が、眠ろうと位置を調節するためモゾモゾしていると、スチュワーデスが来て「毛布は必要ですか?」と聞いてきた。
「お願いします」
しばらくして、スチュワーデスが戻ってくる。
「肘掛けをすべて上げると、横になれます」と肘掛けを動かす。
俺は4席すべての肘掛けを上げた。
「シートベルトは毛布の上からつけてください。そうすると、見回りの際もそのままお休みになれます。あっ。シートベルトは緩いほうが楽ですよ」とスチュワーデスが微笑む。
「ありがとうございます」
これが、4席独占の意味か! なるほど、これはフルフラットシートだな。
シートベルトサインの音で俺は起きた。
着陸のようだ。
飛行機では眠れないが、4席独占は素晴らしい!
飛行機は着陸すると、あの親子はいないかな?と思いながら入国審査に進むが見えない。
早く翔に会いたいな。




