昼食
「声が疲れているようだけど、大丈夫?」
「ちょっとね。それより翔はどうしている?」
「まだ寝ているわ」
「そっか。翔に会いたいな」
「この前、一人で歩いたわ」
「え! 見たかったな。ビデオに撮った?」
「ごめん。翔から目を離せないから撮ってない」
「そうか。そうだよね…」
「食事はちゃんと摂ってる?」
「摂ってるよ」
「ほんとう?」
「この前、隣の市のサンノゼにあるヤオハンっていう日系のスーパーに行ったんだ。日本のメーカーの食材がいっぱいで、日本のスーパーと同じだったよ。ま、ちょっと高いど… で、カレーのルーとどら焼きを買ったよ。だから、今日はカレーだよ」
「ならいいけど…」
「!※□◇うー」
「どうしたのぉ? 起きたの? よしよし」
「翔を起こしちゃったみたいだな。翔、聞こえるか?パパだよ」
「うー」
「『うー』かぁ」
「おしめを替えるわ」
「そうだな。明日電話するよ」
「わかったわ」
俺は、電話を切った。
俺は、今日の昼のことを思い出したが、これはちょっと優佳には言えない…
今日は午前中に会議があったので、メンバと一緒に3人で昼食に行くことになった。
車に乗せてもらい、ついた店には小さな看板はあるが、何の店か書いていない。
外から見たら、昼食が出る店とは思わない。
一人じゃ絶対に入ることはない。
『ここ?』
『あぁ』といい、Jeffは扉を開けて入るので俺もついて入る。
中は少し暗く、真ん中にステージがある。
それを取り囲むように丸テーブルが並んでいるが、時間が少し早いのか、他の客がいない。
Jeff達はステージ前のテーブルに座るので、俺も座る。
男性店員が出てきて、2つのメニューを置いて戻って行った。
Jeffは俺に1つのメニューを渡したが、JeffもMichaelもメニューを開こうともしない。
俺はメニューを開いて、納得した。
なぜなら、メニューにはハンバーガーとチーズバーガーだけ書いてあって、他はないからだ。
俺が、メニューを閉じて机に置くと、店員がやってくる。
Jeffはチーズバーガーとコークといい、俺を見る。
俺が頷くと、3つと言う。
『この店にはステージがあるのですね』
『夜に使うよ』
『夜に?』
俺と、Jeffとの会話をMichaelがニヤニヤしながら聞いている。
『ステージにポールが立っているだろ?』
『はい』
『わかったか?』
『そのポールで、どういうショウをするんだ?』
Michaelが腹を抱えて笑いを堪えている。
『女性がダンスするんだよ』
『ダンスね』
『わかってないだろ?』
『ダンスは知っているよ』
Michaelがくねくねして何かしているので、俺はMichaelを見る。
パントマイムか?
服を脱いで投げる? 両腕を背中の真ん中に移動させて、くねくねして…
ブラを外したのか…
『なるほど、わかった』
俺をからかって連れてきたんだな。
店員がハンバーガーを運んでくる。
何の変哲もない。ハンバーガーだ…
俺たちはハンバーガーを食べながら、話を続ける。
Jeffが『KENICHIの給料は日本が支払っているのか?』と言う。
『コントラクタだろ? Sunが払っていないのか?』
コントラクタは契約社員だ。
Sun社では首に下げている社員証が横長なら社員、縦長なら契約社員なので一目瞭然だ。
『コントラクタだけど、給料は芝浜が払っているよ』
日本は給料がいいのか? など、たわいもない話をしながら食事をした。
そして、机に10ドルずつ置いて、店を出た。
チップ込みで昼食が1300円ほどか、ちょっと高いね。
おもしろ体験と考えれば安いかな?




