リノア・バーンズの芽吹き
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「ねえ。リノア、そろそろだよ」
妊娠も、安定期に入ったころ、眼を覚ましたラノが、そろそろだと言い出した。
「ん?なにが、そろそろなの?」
「お腹の中の、いい匂いの 芽」
「め?」
「リノアの、お名前のついたやつ」
「あー。お母様が、掛け合わせてくれた、薔薇ね」
「そう バラ おめめ、出てきたよ」
「まあ、もう芽が、でてきてるの?」
「うん」
「それは直ぐに、お母様に相談に行きましょ、」
私は、アルトとラノを連れて、裏庭へ向かう。
朝食前のこの時間なら、お母様は、バラの様子を見に行っているはず。
「リノア、イオ 夜 帰ってこなかった 悪い子 ダメした方がいい?」
アルトが、私の周りを、心配そうにぐるぐる回る。
「アルト、大丈夫よ。イオは、セオお父様と一緒に、魔道具のことで、昨日から、ノアナ王国に行っているのよ」
「ふーん 悪い子じゃない?」
「そうよ、お仕事にいってるの、きっと何か、美味しいもの買ってきてくれるわよ」
「イオ、いい子」
「ふふそうね」
庭に出ると、お母様が、薔薇の伸びすぎた、茎を摘んでいる。
「あら、リノアおはよう、体調は大丈夫?」
「はい、お母様」
「グーかあさま、おなか かゆいかゆいになったよ」
ラノが、お母様の所に飛んでいく。
お母様は、ラノを腕に抱いて、お腹を摩ってあげている。
「ラノちゃん、どこがかゆいの?」
「バラがね 芽が出たの」
「あら、リノア・バーンズ?」
「うん」
「まあ素敵、見せてくれる?」
お母様が、ラノにお願いすると、ラノは自分のお腹に手を当てた。
ラノのお腹が、紫色に光る。
「はい」
「わあ。ラノちゃん、リノア・バーンズ!すっかり成長しているじゃない」
ラノが手に握る、薔薇の苗は、既に数枚の葉がついて、先端には、まだ固く閉じているが、小さな蕾もついている。
お母様が手を振ると、庭師が駆け付ける。
「奥様、どの様な御用でしょう」
「直ぐに、スコップを持ってきて、ここに穴を掘ってちょうだい」
「はい、只今」
庭師は、道具小屋から、スコップを持って、戻ってくると、お母様の指示に従い、穴を掘ってくれた。
「さあ。リノア、ここに植えましょう」
お母様と私は、穴の側にしゃがんで、ラノが出してくれた、苗を植える。
シャベルで土を戻してから、お母様が苗の周囲を、軽く手で押さえる。
「さあ、あとはお水を上げましょう」
私達が立ち上がると、アルトとラノが、二人の頭上で、クルクル回る。
「リノア、お水できるよ」
「ラノのお水、お花 元気になるよ」
「アルトとラノがお水を撒いてくれるの?」
「うん」
「お水 あげるよ~」
そう言って、薔薇の真上を、アルトとラノが、ゆっくり回る。
アルトとラノから、キラキラして、霧みたいなお水が、薔薇に注がれる。
薔薇は見る見るうちに、葉を伸ばし、蕾が新たに二つ、顔を出す。
そして、最初からついていた蕾が、ふわりと花を咲かせた。
花の中心はピンク色で、花びらの先にいくにつれて、紫色になっていく。
「まあ、綺麗な色、リノア・バーンズの誕生よ」
お母様の宣言と共に、私のお腹が、ポコポコと動く。
「わあ。お母様、今、赤ちゃんが動いた気がします、ポコポコって」
「まあ、体動ね」
「おめめが、覚めましたか?グランマですよ~」
お母様が、私のお腹に話しかけ、優しく撫でると、お腹が、ポコッと反応した。
「リノア、今、外から見ても、動いたのがわかったわよ」
初めての体動に、お母様と、手を取り合って喜んだ。
(*^▽^*)
通信機で、体動の話を聞いたイオは、歓喜の叫びをあげた後、母上に先を越されたと悔しがります。




