作戦会議
読んでいただきありがとうございます。
別当でイオとの作戦会議で、実際に、魔道具を作成し始めるのは、妊娠が安定する、あと三か月後からとする。
それまでに、デザインや使用方法を検討する。
魔道具の完成前に、運用や商業化の根回しと準備を行う。
「そう言えは、単純に、魔石に直接、魔力を注入することはできないのかしら?」
「ああ。…………ちょっと見てて」
イオが、作業場の隅に置かれていた、使用済みの魔石を数個、持って戻ってくる。
テーブルの上に置いた魔石に、イオが手をかざす。
魔石に、イオの魔力が、流れ込んでいくのがわかる。
少しすると、魔石は音もなく、サラサラと砂になって崩れた。
「わあ。砂になった」
「そうなんだ、たぶん………。魔石もいろいろな形や、保有できる能力の違いがあって、さらに、魔力を送る人間にも、持っている魔力量の違いや、送る技術の違いがあって、もともと魔力を受ける様に作られた、魔道具に魔力を送るのとは、難しさが違う」
「そうなんだ……私もやってみていい?」
「もちろん」
イオが私の前に、小さな魔石を置く。
「私の、小さくない?」
「大きな魔石は危ない、場合によっては周囲に飛び散ることがある」
イオが、真剣な眼差しを向けてくる。
「そうなのね、わかった」
私は、ガラス玉くらいの、小さな石を手の平に乗せる。
石の中心に向けて、魔力を注ぐ。
魔石は、一瞬ピカッと輝いて、跡形もなく消えた。
「わあ。消えた」
イオが、眼を大きくして驚く。
「え?ふつう消えないの?」
「魔力量が多いものほど、石は細かく変化する、たいていは、俺がさっきやったみたいに、砂になる…………。」
「ん?私の魔力量も、イオと、同じくらいだと、思ってたけど…………。」
「リノア、さんにん」
「ピンクと水色」
私は、お腹にそと手を当てる。
「そうか、私、今三人分なんだ…。」
「うん。あとね、さっきから、ぐーかあさま、探してる」
「うん。探してる」
イオが壁の時計を見る。
「そろそろ、お茶の時間だな、ちょうどいい、父上と母上にも、計画を相談しよう」
✿ ✿ ✿
それから私達は、サロンでこれまでの経過を、お父様とお母様に説明する。
「さっきイオに、魔石が砂に変化するのを、見せてもらい、だいたいの設計図は、思いつきました。あとは、図面に起こして、試作するだけなので、思ったより、早くできそうな気がします」
「リノア、あなたは身重なのよ、危険なことをさせるわけには、行かないわ」
「母上、眉間の皺が、消えなくなりますよ」
「まー。イオ、母に向かってなんてこと言うの」
揉める二人を他所に、セルお父様が、私に向き直る。
「リノア、無理はしないで欲しい、私もグレースも、大事な娘を、心の底から心配している。作業は複数名で行い、必ずモーガンの、防御魔法をかけてもらって行いなさい、モーガンの防御は鉄壁で、信頼できる」
「ありがとうございます、セルお父様」
「それと、後方支援の根回しは、私も出向くようにしよう。イオが、リノアと2人で、旅して作った人脈もあるが、公爵の私が一緒の方が、きっとスムーズに事が運ぶ」
「父上、ありがとうございます」
「ちょっと、私だけ、のけ者にして」
お母様が頬を膨らませる。
「お母様はいつも、私が快適に過ごせる様に、周囲を整えてくれます。胎教にいい本や、お香に食べ物。すでにいっぱい、助けていただいています。感謝しています」
私はお母様の手を握る。
「もー。リノアかわいい。子供が生まれたら、お父様になる人と、おじいさまになる人に預けて、二人でお買い物に行きましょう」
お母様に、ぎゅうぎゅに、抱きしめられた。
(*''ω''*)




