我が家
読んでいただきありがとうございます。
(僕、一日で着けるよ~)
頭の中に、アルトの声が響く。
ツリーハウスの中は、とても静かで快適だけど…………。
「アンナ達、大丈夫かしら、凄いスピードなんじゃない?」
(大丈夫。暴風魔法 モーガンしてる)
「モーガン魔法が使えるの?」
「ああ。防御系だけだけどな」
ベッドに座る私を、イオが後ろから抱きしめてそう話す。
「知らなかった」
「さあ。リノアは少し休もう。もう外は真っ暗なはずだよ」
イオはそう言って、私をベッドに寝かして、自分も一緒に布団をかぶった。
イオの体温が暖かい。
「なんだかね…………まだ自分の、お腹の中に赤ちゃんがいるなんて、実感がわかなくて……。」
「そりゃそうだ、普通なら気がつかない時期だろ」
イオがそっと、私のお腹に触れる。
「私、ちゃんとお母さんになれるかな」
「俺も、ちゃんとお父さんになれるかな」
「ふふ。そうだね、二人とも初めてだもの、一緒に頑張ろう」
「それに、俺達には、強力な家族も、神獣も憑いてる」
「そうだね、すごい強力だね♪ そう言えは、ピンクと水色って、アルトとラノ言うけど、双子かな?」
「あー。そうかもな、名前はどうしようか、今のうちに二人で決めないと、周りがいろいろ口を出してきそうだな…………。」
「ふふ。賑やかで楽しそうね」
私達は楽しく話しながら、眠りに落ちた。
✿ ✿ ✿
「リノア!大丈夫なの?早く出てきて」
んー。グレースお母様の声がする。
(リノア、イオ。着いたよ~僕。頑張った)
アルトの声が頭に響く。
「もう着いたみたいだな」
イオが、私のおでこにキスを落とす。
私は起き上がり、アルトとラノに声をかける。
「すごいね。もう着いたの!アルト、ラノ頑張ったね、ありがとう」
「「うん」」
声をかけ終わると、ツリーハウスがガサリと少し揺れた。
「リノア♪いい子いい子して~」
「僕、抱っこがいい」
ツリーハウスの壁をスリ抜けて、アルトとラノが入ってきた。
「アルト、ラノ。ありがとう」
私はアルトとラノを、ぎゅうぎゅうに抱きしめる。
「こらー。イオ!何してるの!早く、リノアを出しなさい!」
「あー。母上がカンカンだぞ!リノア、アルト、ラノ行くぞ」
イオが、アルトとラノを私の腕から抱き上げる。
「むー。リノアの抱っこがいい」
「リノアー。助けてー」
「こらお前達、リノアがちゃんと部屋に戻ったら抱っこしてもらえ、このままだと、母上にハウスごと、ボコボコにされるぞ」
「グーかーさま、怒るのダメ」
「怒るの怖い」
「ほらもう!すでに怒ってるから急ぐぞ」
イオが片手にアルトとラノを抱き、反対の手を私に差し出す。
私は、イオの手を取り立ち上がる。
ツリーハウスを出ると、バーンズ公爵のみんなが総出で待っていた。
「お帰りなさいませ」
みんなの声が一斉に響く。
「も~。リノア、心配したのよ、どこも何ともない?貧血で倒れたんでしょ、もうイオがついていながら情けない、こんな時期に、無理していかせなければよかったわ、私が気にしてあげなきゃダメなのに、ごめんね」
お母様が、私をイオから引きはがして、抱きしめる。
「お母様、行ってまいりました。体調は大丈夫です。今回行かせていただいて、いっぱいいいことがあったんです。お母様に沢山お話ししたくて」
「まあ。やっぱり娘はかわいいわ~。とにかく安静よ!アンナ~。直ぐにリノアをお部屋に」
「グレース落ち着きなさい。リノアお帰り、そしてありがとう」
「セルお父様。行ってまいりました、急に戻ってきたので、お土産を買えなかったんです、すみません」
今度は、お父様に抱きしめられる。
「グレースの言う通り、娘はかわいいな~。リノアが無事に戻ってきれたら、それだけで十分だよ」
「父上!なんで、リノアを抱きしめてるんですか!」
イオが、アルトとラノを空に放ち、お父様に抗議する。
「狭量め」
「そうよ、私達の娘なんだからね」
「俺の妻だ!」
グレースお母様も、イオも、私に抱き着く。
アルトとラノも。
私の周りは、ぎゅうぎゅうだ。
思わず、嬉しくて声を出して笑った。
「あははは。ふふふ。帰ってこれて嬉しいです」
ぎゅうぎゅうが、さらに強くなる。
「おっほん!」
家令のサムエルが、大きな咳払いをする。
「みなさま、お変わりないようで、何よりですが!そろそろ屋敷に入っていただけますか」
私達は、サムエルの号令で、いそいそと邸宅に入った。
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