ブドウ園へのお誘い
読んでいただきありがとうございます。
「皆さん、滞在中に是非ノアナ王国のブドウ園を見に行きませんか?」
朝食の席で、ラーシュ殿下が、皆をブドウ園への視察に誘う。
「どのような、ブドウ園なのです?」
アルロ殿下が返事をする。
「ノアナ王国の国民は、魔力が多いので、それを活かして、栽培の効率を上げているのです、他の国にはないと聞くので、是非見ていただきたくて」
「ほお。それは興味深いですね、王族や貴族以外も魔力量が多いのですか?」
「そうですね、多くの国民が魔力を持ちます。量もそれなりに多いです」
私はむくむく持ち上がる、興味を抑えきれず、思わず話に加わる。
「あの。魔力が皆さん強いと、ノアナ王国では、魔道具を使用することは、無いのですか?」
「いやあるにはありますよ、音楽を聴いたりする、趣味に関する物ですかね」
「そうなんですね、魔石は使用されていますか?」
「いや魔石は使わないですね、ほとんど直接自分の魔力を注ぎます」
「皆さん、魔力を注がれる事も、得意なんですね」
「そうですね、ほとんどの者が、経験があると思います、普段使用する窯やなんかも、魔力を注いで動かしますから、ブドウ園も魔力を活かして効率よく栽培しています、是非見てみて下さい」
「イオ。行ってもいいかしら」
「もちろんだ、一緒に行こう、ラーシュ殿下。リノアは魔道作りに眼がないのです、我が、ルアナ王国では、魔力量に生まれつき差があり、魔石を使用した魔動で、より便利な生活にしたいのですが、ただ魔石の採掘に人手もかかる上に、危険を伴う仕事のため、魔石自体が高価で、なかなか普及しないのです」
「そうなのですね、国の行き来は自由と言え、この寒い土地に、皆が留まる理由が少しわかった気がします」
「そうですね、魔力量によって、他の国では、住みやすさが違いますね」
「皆さん、昨日こちらに来られたばかりで、お疲れでしょう。明日ご希望のある方をブドウ園に案内できればと思いますが、いかがでしょう」
ラーシュ殿下の誘いに、私とイオ、アルロ殿下、ノア兄さまとクリス様が同行を願い出た。
お姉さま達と、ルーカス殿下、アーサー様は、ノアナ地方にしか咲かない、花々がある公園に行くそうだ。
マナ姉様は、ラーシュ殿下と過ごさなくていいのかしら?
クリス様がノア兄様に嫁ぐことになれば、縁は結べるからいいのかしらね。
男女の関係ってよくわからないものね……イオと出会うまで、魔道具にしか興味がなかった私が、わかるはずないか!
✿ ✿ ✿
次の日私達は、数台の馬車に分かれて、ブドウ園を目指すことになった。
私とイオは、ラーシュ殿下とノアナ王国のホワイト公爵令嬢、フレイア様と一緒だ。
馬車に乗り込むと、フレイア様が、いきなり私の両手を握る。
「リノア様、本当にこの度、はありがとうございました」
氷のように、淡い水色でキラキラした瞳が、私を見上げる。
「え えっと、私、フレイア様とお会いするのは、初めてかと思っていたのですが、どこかでお会いしたことが、ありましたでしょうか?」
「お会いするのは初めてです。でもでも、私達の運命を、変えてくれたお二人に、どうしてもお礼を伝えたくて、今日も突然参加させていただく事にしましたの」
どう返事をすればいいのかわからず、横に座る、イオを見あがると、イオも困ったように笑った。
「レイ!おふたりとも、困っているじゃないか、落ち着いて」
ラーシュ殿下が、慌てて馬車に乗りこんできて、フレイア様を椅子に座らせる。
真っ赤に顔を染めた、フレイヤ様の背中をさすり、ラーシュ殿下が、馬車を出す様に合図した。
フレイア様、とてもかわいらしい方だわ。
「イオ殿、リノア夫人、驚かせてすまない、レイはいつも、完璧な淑女なのだが……昨日の出来事が嬉しすぎて、先走ってしまったようだ」
「すみません、私としたことが……。」
フレイア様が体を小さくする。
「いえ、私達は覚えがないのですが、何かフレイア嬢に影響を与えたのでしょうか?」
イオが穏やかに訊ねる。
「説明は、私の方から」
ラーシュ殿下が、フレイア様の手を握り、私達に向き直った。
(。´・ω・)?
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