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リノアの魔道具トリップ   作者: とと


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ノアの告白  ② (まだノア 視点)

読んでいただきありがとうございます。


イオ殿が前に立ち、ドアを一度ノックしてから、リノア達が待つ部屋に入る。


「イオ~お帰り。これ見て!クリス様ったらね~」


「リー様やめてください、それはリー様だけに、見せるつもりで持ってきたんです!」


部屋の中では、リノアとクリスタル様が、ソファーでじゃれ合っている。


「ぜったい、見せた方がいいですよ!すごく上手だもの~。私も作り方を、教えて欲しい~」


二人の横で、アンナがクスクスと笑っている。


子供のようにはしゃぐリノアが、奪い返そうとする、クリスタル様をかわし、僕たちの方に人形のようなものを見せる。


「イオ見て、上手でしょー。…………ノア兄さま…………。」


リノアが両手に握っていたのは、シルバーの髪に紫の瞳の……人形?


あ あれはもしかして…………僕?


「のの ノア様!」


クリスタル様が、大きな声で僕を呼び、リノアの手から人形を奪い、胸に抱え込む。


「……………………。」


「リノア、戻ったよ~。なんだか楽しそうだね」


皆が動きを止めて、広がった静寂を、イオ殿が破る。


「お帰り、イオ。クリス様ったらね、かわいいの」


リノアもソファーから立ち上がり、イオ殿の横に並ぶ。


リノアは僕と、クリスタル様の顔を見て、にんまりと笑った。


「そーだ。アンナとイオにね、見せたいものがあったの、ちょっとだけ寝室の方に来て!」


リノアは、イオ殿とアンナの手を引いて、隣の部屋に入って行く。


イオ殿がこちらを、振り返りウインクする。


「兄上、少しだけ、リノアのわがままで、部屋を開けますが、待っててくださいね」


「………………………………。」


「あ あの、クリスタル様」


僕は拳を硬く握り、決意をもって、クリスタル様の、綺麗な水色の瞳と眼を合わせた。


真直ぐに、僕を見つめる瞳の奥には、あの日と同じ輝き。


「あの、ぶしつけな質問ですが、クリスタル様は、子供の頃に、コアナ王国の園遊会に、出たことがありますか?」


「はい。」


人形を握りしめ、真直ぐに、僕を見つめる瞳が揺れる。


「その時、男の子にオレンジジュースを掛けました?」


クリスタル様は、慌てたよに両手をぶんぶんと降る。


「あの!わざとではないのです、お話ししたくて近づいたら、躓いてしまって」


クリスタル様が、話しながら一歩前に出て、僕との距離が近づく。


僕は、クリスタル様が持つ人形に、そっと触れた。


「僕はその時、どうやらその子に恋をしたようです。鈍くて、ここに来て、クリスタル様を見るまで、自覚できませんでしたが、僕の初恋です」


クリスタル様の眼が、大きく開かれる。


「私も、オレンジジュースを掛けた、男の子に恋をしました。私の初恋です」


クリスタル様は、勢いよく、僕の胸に人形を押し当てる。


「ずっとお慕いしていました、会いたくて、人形を作ってしまうくらい…………。」


消え入りそうな声で、そう言うと、クリスタル様の顔が、一気に赤くなる。


かわいい…………。


あまりの可愛さに、ただただ見つめていると、大きな音でドアが開く。


「ノア兄さまー。そこはぎゅう~っと、抱きしめるでしょ!」


大股のリノアが、突進してきて、真っ赤なクリスタル様の背中を、ポンと押す。


クリスタル様は、そのまま僕の腕の中に押し込まれた。


「兄上、こうですよ~」


イオ殿が、リノアを後ろからぎゅっと抱きしめる。


「ね~イオ♪」


僕は頬を染め、今にも倒れそうな、初恋の人を、ぎゅうぎゅうに抱きしめた。



(#^^#)

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