ついに到着
読んでいただきありがとうございます。
ノアナ王国の領地は広い、そして寒い。
雪は高い山にしか積もっていないが、吹き下ろされる風が強い。
ノアナ王国に入り、宿にで一泊し、次の日のお昼過ぎに王宮にたどり着いた。
ノアナ王国の王宮は、後ろに大きな山が聳え立ち、木と土壁で3階建てくらいだが、とても広くてかわいらしい建物だ。
「やあ、皆さんようこそノアナ王国に、お出で下さいました、長旅で疲れたでしょう」
ラーシュ殿下が、みんなを出迎える。
隣には小柄だが綺麗な女性が立ち、ニコニコしている。
「私はノアナ王国、第一王子ラージュ・ノアナ。隣にいるのが私の妹で第一王女のクリスタルです。あと2人王女が居ますが、年がかなり離れていて、今4歳と1歳です。お出迎えに並ぶことが出来ずにすみません」
まあ。小さなご姉妹が居るのね。
それぞれに挨拶をかわし、謁見の間に案内される。
大きな扉が開くと、バルドル様が飛び出してきた。
「リノア~待っていたぞ、久しいな、元気にしていたか?」
バルドル様が私の肩に乗ると、姿を隠していたアルトとラノが出てきた。
「バルドル様!リノアの肩に乗らないで!」
「そうだよ、リノアは僕らの大切なんだからね」
二人はプリプリと怒って、バルドル様に抗議する。
「いいではないか!お前たちはいつも一緒だろうが!」
バルドル様が私の髪に顔を埋めると、イオがバルドル様をつまんだ。
「バルドル様、やりすぎですよ」
「お前たちは本当に心が狭いな、わかったわかった」
そおいって、私の肩から飛び降りたバルドル様は、元の大きさに戻り、私の隣を歩く。
「ほお。バルドル様がそんなに心を砕いているとは……リノア夫人は凄い人ですな」
謁見の間には、国王夫妻が待っていた。
国王はひょろりと背の高い人で、王妃様はふくよかでかわいらしい。
ラーシュ殿下とクリスタル様はどちらにも似ていない。
「恐れ入ります。国王陛下はバルドル様が見えるのですか?」
「ああ。私には姿は見えるが、話はできない」
バルドル様を見ると、スンとすまし顔。
「特に話はしなくても良い、いろいろ望みを言われて、めんどくさいだけだ」
私は思わず微笑む。
「リノア夫人はバルドル様とお話ができるのかな?」
「はい、できます」
謁見の間に居たノアナ王国の人たちが騒めく。
「私も話はできます」
イオが私の肩を抱く。
「ほーお。二人ともさすが加護を受けた、ご夫婦なだけある」
「バルドル様は、今なんと話されたのでしょう?」
陛下の問いに、イオがバルドル様の言ったことを伝えると、国王陛下は声を出して笑った。
「ははは、そうでしたか、数代前まではバルドル様と、話が出来たようなのですが、話してくれなくなったのはそのような理由で」
「きっと曾祖母あたりが、わがままを言ったのでしょう」
王妃様がクスクスと笑う。
二人ともとても朗らかな方だ。
「皆様、長旅でお疲れでしょう。どうぞまずはゆっくり旅の疲れを癒していただいて、ノアナ王国では、温足浴と言って、暖かいお湯に足をつけて疲れをいやす場所があるんです。景色を眺めながら皆さんで浸かれますから是非」
王妃様が温足浴を進めると、ラーシュ殿下が案内を申し出る。
「荷ほどきと温足浴が済む頃には、晩餐の準備が整いますのでまたその時に」
国王夫妻が退室すると、ラーシュ殿下とクリスタル様が、建物の裏手にある、温足浴場へ案内してくれる。
「皆さんここで、靴を脱いでください」
私達は靴を脱いで、ふかふかの絨毯の上を進む。
ガゼホが、長方形になったみたいな建物には、ベンチの様な長い椅子、その直ぐ足元からは湯気が立ち上っている。
「わあ。暖かそうですね、ここに座って足を浸けるのですか?」
「はい。リノア様、私の横に是非」
気がつくと、クリスタル様が隣に立っていた。
初めて声を聞いたが、美しいお顔立ちとは違い、なんともかわいらしい声。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「最初は少し熱く感じますから、そっと指先で試してみてください」
「はい」
私は椅子に座り、そっと指先でお湯に触れる。
「少し熱く感じますが、大丈夫そうです」
思い切って足を全部、お湯に入れてみる。
「わー。あったかい、気持ちいいよ。イオも入ってみて」
「おう~。くー。熱いがこれは温まるな」
みんなそれぞれに足を湯につける。
お湯につかりながら、右側に切り立つ山端と、遠くまで続く広い林が見える。
少しすると雪がちらちらと降ってきた。
「わあ。イオ見てみて、雪だよ~私、初めて見た」
「わーゆき、ゆき」「きれい、きれい」
アルトとラノもはしゃいでいる。
「時々、ちらちらと舞うんですが、山の上でないと、積りはしません」
クリスタル様はそう言いながら、私の後ろ、何処か遠くを見ている。
気になって振り返ると、並んで足を浸ける一番向こうに、ノア兄さま。
クリスタル様を覗き込むと、水色の瞳と眼があって、白い頬がピンク色に染まった。
ん?
「あの、リノア様、晩餐の後少しだけ、話をする時間をいただけませんか?」
私はイオを見上げると、イオはOKサインを出した。
「もちろん、良い時に私達の客室を訪ねて下さい。
(#^^#)




