北からの招待
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ブロスト伯爵家に訪問してから数日が立った頃、イオと私にノアナ王国から招待状が届いたと家令のサムエルさんが呼びに来た。
イオとセルお父様の執務室を訪れると、お父様は、一通の封筒を私達に差し出した。
「送り主はノアナ王国、国王夫妻と第一王子のラーシュ殿下だ、多くの加護を持つ、お前達と親睦を深めたいそうだ」
「招待されたのは私達だけですか?」
「いや、ルアナ王国からは、お前達とアルロ第一王子殿下」
セルお父様がちらりと私の顔を見た。
「そしてエバンス伯爵家にも招待状が届いたそうだ、リノアの姉君二人が招待されている」
「ルナ姉さまとマナ姉さまがですか?」
「リノアと近い縁を結びたいのだろう」
イオがそう言いながらそっと私の肩を抱く。
「お姉さまのどちらかと縁を結びたいの?でもルナお姉さまは、アーサー様と半年後には婚姻の予定よ」
セルお父様が腕を組んで、大きなため息をついた。
「まあ、マナ嬢だけ露骨に呼ぶのも憚られたのだろう、先ほどエバンス伯爵と話したが、マナ嬢には二人の披露パーティー以降、各国から釣書が届いているらしいからな」
お母さまの舞い上がる様子が目に浮かぶわ…。
「コアナ王国からは、姉たちだけですか?」
「いやあのルーカス第二王子も行くらしいぞ、さすがに国王同士が共同声明を出したんだ、もうちょっかいはかけてこないだろうが気をつけろよ」
セルお父様がイオをじっと見つめる。
「はい。父上」
「イルーゾ王国とウルーゾ王国からは、どなたか行かれるのかしら?」
「いや、今回はコアナ王国とルアナ王国からだけのようだ」
「きっとバルドル様が、どうしてもリノアを急いで、招待したいのだろ」
イオがあきれたように両手を上げる。
「バルドル様リノア好き」
「リノアのこと、大事大事って言ってた」
アルトとラノが私の両肩に掴まってそう話す。
「そんなに大事っていってたのか?やっぱり行かない方がいいか?あのバルドル様は執着そうだからな」
イオが腕を組み真剣に悩んでいる。
「まあ、王家からの招待だ、断るわけにもいくまい、アルともラノもいるし、スパロー様とプロテア様もついている。それにお前もリノアを守る事は、誰にも負けないのだろ、イオ」
「父上もちろんです」
✿ ✿ ✿
一週間後、私達はアルロ殿下と共にノアナ王国へと出発した。
ノアナ王国へは、馬車で5日かかる……アルトに乗っていけたらいいのに。
馬車に揺られながらアンナに尋ねる。
「アンナ、今回の旅は往復で10日、滞在も含めたら15日間よ、ワット君はそんなに両親が居なくて大丈夫なの?」
「リノア様、お気遣いありがとうございます。ワットはおじいちゃん子なんです、今はきっとたっぷり甘やかされて喜んでいると思いますよ」
「そうなの」
「あの厳しい父上が、ワットにあまあまですからね」
モーガンがクスクスと笑う。
「我が家も孫ができたら、きっと取り合いだな~。俺はリノアに似た可愛い娘がいいな~」
イオが私の腰を引き寄せる。
「わ 私は、男の子でも、女の子でも元気に生まれてきてくれたら嬉しい。イオに似てくれたら、きっとどちらでも美丈夫だわ」
「リノア今、俺のこと、かっこいいって言ってくれたの?嬉しい」
イオは、ぎゅうぎゅうに私を抱きしめて、頬にキスをした。
も~。恥ずかしい……。
「一年前のイオ様に、今のイオ様を見せて差し上げたいですね、人間こんなにも、大切な人ができると変わるのだと」
「なんだよ、モーガン!」
「ふふふ」
皆で声を出して笑った。馬車の旅もいろいろ話ができて楽しいかも。
(#^^#)




