ブロスト伯爵家
読んでいただきありがとうございます。
「リーちゃんいらっしゃ~い」
うわ♪向こうからむちゃくちゃかわいい男子が駆けてくる~。
「ワイアットくんこんにちは♪」
私は飛び込んできたワイアットくんを抱きかかえる。
「リーちゃんかーいい。ちゅ~」
今日はイオと2人でブロスト伯爵家にご招待され、玄関ホールでワイアット君の熱烈な歓迎を受ける。
「おい、こらワイアット!俺のリノアにキスするな!ほっぺでもダメだぞ!」
ワイアット君はイオに引きはがされて、手足をバタバタさせている。
「こらワット!淑女の頬に突然キスしてはいけないよ」
「んー。いつもかーさまに、わーもとーさまも、ちゅーする!リーちゃんもかーいいからちゅーする」
モーガンに抱っこされてプリプリ怒るワイアット君がかわいい♪
ホールの奥からドレス姿のアンナが現れて、モーガンからワイアット君を受け取る。
「ワット。家族以外の女性には気軽にちゅーしてはダメなのよ、淑女はちゃんとエスコートしないと、嫌われてしまうわよ」
急にシュンとワイアットくんが小さくなる。
「りーちゃんに……きらい。されるのやーだ」
私はアンナに抱っこされたワイアット君の頭を撫でる。
「嫌いにならないよ、でも少しびっくりしたよ」
「んーごめん。リーちゃん抱っこ」
見上げる瞳が可愛すぎる。
私に手を伸ばすワイアット君を抱っこしようとすると、イオがさっと抱き上げてワイアット君を肩車した。
「わー高い。イーにいちゃま高いね~」
「そうだろ、これからは俺が肩車してやるからな」
「いーにいちゃまあっちにね。大きなけーき。いこいこ」
「お!どこだ、みんなで食べよう」
ワイアット君を肩車したまま、イオは我が家のように奥に進んでいく。
「あらあら」
「イオ様はリノア様のことになると相変わらず狭量ですな」
イオの様子と、二人のため息に思わず笑顔になる。
「ふふ」
「さあ。リノア様、両親もあちらで待っていますのでどうぞ」
モーガンとアンナに案内されて、ダイニングに向かう。
ブロスト伯爵家のダイニングは中庭に面していて広々として明るい。
テーブルの前で、ブロスト伯爵夫婦が待っていた。
「ようこそおいで下さいました。リノア様。いつも息子達がお世話になっております」
「ブロスト伯爵ならびにダリア夫人。今日はお招きありがとうございます、これは、バーンズ公爵夫人より預かってまいりました」
「まあ。お気遣いいただき申し訳ありません」
私がダリア夫人に包みを渡すと、ワイアット君が興味深々に包みを覗き込む。
「りーちゃんなになに?」
「ワイアット君にもプレゼントがあるのよ」
私がしゃがんでワイアットくんと目線を合わせると、イオも私の横に並んだ。
「ワイアット!少し遅くなったが、俺とリノアから3歳の誕生日プレゼントだ」
私がプレゼントの入った袋を渡す。
「わーい。あーがと!」
「あーけて。あーけて」
ワイアットくんはアンナの足元でぴょんぴょん跳ねておねだりする。
袋の中身はワイアットくんの好きな馬のぬいぐるみと絵本と積み木。
積み木はイオと2人で手づくりした、四角の積み木と動物の形。
「わー。かーいいね。おーまさんだ。ふわふわ」
ワイアットくんは馬のぬいぐるみを抱っこしてご満悦。
「りーちゃん。あーとね」
ワイアット君は私にぺこりと頭を下げると、ぬいぐるみを見せにモーガンの所へ走っていく。
「おい。俺にはお礼がないのかよ」
ふてくされるイオの袖を私はぎゅっと握る。
「ん?どうした?」
「無邪気でかわいいね」
「ああ。ちびっこがいると賑やかでいいな」
「さあさあ、みなさん食事にしませんか?どうぞこちらに」
ダリア夫人が席を進める。
美味しいランチをいただき、ワイアットくんといっぱい遊んで、私のブロスト伯爵家への賑やかな初訪問は終了した。
(*^-^*)




