披露パーティー②
読んでいただきありがとうございます。
スパロー様は私の肩に、アルトとラノはイオの頭に、プロテア様とフォンス様は私とイオの隣に並び立つ。
「スパロー様は古城から出られないのではなかったのですか?」
質問すると、スパロー様は広げた羽で私の顔を包む。
「リノアに久しぶりに会いたかったからな、特別サービスじゃ」
「ふふ。ありがとうございます」
「スパロー様、お披露目の席です。リノアを隠すのは、やめてください」
プロテア様に促されて、スパロー様は羽を閉じる。
「それにしても今日は綺麗ね~」
スカーレット様が私の腕を撫でながらほほ笑む。
「ツルツルね」
「はい、アンナ達の技術の玉物です」
ハリル殿下がイオに声をかける。
「イオ殿も素敵な衣装だ、この布は何処で染められたものだ?」
「バーンズ公爵の工房ですよ、お気に召しましたか?」
「ああ、このグラデーションが素晴らしい」
「滞在中にご案内しましょう」
「それは楽しみだ」
「私達も話の輪に加えていただけますかな?」
イルーゾ王国セオドア王太子殿下、王太子妃クララ様とノアナ王国ラーシュ殿下が声をかけて来た。
スパロー様が私の耳元で囁く。
「あの色白、黒服には気をつけろ…なんだかいけすかない…バルドルか!」
「そうね、彼の気配ね」
プロテア様が相槌を打つ。
イオがセオドア殿下と話をしているうちに、私はラーシュ王子殿下に手を取られ、驚く間もなく私の手にキスが落とされた。
「おや、ラーシュ殿、女性に触れるなど珍しいですな」
イオが背を向けているため、ハリル殿下とスカーレット様が、私とラーシュ殿下の間に入る。
「ハリル殿下、お久しぶりですウルーゾ王国での婚姻式は見事でしたね感服いたしました」
ラーシュ殿下はハリル殿下に軽く会釈しスカーレット様の手も取り挨拶する。
「スカーレット様もご機嫌麗しく」
頭を上げたラーシュ殿下の胸ポケットから真っ白い鳥が顔を覗かせた。
「まあ。こんにちは白くて美しい羽根ですね」
「ほおお前は見る目があるな、こいつの嫁にしてやろう」
私の肩にのるスパロー様が大きな声を上げる。
「お前はばかか!バルドル!もうリノアはわしとプロテアの承認を受け、イオと結婚しておるわ!」
「そんなの本人の気持ち次第だ、どうやらラーシュは気に入ったようだしな」
白い鳥はラーシュ殿下のポケットから飛び出して、私の手のひらに飛び乗る。
鳥かと思えば真っ白なグリフィンで羽先だけ紺色の差し色が入っていてかっこいい。
「申しわけありません。バルドル様、私は夫のイオを愛しておりますので、他にお嫁に行く気はないのです」
「そうなのか………仕方ないな、しかし俺はそなたを気に入った。今度ノアナ王国に遊びに来るといい、美味しいものをいっぱい食べさせてやる」
「はい。是非ノアナ王国にはいきたいです。バルドル様はラーシュ殿下に憑いているのですか?」
「こいつは俺の盟友オスカルの子孫だ、代々王家を引き継ぐものと一緒にはいるが、憑いたのはオスカルだけだ」
「スパロー様達と同じですね」
「ああそこいる奴らとは腐れ縁だ!なースパローの爺さん」
「誰が爺さんだ!お前も爺さんだろうが!」
スパロー様とバルドル様は飛び回りながら炎と氷を吹いて戦っている。
「リノア、天井を見上げてどうしたの?セオドア王太子殿下とクララ様がロン男爵のことでお礼が言いたいそうだ」
イオが二人をつれて戻ってきた。
とても穏やかな雰囲気のお二人だ。
「ロン男爵のことでは、お二人にご迷惑をお掛けし申し訳なかった」
「これはエミリー達からのお祝いよ」
クララ様から手提げ袋を受け取る。
中には綺麗にラッピングされた箱とポピーが書いたのか、イオと私が教会の前に立つかわいらしい絵が添えられている。
「クララ様、おいでいただいた上にお手数をおかけしてしまい申し訳ありません」
「いいのよ、私もリノア様と話がしたかったの、エミリーは今、学院に通ているのだけれどね、夕方は私の側付きの侍女に教えを乞いに来ているの、真面目に頑張っているし、毎日あなたの話をしているわ」
「エミリー達は元気にしているのですね」
「ええ、今回も本当は来たいのでしょうけど、まずは自分を磨いてから会いに来るそうよ。ふふ」
「是非立派に仕事をするエミリーをイルーゾ王国の王宮に見に来てください」
「ねえ、セオ、エミリーには内緒でサプライズするのはどうかしら!」
「いいな、イオ殿と是非来てください」
イルーゾ王国の王太子ご夫妻はとても仲良しなのね。にこにこ楽しそうに話すお二人を見ていたら、私も笑顔になった。
(*^-^*)




