誕生日
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その日はなんだか寝付けなくて、アルトとラノと窓の外に浮かぶ綺麗な満月を眺めていた。
「リノア明日は誕生日?」
「リノア何歳?」
「んー18歳になるわ。この国では18歳になると大人の仲間入りよ、そう言えばアルトとラノの誕生日はいつ?何歳になるの?」
「僕は。んー……。100歳はいってないはず、ラノも一緒」
私は思わず二頭を見て眼をパチクリさせた。
年上だった……。
「アルトもラノも小さくてかわいいからまだ、子供だと思っていたわ」
「まだ子供だよ、ドラゴンは500年くらいたたないと成獣にはならないんだ」
「私達リノアに会うまでは、ずっとあの洞窟に居たの、外は危ないってみんなが言うから」
「出てきても良かったの?」
「もちろん、アルトが先に出て行ってすごく悔しかったんだから!次は私も必ず一緒に行くって毎日思ってた」
ラノが私の膝に乗り、スリスリと甘える。
「リノアは綺麗に光ってたし、プロテア様を助けてくれた」
アルトも膝に乗ろうとするがラノで既にいっぱいだ。
「そろそろベッドに行こうか」
二頭とベットに横になる。
アルトもラノも直ぐにスースーと寝息を立てて眠ってしまう。
私は薄暗い天井を見上げる。
「大人になるってどんなだろ……」
…………。
眠ろうと眼を閉じると小さくドアをノックする音が聞こえた。
「リノア、少しだけいいかな?」
「イオ?」
ドアを開けると、小さくて丸いケーキを持ったイオが居る。
「少しだけお邪魔してもいい?」
そう言いながらイオはドアの隙間からするりと部屋に入りニッコリ笑う。
「俺の大切な妻の記念すべき誕生日を一番にお祝いしたくて」
私は嬉しくてイオに抱き着いた。
「私の素敵な旦那様……ありがとう」
イオは両手でケーキとホークを落とさないように持ち上げて真っ赤になっている。
「あー。アルトとラノは寝ちゃった?」
「うん」
「じゃあ。二人で食べちゃおうか、アンナに怒られないように小さいのにしたぞ」
二人でお茶を入れ、ソファーに並んで座る、時計はあと少しで日付をまたぐ。
隣に座るイオの体温が暖かい。
ボーン。時計の音が、日付が変わったことを告げる。
イオを見上げると深く青い瞳に吸い込まれそうになる。
「リノア18歳の誕生日おめでとう」
そう言ってニッコリ笑ったイオは、フォークでケーキを一口すくう。
「はい。リノアあーん」
…………恥ずかしい…………。
私は眼をつむりあーんと口を開けた。
たちまち口の中は甘くておいしいケーキで満たされる。
「おいしい。イオも食べて」
私はお返しに、同じようにイオにケーキを差し出す。
「はい。あーん」
イオもパクリとケーキを頬張る。
「うん。美味しい!もう一口、あーん」
二人で小さなケーキを食べきるとイオがポケットから小さな包みを取り出した。
「開けていいの?」
「うん」
包みからは、天使の羽根をモチーフにしたシルバーの髪飾り。羽の先は、片方はピンク色、もう片方は水色の宝石が散りばめられている。
「綺麗…。」
「初めてリノアに出会った時、俺は天使が舞い降りて来たと思った、そしてリノアを知って恋に落ちた、初めて誰かとずっと一緒に居たいと思った」
イオから目が離せない。
「私もイオとずっと一緒に居たい」
「こうして毎年お誕生日を祝おう」
「うん。イオの時もね」
私はくるりとイオに背を向ける。
「髪飾りつけてくれる?」
イオは私の髪にぱちりと髪飾りをつける。明るい色のこの髪飾りはきっと私のチェリーブラウンの髪に映えるだろう。
「どう?似合う?」
後ろからイオに力強く抱きしめられて、私はすっぽりイオの腕に包まれた。
「リノア…。」
少しだけ体をひねりイオを見つめると、深いキスが落ちて来た。
ゆっくりと倒れて背中にソファーがついた。
「モーイオ!悪い子!」
「グー母様に怒られるよ!披露パーティーまではダメ!」
アルトとラノにガッシリと肩を掴まれ、私から引きはがされたイオは天井高く持ち上げられてあっという間に連れ去られた。
次はついに披露パーティーです。
(*^-^*)




