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リノアの魔道具トリップ   作者: とと


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リノア・バーンズ

読んでいただきありがとうございます。


「ねえねえ。イオとリノア結婚するの?」


ラノがクリクリのかわいい瞳で私を見あげている。


「そうよ、もう結婚はしたのね、スパロー様とプロテア様が加護をくれた教会での式があったでしょ。あれが婚姻式よ!今度はその婚姻をみんなにお披露目するの」


来月には披露パーティーが行われるため、バーンズ公爵は準備で慌ただしい。


「ああ、あれね!キラキラいっぱいで楽しかったよ」


「キラキラ?」


アルトが私の背中に張り付く。


「あの時リノアとイオ、いっぱいキラキラ光ってたよ」


「そうなのアルト!私達には見えてなかったなあ。スパロー様とプロテア様の炎と青い光が私達を包んだのは見えたけど……」


「これくれた時も同じ光」


アルトが首をかしげて角リングに触る。


「リングつけた時ピカッとアルトとラノが光ったのは見えたよ」


「うん。あれイオとリノアの光、繋がり強くなった」


「アルトとラノとの結びが強くなったの!嬉しい」


私はアルトとラノをぎゅーっと抱きしめる。




コンコン。ドアのノックに振り返ると、イオとグレースお母様が立っていた。


「楽しそうなところ邪魔して悪いが。リノア、少し庭に出ないか?」


「見せたいものがあるのよ!」


「はい。今行きます」


なんだかウキウキしたグレースお母様とイオに連れられて、私はサロンから続く庭園に出る。


グレースお母様の管理するピエールドゥロンサールが見ごろを終えて、ローズヒップをつけている、少しピンク色の実でとてもかわいい。


その続きには、私がお母様に送ったグレースローズがしっかり根付いて活き活きと葉を広げ、同じようにローズヒップをつけている。


お母様が一番端にあるグレースローズの前で止まった。


「リノアこれを見て」


お母様がひとつのローズヒップを指さす。


「他のローズヒップより赤い色が深いだろ~」


イオが自慢げにニコニコしている。


「本当に赤が深い……紫も少し入ってますかね?」


「そうなのリノア!これはね、グレーズローズと、バーンズ公爵が古くから大切に守っていたオールドローズのガリカを掛け合わせたの」


「すごい、掛け合わせは簡単に成功しないと思ってました」


「簡単じゃないのよ!庭師に相談していろいろ試してこの株に咲いた花すべてに受粉させたけど実をなしたのはこのひとつだけよ」


「そしてこれが成功したら名前はリノア・バーンズにしようと思う」


イオがお母さまの言葉にかぶせる様に、得意顔で宣言する。


「イオ!私から話すつもりだったのにこの息子は!」


二人を見ながら私の眼がしらが熱くなる。


グレースお母様が私を思い、丁寧に作業を進めてくれてことが嬉しくて、思わずお母様に抱き着いた。


「お母様、とても嬉しいです」


「私も嬉しいわ、花をつけるまでは本当に成功しているかわからないけれど、この大切な実は、リノアと一緒に摘みたかったの」


そう言ってお母様は私をぎゅうぎゅうと抱きしめる。


「母上、俺も居るんだけど!掛け合わせの手伝いもしただろ!」


イオが私をお母様から引きはがそうとすると、アルトがイオの頭をかじる。


「イオ、いい子にして」


「そうよ。おまけで連れてきてあげたんだからいい子にしてなさい!さあリノア一緒に摘んで」


お母様ともう一度ローズヒップの前に立ち、一緒に実に手を添えてポキリと摘んだ。


「わー。いい匂い!」


摘んだ瞬間、周囲にフルーツティーの様な少し甘いけどさわやかな香りが広がった。


ラノがクンクンと鼻を近づける。


興味深々のラノの頭を撫でながらローズヒップの実を手の平に載せる。


「お母様、このローズヒップは直接、土に種下ろしするのですか?」


「いいえ、実の中から種を取り出して、涼しい場世に保管するの、数ヵ月したらガラスの温室で、鉢に下して育ててみようと思うわ、理想の花が咲くかは咲いてみないとわからないけどね、その時はまた一緒にしましょうね」


ラノが私の肩に乗り種に口を近づける。


「ラノできるよ。ちゃんと咲かせる」


そう言うとラノはローズヒップをぱくりと加えあっという間に飲み込んだ。


「「「わあ!ラノ!」」」


イオとお母様と私も慌てて叫ぶ。


わたわたする私達をよそに、イオの頭の上からアルトが私の腕の中に降りてきた。


「大丈夫、ラノは植物を育てる力強い!だから心配いらないよ」


「うん。私リノアの実大切に守る」


アルトとラノは得意満面の笑顔。


「ドラゴンは植物を成長させる力もあるの?」


「うーん。いろいろできるけど、得意なことと苦手なことがある。ラノは植物と水に係わることが得意、僕は飛行と風に係わることが得意だよ」


「そうなの、凄いね……」


エヘン!と胸を張るアルトとラノを眺めながら少しだけ種が消化されないか心配になった。


(*^-^*)

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