アルトとラノ ( 第二部 完 )
読んでいただきありがとうございます。
「アルトとラノの声が聞こえるわ~」
「わあ。リノア苦しいよ~」
「リノアいい匂い~」
「ん?リノアいい匂い?」
イオも私ごとアルトとラノを抱きしめる。
「ほんとだな~ラノ、リノアはいい匂いだな」
「イオ!苦しいよ~」
アルトが私の腕を抜け出して、イオの頭をガジガジ齧る。
「にぎやかで楽しそうだな~」
テラスにフォンス様が降りて来た。
「フォンス様、聞いてください、アルトとラノの声が聞こえる様になりました」
「先ほどアルトとラノはウルーゾ王国に力を貸してくれたからな、ほんのお礼だ、リノアと二頭の絆は十分にあった」
「やっぱりフォンス様が手を貸して下さったのですね」
「些細なことだ、リノアが短期間に大切な絆をたくさん結んだことで、絆の道が渋滞していた。その流れを少し解いてやっただけだ」
私はラノを抱いたまま、深々とフォンス様に頭を下げた。
「それでもすごく嬉しいです。ね~アルト、ラノ」
「ね~」「ね~」
アルトがイオに抱かれて戻ってきた。
「フォンス様、私にもアルトとラノの声が聞こえます。今まで話せなかった家族と会話ができる様になり嬉しいです」
イオとアルトが深々と頭を下げる。
「家族か……。」
フォンス様が悲しそうにつぶやいた。
「フォンス様は私達二人の家族です」
声に振り返ると、ハリル殿下とスカーレット様。
「フォンス様!フォンス様は私達のかけがえのない家族ですのに、リノア達ばかりを気にかけていたら、嫉妬してしまいますわ」
スカーレット様がぷくりと頬を膨らませてからニッコリ笑う。
ん~。スカーレット様さっきはあんなに勇敢だったのに、今は凄くかわいい~。
スカーレット様はユースフ第二王子が掴みかかろうとしても一歩も引かず、眼もそらさなかった。
「スカーレットは昔から負けん気が強いからな~」
イオがからかう様に言う。
「なによ、イオったら~私はハリルがちゃんと守ってくれると信じていただけよ~」
スカーレット様は頬を赤らめくねくねしてる。
「きゃー。スカーレット様かわいい」
スカーレット様に抱きつこうとするが、ハリル殿下の方が早かった。
「リノア殿、その役目は私が」
ハリル殿下がスカーレット様を抱きしめたままほほ笑んだ。
「リノアには僕がいるよ」
「私も~」
「俺も」
アルト。ラノ。イオの一人と二頭に、一斉に抱きしめられる。
披露パーティーは、賑やかで楽しい時間が流れて行った。
✿ ✿ ✿
次の日の昼頃。
私達は予定を早めてルアナ王国に帰ることにした。
「本当に帰ってしまうの~」
ハリル殿下とスカーレット様が、私達が贈ったマントとストールを着けて見送りをしてくれる。
アルトとラノに乗って帰るため王宮の裏手から二人に見送られて帰路に就くことになった。
「バーンズ公爵家の母が早く戻れとうるさくてすみません。私達もお二人に負けない披露パーティーができる様に準備しますので」
イオと私がアルトに、モーガンとアンナがラノにまたがる。
「披露パーティーには二人で出席する予定だ、楽しみにしている」
「何を言う、私も出席するぞ」
ハリル殿下の言葉にかぶせる様にフォンス様が言う。
「フォンス様、それは光栄です。お越しいただけるのを心待ちにしております」
イオが礼を述べると、フォンス様が私達をじっと見つめる。
「やはり私からも二人に加護をやろう。その方が移動も楽にできる」
フォンス様がそう言うと、七色に輝く角の先から光が分かれて私とイオの左耳に届き一瞬白い閃光が走る。
ほんわりと耳たぶが暖かくなり触ると小さなピアス。
「スパロー達のように大きなものは邪魔だからな」
私の耳にはイオの海みたいに綺麗なブルー、イオの耳には私の瞳と同じ紫の小さなピアスがついている。
「フォンス様、とても暖かくてなんだか安心します。ありがとうございます」
「フォンス様大切にします」
イオと私が礼を取る。
「いいな、僕も欲しい」「私も欲しい」
アルトとラノがすねて。かわいい~。
「これ、お前たちは神獣だ、しっかり二人を守るんだぞ」
「はーい」「はーい、フォンス様。またね~」
二頭は一瞬で大空に舞い上がる。
私達は見送りに手を振り、ウルーゾ王国を後にした。
ルアナ王国に帰ったら、イオと私から二頭に何かかわいくかっこいいものを送ろう。
スカーレット様は婚姻の後は普通にフォンス様が見えて話せるようになりました。
ウルーゾ王国への仲間入りです。
第 三部の投稿まで少し時間をいただきます。25日くらいには開始したいと思っています。
今度は北に向かいます。




