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リノアの魔道具トリップ   作者: とと


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戴冠式と披露宴②

読んでいただきありがとうございます。


神官たちが進み出て、アデニウムの生花でできた冠をハリル殿下とスカーレット様に授ける。


二人は手を取り合い、一歩前にでた。


「ウルーゾ王国、国王であるハリルがここに宣言する」


予定にはない宣言なのか、神官やハリル殿下のそばに居る家臣たち以外は突然のことにざわざわと動揺が伺える。


隣に座るイオが私の手をぎゅっと握った。


イオを見上げると、ハリル殿下をまっすぐに見ている。


「静粛に」


大きくはないハリル殿下の声に、ざわめきが止まる。


「ウルーゾ王国は今まで、悪しき風習のために多くの悲劇を生んできた、私は妻であるスカーレットと一生を添い遂げる事を誓う。決して婚姻したまま他の家庭を築くことはしない、そしてみなもまた家督を継ぐために望まぬ婚姻をする必要はない、神殿と王家で適切な人材であることを証明し、婚姻とは関係なく家督を継ぐ事を許す。


また、現在新たに家族を持っている物はその家族を正当な家族とし、家督を継ぐためだけの婚姻は無効とする、神殿と王家にて既に状況の調査は済んでいる。そのためこの場にて新法を施行を宣言する。

事実が異なり異議申し立てのある物は後日、神殿に申し出る様に。


そして前王は10年間の公務放棄にて王家を除籍、前王妃は新たな家族に籍を置く。


新体制につき混乱が生じる事もあるかと思うが、どうか私に力を貸してほしい」



新国王の宣言に、2割ほどの人が動揺し、不満の声を上げたがその他の人々は喜び参道の歓声を上げている。


「おい、どういうことだよ!国からの金が入ってこなかったらろくに働かない父親たちが居ても生活できないじゃないか」


「俺たちは王族のままだろ兄さん」


ユースフ第二王子と、マリアム第三王子がハリル殿下に詰め寄る。


「新しい家族とすこやかに過ごせ、どのみちお前たちは成人だ、自分で働け」


ユースフ第二王子がスカーレット様に視線を移し、大声を出す。


「お前が兄さんをそそのかしたんだろ」


スカーレット様に掴みかかろうとするユースフ第二王子の手をハリル殿下がひねり上げる。

同時にフォンス様が後ろ足でユースフ第二王子を蹴り上げた。


「わあ。」

私は思わず手で目を覆う。


ユースフ第二王子は凄い勢いで飛んでいき泉にドボンと落ちた。


「はあ良かった蹴られても泉に落ちたなら大丈夫ね」


「今やっぱいりフォンス様が蹴ったのか」


「ええ。渾身の一撃だったわ」


私達が笑い合っているうちに、前王の家族は広間から退出させられていた。


「皆、私達と共に良い国を作ろう!」


ハリル殿下がスカーレット様と握った手を上げて宣言する。


皆の拍手と共にフォンス様がみんなの頭上を円を描くように走ると虹色のキラキラした光が広間に降り注いだ。


アルトとラノもフォンス様の後ろを気持ちよさそうに飛んでいる。


光はみんなにの眼にも見え、一斉に称賛の声が上がる。


「なんと素晴らしい、神のご加護だ」


「ウルーゾ王国の未来はお二人が居れば安泰だ」


「ハリル殿下!スカーレット様」


空気が一気に浄化された気がする。


「お騒がせしてすみませんでした、ここからは、私達の婚姻披露パーティーです。皆さん楽しんでいってください」


スカーレット様の声で演奏が始まり、あたたかな料理が運び込まれ披露パーティーが始まった。


ハリル殿下とスカーレット様は次々に皆から挨拶を受けている。


私とイオは人込みを避け2人で泉の見えるテラスにでた。


テラスの柵にアルトとラノが落ち立つ。


「リノアリノア、さっきの僕かっこ良かったでしょ」


「リノアリノア、私の方がきれいに飛んでたでしょ~」


私は二人の声に驚いて、嬉しくて二頭をぎゅうぎゅうに抱きしめる。


「アルトとラノの声が聞こえるわ~」




(*^-^*)

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