戴冠式と披露宴①
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婚姻式は朝日が昇ると同時に行われた。
泉のほとりにある小さな神殿で神官とフォンス様に見守られながら行われる式はとても幻想的で美しい。
「リノアの花嫁姿もみんなに自慢したいな」
イオが私の腰を抱き、耳元で囁く。
「もどったら披露宴の準備を頑張らないといけませんね」
近距離で見上げるとイオの顔が赤くなる。
私達は固く手を握り合い。式を見届けた。
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「わあ~。スカーレット様綺麗です」
立食での朝食を挟みハリル殿下の戴冠式と婚姻疲労パーティーの準備が進んでいる。
スカーレット様は婚姻式で着たシンプルなドレスから、披露宴用の華やかなドレスに着替え終わり、控室に待機中。
「イオとリノアは1週間前から来てくれたのよね」
王妃様がイオと私に優しく微笑む。
「はい。砂漠の散歩や食べたことのない料理や果物、見たことのない動物いろいろな経験をさせていただきました」
「私達が直前でないと来られなかったから助かったわ~。そうでなければスカーレットはきっと今頃カンカンよ」
控室には夜中に到着された、ルアナ国王夫妻とビクトル公爵夫妻、3人の王子が勢ぞろいしている。
「私はリノアが来てくれたから寂しくなかったけど、今日は皆が来てくれて嬉しいわ」
仕度を終えたスカーレット様が立ち上がる。
「本当に綺麗ね~スカーレット」
ビクトリア夫人と王妃様がスカーレット様の隣に並ぶ。
並ぶと似ているのが良くわかる、皆さんとても綺麗。
「そろそろ式が始まりますので、みなさんこちらにお願いします」
案内の侍女に続き会場に向かう。
廊下を進むとハリル殿下が正装に身を包み待っていた。
「スカーレット様はハリル殿下とこちらに、皆さまはその扉からお入り下さい」
待機していた騎士に案内され入った広間はとても広く、様々な国の来賓が既に思い思いに過ごしていた。
「こちらのお席にお願いします」
広間の両サイドには中二階の様な席があり、ルアナ王国からの参加者はそちらの席に案内された。向かい側の同じような席には、ウルーゾ王国の関係者がすでに着席している。
私の知る顔は第二王子だけだけど、彼より上座に居るのが、ハリル殿下のご両親かしら、それにしても家族のはずなのに誰も会話をしていない……。
私達も着席して少しすると、ハリル殿下とスカーレット様の入場が告げられ二階にある大きな扉が開いて、ランディングに二人が姿を見せた。
「本日 午月 8の日、ウルーゾ王国第一王子である、ハリル・ウルーゾ殿下、ならびにルアナ王国第二王女、スカーレット・ルアナ妃の婚姻が日の出とともに結ばれたことをここに報告する」
家臣が婚姻の報告を読み上げると、ハリル殿下が持った杖を高く掲げる。
「この婚姻を持って、ハリル・ウルーゾが第28代ウルーゾ国王となる」
ハリル殿下の宣言に、集まったみんなが祝福の声と拍手を送る。
ウルーゾ王国では婚姻した者しか王座を継ぐ事ができない。しかし前王は、ハリル殿下が15歳となると王としての職務を全て殿下に押し付け、自分はただ新しい家族とのんびり過ごしている。母親である王妃様も同様だ……。
公務をこなすようになってからは何度も望まぬ婚姻をさせられそうになったが、それをハリル殿下はずっと拒み続けていたのだとスカーレット様が教えてくれた。
ハリル殿下の隣で凛と前を向くスカーレット様はかっこいい、そしてハリル殿下を信頼し、愛していることがひしひしと伝わってくる。
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