フォンス様
読んでいただきありがとうございます。
「そしてここでの話は他言しないことを誓い問う。リノア殿は神獣憑きではないだろうか?」
イオの肩に力が入る。
「いや、私も神獣憑きと言うか、ウルーゾ王国の国王になる者はフォンスが認めるものでなければならない」
「フォンス?」
私がつぶやくとハリル殿下の後ろが白く光り、七色に輝く角を持つ真っ白なユニコーンが見えた!
ユニコーンと眼が合い、私は挨拶する。
「こんにちは、私はルアナ王国、バーンズ公爵家のリノアと申します。」
「我が名はフォンスこの泉を守る者、リノアはドラゴン憑きなのか?それにたいそうな加護がついているな、先ほどは我が国の者が無礼をはたらいたようですまなかった」
「いえ。私は何もされていませんから」
「もしかしてリノア殿にはフォンスが見えるのか?」
「はい。とても美しいお姿ですね」
ハリル殿下が少し前のめりになる。
「いや、私はフォンスの気配を感じることが出来るし、フォンスの声も聞こえるのだが姿が見えないのだ」
私はフォンス様の眼を見て問いかける。
「フォンス様、ハリル殿下に姿をお見せすることはできますか?」
「ああ。かまわない、リノアのドラゴンの力を借りてもいいか?」
「はい。もちろんです。アルト、ラノ、力を貸して貰える?」
私が声をかけるとアルトとラノがくるりと回って姿を現した。
「わあ。かわいいドラゴン♪それも2頭もいるじゃないさすがリノア!」
スカーレット様が歓喜する。
アルトとラノが私達の頭上をくるくる回ると、キラキラとした光が降り注ぐ。
フォンス様の体に光が触れるとフォンス様はぼんやりと白い光を放つ。
「わあ。ユニコーン」
イオがハリル殿下の後ろを見て驚き。スカーレット様は眼をぱちくりしている。
ハリル殿下は勢いよく後ろを振り返り、固まった。
「フォンス……。」
「次期王ハリルよ、神獣には敬意を払え、それだから姿が見えぬのだ」
ハリル殿下はフォンス様の前に跪く。
「お初にお眼にかかります、フォンス様。お会いできて光栄です」
「ハリルよ、今回ルアナ王国から妻を迎えることが出来たことはこの国にとって好機だ、正しき道に進むことを私は望んでいる」
「はい。フォンス様、心して臨みます」
ハリル殿下が深々と頭を下げると、フォンス様は嬉しそうに頷いた。
「まあ固い話はここまでだ」
フォンス様が私の方を見る。
「リノアとそこの小僧からは、スパローとプロテアの気配を感じるが」
「はい。私はスパロー様の、イオはプロテア様の加護を受けております、さらに婚姻の立ち合いも行っていただき、二人の絆を深める加護もいただきました」
「ほう。そうとう気に入られているな」
イオが私の隣で礼を取る。
「フォンス様、お初にお眼にかかります。私はバーンズ公爵家が嫡男イオと申します。この度はお眼にかかれて光栄です」
「バーンズ?お前はギャビンの子孫か?似てないな」
「私で17代目となりますから」
「はは。ギャビンは不細工だったからな、お前たちのことは私も気に入った、加護それ以上いらないだろうからハリルとスカーレット同様に息災であることを見守ろう」
それから私達は、フォンス様の昔話をいっぱい聞いて楽しい時間を過ごした。
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