久しぶりの魔道具づくり②
読んでいただきありがとうございます。
「私は毎日伯爵家に戻っておりますので大丈夫です。伯爵家は隣ですしね」
アンナはにっこりと笑った。
「もしかして知らないのは私だけ?」
「そうですね、テオールもモーガンがブロスト伯爵家に連れてきたことがありますので」
うぅ~。テオールの方が先に知ってたなんてショック。
「私も職場ではモーガン様と呼びますし、門下の子爵家の次女としてバーンズ公爵家の侍女として勤め始めましたから」
「じゃあじゃあモーガンとはここで出会ったの!わあ。どんな出会い♪ アンナとモーガンの結婚式見たかった~。ブロスト伯爵家に私も行きたいわ!そうよそれより伯爵家の夫人としての務めはどうしてるの!」
眼を全開に開き、次々質問する私をアンナは声を出して笑った。
「リノア様も女の子なんですね~。なんだか安心しました、短期間にいろいろなことが起きて結婚にまで至ってしまい、心配しておりました。
工場に行くお支度をしながらお話ししましょう。出会いや付き合い始めの話をリノア様にしたことは、モーガンには内緒ですよ」
「うん。女子会の内緒話ね」
ニコニコしながら本邸に戻ろうと、別棟を出るとイオが戻ってきた。
「イオ様!そんな作業着で出かけるつもりではありませんよね」
「ええ~。いいだろ、工場に行くだけだぞ」
「結婚なさったのです、次期公爵としての自覚をお持ちください、リノア様の準備もありますので、1時間後にモーガン様を連れて正面にお願いします」
「わかったよ~」
拗ねたように頭を掻くイオと本邸に戻る。
そして支度をしながら、伯爵家のご両親は現役バリバリなので簡単な手伝いだけで済んでいて、たっぷりアンナとモーガンの馴れ初めを教えてもらった♪
ふふ♪
✿ ✿ ✿
織物工場はバーンズ公爵家から馬車で30分ほどの街のはずれにあり、少し高台で海が一望できる。
風が気持ちいい。
馬車を下りると、グリスリーみたいに大きな男性が近づいてきた。
「イオ様 そして次期公爵夫人、織物工場にワザワザおいでいただきありがとうございます、私は工場を管理しておりますカーター子爵家のロッドと申します」
「ロッド、急にすまないね」
イオが私の背中に手を置く。
「ロッド。私の妻のリノアだ、今後もよろしく頼む」
「いや。素敵な奥様で。いつもアンナがお世話になっております」
「ロッド様、今日は無理を言いましてすみません。スカーレット様のお祝いの品を是非こちらの織物で作りたいと思いまして」
「それは大変に名誉なことで嬉しく思います。最高のものを準備しましょう」
「さあさあこちらに」
イメージと違うアンナのお兄さんに思わずアンナをじっと見つめる。
「似ていないですが実の兄ですよ。兄は父によく似ていて私は母に似ています。それよりリノア様。顔が赤いですがどうされました?体調が良くないのですか?」
アンナの言葉に私はさらに赤くなる。
「違うの……イオに初めて妻と呼ばれたから……なんだか恥ずかしくて」
「リノアかわいこと言うなよ。抱きしめたくなる」
イオがエスコートする手をさらに引き寄せる。
「もう。みんなでからかわないでください」
わいわいと話すうちに工場の応接室に着いた。
そこには色とりどりの織物が並べられ選べるように準備されている。
「わ~。綺麗、これは組み合わせていただくこともできますか?」
それからみんなでいろいろ相談して、スカーレット様には透け感のある布地の両サイドにハリル殿下の瞳の色であるライトグリーンをベースに黄色の花を織り込んだ布を合わせ、ハリル殿下のマントはウルーゾ王国の国旗に使われている明るいベージュの布に、スカーレット様の瞳の色である青をベースに黄色の小鳥を織り込んだ布を合わせたものを使うことにした。
布を合わせて生成してもらうのに一日かかるためその日は布を持ち帰らずに、留め具の政策に取り掛かることにした。
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