久しぶりの魔道具づくり①
読んでいただきありがとうございます。
婚姻式を終え、イオと私は晴れて夫婦となった。
とは言うものの、4か月後、私の18歳の誕生日を過ぎて、予定していた披露宴を行うまでは特に今までと変わらない生活だ。
「リノア、作業場で何してるの?」
「スカーレット様の結婚祝いに魔道具を作ろうと思って」
「何を作るの?」
そう言いながらイオが私の隣にぴたりと張り付いて座る。
「もうイオ、そんなに近づいたら作業がしにくいよ」
「俺も手伝うからいいだろ」
「サボってるとセルお父様に怒られるよ」
「ちゃんと仕事は終わらせてきたよ~」
イオにギューッと抱きしめられる。
「もう。やっぱり作業ができないからあっちの椅子に座って」
婚姻式の後からイオは何だがスキンシップが多い。
「はいはい。仰せの通りに」
おでこにキスを落として、イオは向かいの席に移る。
もう油断も隙も無いんだから!私が頬を膨らめても、怒った顔も可愛いとからかわれた。
「もう!どんな魔道具にするか悩んでるのに」
「何を作るかで悩んでるの?」
「えっとね。西の国は朝晩の寒暖差が激しい前にイオから教えてもらったでしょ、だから気温に合わせて涼しくも暖かくもなる何か良いものがないかなと思ってるんだけど……持ち運びが便利で、できれば身に使られるものが良いかなと思って」
「うーん。身に着けるならブレスレットやイヤリングなんかだと扱いやすいかも、あとは……」
「そうだ、ストールはどうかな?片方の先に留め金になる魔道具を行けて、火魔法と水魔法がうまく付けられて風魔法で流せばどっちも対応できるように作れると思う」
「実際に羽織れるのはいいな…………ウルーゾの王太子殿下にもお揃いの魔道具を男性がつけやすい形にして渡すのはどうだ?」
「いいわね~どんな形がいいかしら」
「ウルーゾ王国の男性は短いマントを付けているからそれに魔道具を組み合わせるのはどうだ?」
「いいわね、どんな素材がいいかしら」
「ルアナ王国特産の織物を使うのはどうだろう、シルクよりしっかりした織物だが、色のバリエーションも豊富だし加工もしやすい、さらに直ぐに手に入る」
「直ぐに?」
「ああ、バーンズ公爵家の手掛ける仕事の一つだ、近くに織物工場もあるし見に行くか?」
「いいの?」
「もちろんだ、父上とサムエルに声だけ掛けてくる」
イオは手を振り作業場を出て行った。
少ししてアンナがドアをノックして入ってくる。
「リノア様、織物工場へ出かけられるのですか?」
「そうなの、スカーレット様の結婚祝いに魔道具を作るんだけど、その素材に仕えないかイオと見に行くのことになったの」
「そうですか、ではお支度を」
「このままじゃだめ……?」
「リノア様!作業着のままいかれるつもりですか、リノア様はもうバーンズ公爵家の次期公爵夫人なのですよ」
「そうでした……。」
「それに私もついていきます。織物工場は私の実家であるカーター子爵家で兄が管理していますので」
「そうなの!アンナのお兄様が♪」
「はい。私は既に他家に嫁に出ておりますが」
「ええええ!アンナ結婚してるの?誰と?」
「ブロスト伯爵家です」
「ん?…………モーガンと結婚してるの!」
「はい。話していませんでしたか?」
「聞いていません!」
「私は3年前に息子を産み、息子が二歳になる少し前に仕事に復帰しました。来月三歳になります」
「子供もいるの!」
「はい。リノア様が初めてバーンズ公爵家に来た際、グレース様が復帰して間もない私にリノア様の侍女を任せてくれたのはきっと、乳母の役目も担えるためだと心得ております」
「乳母!というか、お子さんは母も父も私達にかかりきりで大丈夫なの~ごめんなさい」
「私は毎日伯爵家に戻っておりますので大丈夫です。伯爵家は隣ですしね」
アンナはにっこりと笑った。
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