フェニックスの間
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数日後、イオと私はバーンズ公爵家のフェニックスの間を訪れた。
ここには初代からのフェニックス像が飾られている。
私達は一番小さな黒水晶でできたフェニックス像の前に立った。
「これがギャビン様のフェニックス像」
黒々と輝くフェニックス像は20㎝×20㎝くらいで以外に小さい。
「この後ろに、文字が刻まれているんだ」
イオに促されてフェニックス像の後ろを覗き込む。
「天使が舞い降りし時、望外なる幸運がもたらされる……。」
私がつぶやくと、イオにグイっと腰を引き寄せられる。
「俺、リノアに出会ったあの日、この天使がリノアだと思った……そして俺は今その天使に出会えて最高に幸せだ……。」
イオの真剣な眼差しから目が離せない。
顔が近づく。
「その通りその天使はリノアだ」
「わあ。フェニックス像がしゃべった!と言うかその声はスパロー様?」
「なんだよ!スパロー様」
イオがフェニックス像に布をかける。
「小僧。盛り上がってるところ悪かったが、16代と話をしたい。呼んでくれ!そしてこの布を取れ!」
「ところでスパロー様はこのフェニックス像を通じて以前から話すことが出来たんですか?」
「いや、リノアとイルーゾ王国で出会ってからだな。しかしこのフェニックスの間もだいぶにぎやかになったもんだ」
私はスパロー様の像から布を取る。
「見る事もできるんですね」
「そうだな。リノアのかわいい顔が見えるぞ」
イオがまたスパロー様の像に違う布をかける。
「おい小僧、次に会った時には容赦しないぞ」
スパロー様の像から布を取る。
「そう言えば、スパロー様に加護をいただき、プロテア様とも話せるようになったんです」
「おお、もうだいぶばあさんだろ、プロテアは元気か?そうか小僧のイヤリングはプロティアが加護したのか道理で気配が濃いはずだ」
「はい。加護をいただきました」
「ギャビンから17代にして最強の夫婦だな。産まれてくる赤子が楽しみだ。赤子にはプロティアより先にわしが加護をするからな、覚えて置けよ」
「加護ってそんなに分けられるものなんですか?」
「まあわしの羽の分くらいは大丈夫だ、心配せずたくさん産んでいいぞ」
「もうスパロー様、私達はまだ結婚もしてないんですから」
「リノア、顔が真っ赤だね」
「もうイオまで私をからって!」
「そうじゃ、その結婚のことで16代と話がしたい」
イオがセルお父様を呼びに行き、三人と一基で話し合いとなった。
スパロー様いわく、西のウルーゾ王国でドラゴン憑きが話題になっていて、
第二王子殿下もしくは第三王女の婚約者にと探しているらしい。だからお前たちは早く結婚してしまえとのことだった。
セルお父様がうなる。
「しかし、既に婚約式は盛大に行い、周知したのですよ。スパロー様」
「昔からそうだが、あの国はいざとなったら婚約など関係なく奪いに来るぞ、自由奔放な国なんじゃ」
「来月には ハリル王太子殿下とスカーレットの婚姻の儀に招待されているが……スカーレットには悪いが、イオとリノアはいかない方がいいか」
「それまでに婚姻だけすませばいい」
「スパロー様、リノアはまだ17歳です、18歳になるまでにあと半年あります」
イオがまた布をかける。
「親がいいと言えば、17歳でもできるだろ」
そっと布を取る。
「式だけ明日上げろ」
「「「スパロー様」」」
(^_^;)




