フェニックス
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「こんにちは」
私は思わず、イオの頭の上にいるフェニックスに挨拶をする。
「なにどうしたの?リノア。急に こんにちは?」
イオが不思議そうに私を覗き込む。
「久しぶりにドラゴン憑きを見たが、二頭も連れているとわな」
「わ。声が聞こえる」
「ああ。お前とは魔力の相性がいい様だ。こいつにもお前の魔力を感じる」
フェニックスはイオの頭の上で足踏みをする。
「私の婚約者なんです」
「ほう。なるほど、こいつはギャビンの子孫か!ギャビンとは二人で良く戦場を駆けまわったもんだ」
ギャビン様はバーンズ公爵家初代公爵閣下の名前。
フェニックス様どれくらい生きているのかしら?
「フェニックスの長老様ですか?」
「まあそうだな、一番長生きだ」
フェニックスは得意げに翼を広げる。
「私は、リノアと言います。長老様にはお名前がついていますか?」
「ああ。ギャビンに貰った。スパローだ、かっこいいだろ」
「はい。スパロー様」
初代公爵閣下はフェニックス憑きだったんだ。
自分の頭の上を見ながらひとりでしゃべる私を心配して、イオが手を振る。
「お~い。リノアどうしたんだよ」
「ああごめん、イオ。今イオの頭の上にスパロー様がいるの」
イオは眼をぱちくりして首をかしげる。
「おい。何をする、急に首をかしげたら危ないだろ!」
スパロー様がイオを突く。
「クワ-」「クワ-」
アルトとラノが私とイオの周りを鳴きながら飛びまわるとスパロー様の体がぼわっと燃え上がり、スパロー様はイオの頭から私の肩に移動する。
こんなに燃えてるのに熱くない。
「わあ。フェニックス!」
イオにも姿が見えるようになったみたい。
「おい。ギャビンの子孫よ、そんなに驚くな」
「わあ。しゃべった。それよりリノア熱くないの?大丈夫?」
「うん熱くない大丈夫だよ」
私が答えるとスパロー様は、イオをからかう様に私の頭を羽で包んだ。
「わー。リノア大丈夫、おい、鳥!リノアから離れろ」
「鳥とは何だ小蔵、ギャビンの奴、子孫の教育がなってないな」
私はスパロー様の羽をかき分け顔を出す。
「イオ様、この方はフェニックスの長老でスパロー様、バーンズ公爵家初代公爵閣下に憑いて一緒に戦ったりしたそうです」
「そうだ、ギャビンは私の盟友だ」
イオがスパロー様を繁々と見つめる。
「はあ。それは失礼しました。お初にお眼にかかります、私バーンズ公爵家が長子イオと申します」
「よしよし。ちゃんと挨拶ができるじゃないか、しかしイオ。いい嫁を見つけたな、この娘はバーンズ公爵にとって宝となる。大事にするんだぞ」
「もちろんです。リノアは生涯をかけて大切にします」
私を引き寄せるイオをみてスパロー様は満足そうにうなずいた。
「もうドラゴンが二頭も付いているから最強の嫁だが、私からもこれを授けよう」
そう言うとスパロー様は自分の翼を突いて一本羽を抜く。
抜いた羽は一瞬光を放つと根元は青く、羽先はオレンジから赤色のイヤリングに形状を変えた。
宙に浮いているイヤリングにスパロー様が羽ばたいて風を送るとひらひらと舞って私の左耳に飾られる。
「ほんのり暖かい」
「私はこの古城の主としてここから離れることは難しいが、その羽はお前を守り助けてくれる」
「スパロー様。ありがとうございます。大切にします。
落とすといけないから何かに入れてペンダントとかにしようかな」
私はイヤリングを外そうとするが……取れない。
「大丈夫じゃそれは外れない」
「ええええ。こんな大きなイヤリング外れないんですか?」
スパロー様は自信満々に頷いた。
「私がつけたんだ、外れるはずがない。
まあ安心しろ、小僧とお前にしか見えん」
(*'ω'*)




