楽しまなきゃ
読んでいただきありがとうございます。
「心配して手を差し伸べてくれる人に出会えてよかったわね」
話し合いを終えて、ホテルに戻りアンナに入れてもらったお茶をイオと飲みながらふとつぶやいた。
エミリー達は三人とも伯爵家に養子に入ることになり、早々に伯爵家へと移って行った。
仕事については、今まで三人がどんな生活をしていたかわからないため、メトロ伯爵家で3人の状況を確認し、エミリーが外で仕事をしても可能と判断されれば、バーンズ公爵の雇用試験を受けに来ることに決まった。
「そうだな。メトロ伯爵の評判は悪くない、きっとしっかり育ててくれるだろう」
「それにしてもアンナの働く姿は相当魅力的だったのね、あのエミリーのキラキラした目が忘れられないわ。なんだか私まで誇らしい」
アンナを見ると耳を赤くして、「お茶のお代わりをお持ちします」と出て行ってしまった。
2人になるとイオが私の手を握る。
「イルーゾ王国にせっかく婚約旅行に来たのに、全然観光で来てないな」
「ほんとね。イルーゾ王国の魔道具のことも全然見てない」
気が付けば今日で3泊目、最後の日は移動だから観光するなら明日しか時間がない!
「イルーゾ王国には現国王が使用している王宮とは別に古城があるんだ、その古城には古い魔道具も展示してあるみたいだよ」
「わあ。素敵行きたい♪」
「よしそしたら明日はその古城に行こう、あとはイルーゾ王国にはパスタみたいな麺をスープに入れて食べる郷土料理がある。それも食べてみない?」
「わあ。食べたいなんて名前の食べ物なの?」
「確か和蕎麦、冷たいまま食べたり、あたたかくして食べたり、いろんな食べ方があるみたいだよ」
「いろんな新しいことにチャレンジするのは楽しみ」
✿ ✿ ✿
次の日朝早くから私達は古城へと向かった。
古城は湖の畔にあり、白の周りには多くの飲食店やお土産もの屋さんが並んでいる。
「イオ。見てみて、あのピンク色の果実はなんて言うのかしら美味しそう」
「はは。あれはペッシュだよ、皮をむくと中は白や黄色の実で甘くておいしい」
私達はお店を見たり食べ歩きをしながら古城に向かい、昼過ぎには入城することが出来た。
「あの冷たい和蕎麦美味しかったね。ツルツルしてて少し食べにくかったけど」
「隣のおじさんズズズズーってすごい!吸い込んでたな」
「ふふふ。上手だったね」
イオと話しながら古城を見て回る。魔道具はやはりルアナ王国と似ていて、魔石を使用し動くが、魔石の産出が少ないためさらに高値で取引されていて贅沢品だ。
やっぱりもっと気軽に使える様になればいいのに。
「リノア、城のてっぺんに行ってみよう」
「うん」「クワ-」「クワ-」
アルトとラノが楽しそうに私達の周りを飛び回っている。
階段をどんどん上がり、城のてっぺんにぐるりと丸く作られたテラスに出た。
湖と周囲の山々が一望できる。
「少し風が冷たいね」
「そおだな。イオが着ていた上着を脱いで私の肩にかける。
「ありがとう」
そう言ってイオを振り返るとイオの頭に真っ赤に燃えるフェニックスが止まっていた。
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