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リノアの魔道具トリップ   作者: とと


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イルーゾ王国、貴族院との話し合い

読んでいただきありがとうございます。

「テオール……。」


モーガンがテオールの肩に手を置く。


「テオール、住む場所や食事の問題だけではないんだ、貴族の未成年者が後見人や親の許しも無く、国を住み替える事はできない、リノア様やテオールお前も家族が適切な手続きを踏んでいる。

貴族だからこそ簡単ではないんだ」


「私、テオールみたいにリノアの所で働く、テオールも男爵家の子息なんでしょ?そしたら働いたお金でこの子たちのことは私が面倒を見る」


エミリーが私に真剣な眼差しを向ける。


「エミリー。わたしも17歳でまだ成人していないの……私が決めてあげられなくてごねん。でもみんなの気持ちをちゃんと、イルーゾ王国に伝えよう。

エミリーは、ロン男爵家がなくなってしまってもいいの?」


「ロン男爵家はヒューゴが継げたらいいなと思う……どうしたらいいのか……わからない」


「私も自分が考えただけじゃわからない、だからみんなで考えよう」



✿ ✿ ✿




次の日、イルーゾ王国の貴族院の事務官と今後について話し合いを持つことになった。


話し合いには、イオと私、モーガンとエミリーで行くことになった。

指定された場所につくと、白髪の男性と、お父様くらいの男性と女性が待っていて、応接室に案内された。


「みなさまお集まりいただきありがとうございます。私は、イルーゾ王国の貴族院で事務次官をしております、サルファと申します。今日はロン男爵家の今後について話をさせていただきたいと思います」


サルファさんが集まったみんなを見回す。


「今回ロン男爵令嬢エミリー嬢と同行していただいたのは、ルアナ王国バーンズ公爵令息、婚約者のエバンス伯爵令嬢、側近のモーガン卿で間違いないですか?」


イオが頷く。


「それでは、イルーゾ王国内の事情を先にお話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」


「はい」


「こちらに同席しているのはロン男爵の遠縁にあたるメトロ伯爵と伯爵夫人です。今回の騒動より以前から子息たちを養子に迎えたいとロン男爵に話していたそうですが、このような状況となり……貴族院としては、エミリー嬢とポピー嬢を伯爵家に、ヒューゴ様は伯爵が後見人となり、成人した際にはロン男爵の爵位をヒューゴ様に爵位を返上する方針で検討しておりました」


話終わるとサルファ様はイオに視線を向けた。


「私どもはルアナ王国の者、13歳とはいえエミリー嬢の意見を聞いたうえで判断したい。それと後見を受けるヒューゴは、何処でどのような暮らしになるのだろうか?」


「ヒューゴには養子に入るエミリー、ポピーと同じように我が伯爵家で成人まで育てたいと持っている。

私達は子宝に恵まれず、以前からエミリー嬢を養子にとロン男爵に申し入れていたのだが、1年ほど前からまともに連絡も取れなくなり、家を訪ねても使用人も連絡が取れないと言うし……困っていたんだ」


「どうかしらエミリー私達のことは知っているでしょ、家の子供になってくれない?」


メトロ伯爵夫人がエミリーに話しかける。


「あの。メトロ伯爵と夫人のことは信頼のおける人だと知っています。

なので、ヒューゴとポピーを養子にして下してください。

2人が貴族でいられるなら、ロン男爵の爵位なんてどうだっていいです。

それと、私はやりたい仕事を見つけたんです。雇ってもらえるかわかりませんが、一緒に働きたいんです」


エミリーはメトロ伯爵夫妻に深々と頭を下げた。


「ヒューゴを跡継ぎにしてもいいの?」


「ヒューゴが、それでもいいと決断するなら構いません。

私はそうした方がヒューゴは幸せになれると思います」


エミリーはメトロ伯爵を見詰める、その眼差しには強い意思が宿っていた。


「それで、エミリーは何処で働きたいんだい?」


メトロ伯爵は席を立ちエミリーの前にしゃがみ、視線を合わせた。


「我が伯爵家は領地経営も順調で裕福だ、3人一緒に養子になってくれても全く困らないが、どんな仕事がしたいんだい?」


エミリーはこくりと頷く。


「わがままを聞いていただけるなら、私はルアナ王国のバーンズ公爵でアンナさんに侍女の仕事を教えてもらいたいです。この数日アンナさんと過ごして、信頼する主人のために働く姿に感動しました。私もアンナさんみたいになりたい」


「弟妹と離れ離れになるけどいいの?」


「はい。でも国を出ていくには、手続きが必要だと聞きました。

ヒューゴとポピーをお願いするだけでもご迷惑をお掛けしていますが、伯爵様どうか私がルアナ王国に行けるよう手を貸してください」


メトロ伯爵はエミリーの頭を優しく撫でた。


「では、伯爵家の養女になってからでも遅くない、勤める先が公爵家であるならなおさらね。たまには里帰りしてイルーゾ王国に来たら弟妹にも気軽に会うことが出来る」


伯爵の話を聞いたエミリーは、伯爵を見詰めたままハラハラと涙を流した。


メトロ伯爵の隣に夫人も屈んでエミリーに手を伸ばす。


エミリーは夫人の腕に飛び込んだ。



(@_@。 幸せになーれ。

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