ロン男爵家の事情
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夜もだいぶ遅い時間になっていたので、その日は三人を私のベッドに誘い、一緒に過ごす事にした。
10日間も子供達だけでどうして過ごしてきたのか……。
私はすやすや眠る三人の頭をそっと撫でる。
ポピーがころりと寝返りを打って私の指を小さな手が握る。
なんだかとても胸が苦しい……。
「「クワ-」」
アルトとラノが頭をスリスリしてくれた。
「ありがと」
✿ ✿ ✿
次の日イオとモーガンで調査を進め、ロン男爵家の事情が大まかではあるが見えて来た。
エミリー達の両親は二人とも浪費家で、ロン男爵家の資産であった領地の工場や土地を売ってしまい、それがなくなると貸金屋からお金を借りて、ここ数年は返済から逃れるため逃げ隠れする生活だったようだ。
タチの悪い貸金屋は子供達を売り飛ばすぞと直接脅す事もあったようで……エミリーは弟達を守るため、人が来るたび屋敷の庭にある地下倉庫に三人で隠れて過ごした。
そのため保護員が男爵家を訪れても子供達を見つけられなかったようだ。
イルーゾ王国はロン男爵の爵位を一時的に返上させるが、子供達には罪がなので後見人をつけて成人と共に爵位を返すか、お互いの希望があえば養子縁組をするつもりでいたようだ。
「よかった。国はちゃんと考えてくれていたのね」
「ああ。今、エミリー達にはモーガンとアンナがこれからのことを説明してくれる。
もっと早くに介入してやれば子供たちも人間不信にならずに済んだろうになぁ」
イオと2人テラスで夕方の海を眺めながら肩を落とす。
海に伸びる綺麗な夕焼けの帯が今日はなんだか寂しく見える。
なんだかイオに触れたくなって、イオの肩に寄りかかる。
「リノア?」
「私は、みんなに守られて幸せだな……。」
イオが優しく私の肩をだく。
パタパタ飛び回っていたアルトとラノが私とイオを挟んで座り体をぴたりと寄せた。
イオを見上げると熱いまなざしとぶつかった。
イオも私も眼を閉じた……。
ゴンゴン ゴンゴン。
ドアを叩く大きな音に驚く。
ドアは返事をする前に開き、エミリーが駆け込んできた。
「私、リノア達と一緒に居たい。他の大人は信じられない」
エミリーの眼に涙が浮かぶ。
ドアの外には追いかけて来たモーガンとテオールが立っていた。
「お願い。私達を置いていかないで」
後ろからアンナと一緒に、ヒューゴとポピーも走ってきて私に抱き着いた。
「リー姉さまと一緒にいる」「りーちゃまと一緒」
私は二人を抱き寄せる。
どうしてあげるのがいいのかしら……。
「エミリー嬢、君たちの後見はイルーゾ王国にある。私達だけでどうするか決めることはできないんだ」
イオがエミリーに目線を合わせ告げる。
「イオ様、俺からもお願いします、三人のご飯題は俺の給料から払います。住む場所も俺が何とかします、どうかお願いします」
テオールがイオに深々と頭を下げる。
「テオール……。」
(>_<)




