東へ ~ 第二章 ~
読んでいただきありがとうございます。
「わー。すごい、大きな船ね」
これから乗る大きな船をイオと見上げる。
「客室や遊技場、レストランもあるよ」
「すごいね~イオ。イオは船に乗ったことがあるの?」
「…………」
「ん?」「クワ-?」「クワ-?」
なんだかイオの顔が青白い気がする。
「もしかして苦手?」
「じつを言えば、子供の頃小さな船で海に出たことがあって、かなりひどい船酔いに苦しんだんだ……。」
「イオ様、このサイズの船であればあまり揺れませんので海が荒れない限りは大丈夫ですよ」
モーガンが荷物を運びこみながら、声を掛けてくる。
「僕も船初めてです」
テオールが楽しそうにモーガンついて荷物を運んでいる。
今回の婚約旅行は4泊5日のイルーゾ王国への旅だ。
同行してくれるのはモーガンにテオールとアンナ。
「リノア様、日差しが強いですからこちらを」
アンナが日傘を差してくれる。
「さあリノア行こう」
イオの手を取り船に乗る。
甲板に出て海を眺めると青く澄んだ海原が遠くまで続いてキラキラと輝く。
「風が気持ちいいね~」
「ああ。気持ちいいな」
「イオ。気分は悪くなってない?」
「大丈夫みたいだ。これならリノアとの船旅も存分に楽しめそうだ」
船の旅は順調に進み夕方にはイルーゾ王国の港に着いた。
港はマルシェが隣接していて活気がある。
「イオ様、まずは今夜宿泊するホテルに向かいましょう、馬車はこちらです」
「リノア様。今夜の宿は海が見える素敵な所ですよ」
アンナも嬉しそうだ。
「イルーゾ王国でみる夕焼けの海はどんな感じかしら」
「二人で見よう」
イオが私を引き寄せる。
「ふふ」「クワ-」
またかじられてる。
ホテルについて荷物を運びこむ。
「お嬢様、この荷物はどうしますか?」
「テオール。一度こちらに持ってきて」
テオールが小さな包みを持ってこちらに向かうと、小さな影がテオールを押しのけ包みを奪って走り去る。
ん!女の子。
10歳くらいの女の子が懸命に走って逃げていく。
押し倒されて転んだテオールが起き上がり追いかける。
「おい。待てこのー」
テオールが直ぐに少女に追いつき捕まえた。
「おい。お前どういうつもりだよ」
「離せ!痛い。やめろ」
少女はテオールに抵抗し暴れまくる。
私はようやく二人に追いついた。
「はあ。はあ。二人とも足が速いね~」
「お嬢様。こいつどうします?」
テオールが女の子の首根っこを掴んで差し出す。
「どうしてこんなことしたのか話を聞いてもいいかな?」
話しかけるが、女の子はぶっすり膨れて返事をしない。
「「クワ-」」
返事をしない女の子に困っていると、アルトとラノの声がして道の先に眼を向ける。そこには5歳くらいの女の子と男の子が壁から顔を出して心配そうにこちらを見ている。
「どうしたの?こっちにおいで」
私が手招きすると、二人はパタパタと走り寄り女の子に抱き着いた。
「おねーちゃん」
誤字脱字などいつもありがとうございます。
(#^^#) 第2章もよろしくお願いします。




