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リノアの魔道具トリップ   作者: とと


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22/45

ツリーハウスと嫉妬心①

読んでいただきありがとうございます。


私達はルリッド侯爵様への挨拶をして、ルアナ王国へ戻ることになった。


「イオ。リノア。もう戻るのか 寂しいな」


「はい。叔父様、サーシャ様。暇の挨拶に参りました」


「本当に寂しいわ。リノアちゃんともせっかく仲良くなれたのに。

そう言えばね。ルーカスだけど、まだリノアちゃんのことあきらめていないみたいよ、この間二人が侯爵家に来てくれた時も、どこで聞きつけたのか同席したいとしつこくて……。

でもまあお兄様のめくらサインもたまには役に立つわね。ふふ。

熱病にかかってるみたいなものでルーカスもこれで少し離れれば落ちつくでしょ」


にこやかに笑うサーシャ様は、現国王の妹君でルリッド侯爵に嫁がれた。

今回のことも国王にかなり厳しく進言されたようだが、昔からの兄妹パワーバランスのようだ。


「来月にはルアナ王国で婚約式だね、その時には私達もお祝いに伺うよ」


「お待ちしております」


「まあまあ結局足を停めさせてしまっているわね。

ごめんなさい、道中気を付けてね。

それとリノアちゃん、これをグレース様に渡してもらってもいいかしら」


緑色の綺麗な封筒を渡される。


「はい。必ず」


「それではこれで失礼します」

2人で挨拶をして侯爵家を後にした。


今回はお目付け役?としてエバンズ伯爵家から従者のテオールがついてきてくれる。

テオールは男爵家の三男でまだ13歳だが、伯爵家に家令の仕事を学びに来ていところ、おてんばな私の追いかけ役に任命されて、私にいつも振り回されている。


いままでテオと愛称で呼んでいたが、イオと似てるから……名前を呼ぶことにした。


公爵家の皆にいっぱいお土産を積んで出発。

いつもの宿場町のホテルを目指す。


テオールはモーガンに懐いて既に兄弟のようだ。

帰路は順調で、予定どうりにホテルに到着。


「お嬢様、俺こんなに遠くまで来たの、初めてですよ」

テオールの顔がキラキラしてる。


「さあ。テオール荷物を運んでくれ、イオ様はリノア様と部屋にあがってください。

湯あみの準備ができているはずです」

モーガンとテオールで荷物を運ぶ。


「リノア行こう」

イオと手をつなぎ3階に上がる。

少し前にモーガンの後について上がったことを思い出す。

短い間にいろんなことがあった。


「横に並ぶイオを見上げる」


「どうしたリノア、疲れた?」

イオは優しい。

こんなに人を好きになるなんて思ってなかった。私はイオの腕にぎゅっと抱きつく。


「イオと一緒で嬉しい」

イオは真っ赤になりながら部屋までエスコートしてくれた。



部屋に着くと、イオが出かけると言い出した。

「夕飯までの間、少しモーガンと下のバーに行ってきてもいいか?」


「いいよ。ご飯の前だし、飲みすぎないでね」

モーガンと飲むなんて珍しい。

私の頭に?が出ていたのか、イオはちょっと話したいことがあるだけだよ!とかなんとか言って足早に出て行く。


一人になった私は、夕飯までの少しの時間にイオの羽リックを直すことにした。

この間遊ぶのに夢中で、木にひっかかり羽が少し曲がってしまっている。


作業の道具はポシェットにあるし、直ぐに治せる。




✿ ✿ ✿




イオ 視点



婚約してからのリノアは素直に気持ちを伝えてくれる。

さっきだってあんな上目遣いで、一緒が嬉しいなんて言われたら……俺の理性は崩壊寸前だった。


俺はもともと、女性が苦手で避けてきたから、好きな女性にどう接していいかわからない。

いい歳なのに情けない。


モーガンは俺より4年上の25歳だが、もう結婚して2歳になる子供もいる。

ちょっとだけ相談に乗ってもらいたいんだ。


俺とモーガンはそんな話をしながらホテルの一階にあるカウンターでビールを飲んでいた。


「イオ様と飲みながらこんな話ができると思っていませんでした。うれしいです」


「からかわないで教えてくれよ」


「リノア様と同じで、素直に話せばいいのではないですか?」


「かっこ悪いと思われたくないんだよ、ルーカス王子殿下にも狙われてるんだぞ……リノアはモテるんだ、あの幼馴染の子爵令息も絶対にリノアが好きだ」

俺がふてくされてカウンターにうつぶせていると、外からにぎやかな集団がホテルに入ってくる。


「相当飲んでそうですよ、引き揚げますか?」


「ああ」返事をして体を起こしたと同時に、集団の女性が一人俺達に絡んできた。


「まー。いい男が二人もいる」


俺とモーガンに倒れこむように抱きついて来る。


「きゃー。いい匂い。  キスしちゃおー」


酔っ払いの女は俺の頬に唇を寄せる。

顔をそらした目線の先に、リノアがリックを持って立っていた。


目が合うとリノアはリックを投げ出し走り出す。


「リノア!待ってくれリノア!」



((+_+))

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