婚約式
いつも読んでいただきありがとうございます。
婚約式についていろいろ調べたのですが、仕来りと違っていたらすみません。
話が終わると、ミラとお母様がとっておきのお菓子と書類を持って部屋に戻ってきた。
お父様から決定事項としてイオと私の婚約の成立が伝えられる。
「まあまあまあ。こんなおてんば娘でいいのですか、イオ様」
「リノアがいいのです」
「まあ。良かったわね~リノア♪ イオ様のお母様はルリッド侯爵家から嫁がれたグレース様ですわよね。とても美しい方で私達の憧れでしたわ。お元気ですか?」
「はい。元気にしております」
「グレース様は多くの申し込みの中から、公爵様を選ばれましたのよね~あの時のことは今でも物語の様に語られていますわ~」
母のおしゃべりは始まるとなかなか終わらない。
「母上!イオ様お忙しくて長くはこちらにいられないんだ、急ぎ婚姻式を執り行いたいんだよ」
「あらあら、膳は急げよね♪ミラ行くわよ~」
過ぎ勢いで出て行ったお母様を見て、お父様が頭を抱える。
「イオ様 すまないね……。あんな感じなんだ」
「お父様、私に様は不要です」
「あぁ。ではイオくん急がせるが、明日には婚姻式を行おう。
参列できるのが私達だけですまないね」
「いえ。私は婚約が確かなものになり嬉しいです」
「はは。なんだか嬉しいような。寂しいような複雑な気持ちだよ」
お父様がイオの背中を軽くたたく。
それから、伯爵家総出であわただしく準備がすすめられた。
✿ ✿ ✿
婚約式の日は良く晴れて、柔らかな青い空が遠くまで続いていた。
本当ならば両家が顔をそろえ挨拶をし、立会人の前で署名してから婚約指輪を交換する。
大貴族はお披露目のパーティーなんかもするのだが……。
「イオ……。セルお父様やグレースお母様に参加していただけなくてごめんなさい。
私の都合ばかりで、指輪も準備できていないし……。公爵家ならお披露目のパーティーなんかもするのでしょ?」
「二度すると思えばいいんじゃない。落ち着いたらエバンズ伯爵家のみんなにもルアナ王国に来てもらって、バーンズ公爵家で盛大に婚約式をしよう」
イオが私の髪を撫でる。
「それに指輪ならあるんだ」
そういって上着のポケットからジュエリーケースを取り出した。
イオがケースを開けると、プラチナのリングにバラの模様が施されたお揃いのリングが輝いている。
「これどうしたの?」
「出発する時に母上から「必要になったら使いなさい」と渡されたんだ、父上と母上の婚約指輪らしい」
「えぇそんなに大切な物を!」
驚いているとミラが、準備が整ったと迎えにやってきた。
ミラに続いて控室を出る。
小さな教会のホールに入ると、エバンズ伯爵家のみんな。
それに急な立会人を快く引き受けてくれた、ルリッド侯爵様。
ルリッド侯爵はグレースお母様のお兄様だ。
「叔父上、今日は無理をいってすみません」
「なに。かわいい妹と甥っ子のお願いだ、無理などではないよ」
ルリッド侯爵はとてもがっちりしていて勇壮な方だが、笑うとどことなくグレースお母様に似ている。
「始めましてリノア嬢。今日は婚約おめでとう」
「ありがとうございます」
「グレースは娘が欲しいとずっと言っていたから喜ぶよ。
さあ。準備はできている二人ともこちらに」
私達は促されサインテーブルの前に立ち、誓いを述べてからイオが婚約証書へサインする。
私もペンを持ちサインしようとするが……。
サインテーブルが少し高くて背伸びした。
背伸びにふらつく私の腰をイオが抱える様に支えてくれて、私は無事にサインを終えた。
「いい夫婦になれそうだね」
ルリッド侯爵は私達二人に微笑みながら、立会人の欄にサインをした。
「では、婚約指輪の交換を」
イオが私の眼をみつめ手を取る。
緊張しているのか少し手が冷たい。
指輪は私の薬指にするりと収まる。まるで私様に準備したみたいにぴったり。
私もイオの手を取り薬指に指輪をはめる。
なんだか少しイオの指に合わせて少し小さくなった感じがした。
不思議に思い、首を少し傾げた私の耳にイオが囁く。
「この指輪は、次に結婚指輪をするときまで絶対に外れない魔法がかけてあるんだって」
驚いて目を丸くした私の頬にイオはそのままキスを落とした。
見守るみんなが拍手で祝福してくれる。
みんな笑顔になった。
幸せになーれ(*^^*)




