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断章 誰も知らないプロローグ
リカは目を覚ました。
今となっては懐かしい自分の部屋。
カレンダーには高校一年生の春。
「……やり直し、か」
記憶はおぼろげだが残っている。
惑星メタリカ。
ニューマン。
ファイ。
そして、滅亡。
「今度こそ……」
リカは制服に袖を通す。
セーラー服。丸眼鏡。
学校の廊下。
図書室の前で、リカは深呼吸した。
扉を開ける。
窓際の席で、推理小説を読んでいる先輩がいた。
鳶色の髪が午後の光を受けて揺れる。
「あ、あの……!」
先輩が顔を上げた。
「ミヤコ先輩……!
あ、あたし、リカって言います!
文芸部、入りたくて……!」
ミヤコは目を丸くして、それから――
にっこりと笑った。
「おっけー!大歓迎だよ、リカちゃん!」
リカの目に、涙が滲んだ。
今度は、絶対に。
後悔しない。




