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終末の異世界紀行  作者: 佐倉美羽
『人間の国』

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56/59

エピローグ

 その昔、まだ人が人であったころ、

 一柱の神が人間を創り給うた。


 神は呪いの言葉を与えた。


「苦しめ。

 もっと苦しめ。

 互いを裂き、堕ちるがよい」


 神は天上に座し、

 人の世を見下ろしながら、

 冷えた声で、

 それを口癖のように呟いた。


 ゆえに人は剣を取り、

 ゆえに人は隣人を疑い、

 ゆえに憎しみは芽吹き、

 血は大地を染めた。


 人は神を畏れた。

 祈りは叫びに変わり、

 感謝は呪詛へと歪んだ。


 神を、

 創造主としてではなく、

 敵として忌み嫌った。


 命は断たれ、

 文明は砕かれ、

 種は腐り、

 慈しみは言葉から失われた。


 人は人を憎み、

 神は人を憎み、

 その憎しみは疑われることがなかった。


 暗黒郷の創造主。

 人を見下ろし、人を裁いた神。


 その名を――

 リカ。


 リカという。


 永きにわたり、

 神と人とは刃を交え、

 やがて一人の英雄が神を討った。


 その最期、

 倒れ伏した神の顔は――

 なぜか、

 かつて語られた慈愛に満ちたものだったという。


『人間の国』(完)

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