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複数回転生した生きのいい魔王は、今回百合百合しい女学園を作りたいと思っていたとか?  作者: くるま
ものづくりのおはなし

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マンメミ?

-唐突に、 呪霊樹の実の作り方講座-


 まず近くに、ため池を作ります。

 今回はトキトの能力で川の近くをごっそり削って水を流してみました。

 次に、根っこごと呪霊樹をワープさせ、抜いた瞬間水の中に沈めます。

 呪霊樹が石のような色に変色して固くなったら順調です。

 一日放置すると、なぜか木の実がそんなにいらないと思うほど浮いています。

 水の色が変わっているので、水はそのまま抜いて川に流します。

 樹木本体は建材に、木の実はおいしくいただきます。

 食べきれる量ではないので、地下室にばらまいたりもします。

 これを繰り返し、二㎞四方はある呪霊樹ばかりの森を切り開く。

 片手間にやっているが、意外とこれは労力のいる作業である。



「なんじゃこいつら……」


 何か話している気もするが、ガボガボとしか聞こえない。

 髪には何個も、思いつく例えで言うと、吸盤みたいなアクセサリが無駄についている。

 そこまで付けると、キモく見えるから減らせと。


 そんなのが五人ほど。


「ミウノコタツ、です……かね、初めて直に見ますけど」


 カナがそれに関する情報をうろ覚え提示。


「こたつ?」


 が、トキトの思い描くものは、ただただ和風のそれで、目の前の何とも結びつかない。


「昔話ではよく出てきた、海で国を作ってる種族です」


「なかなかファンタジーめいたのがやっと出てきたな」


 メタに感動している場合ではないが。

 クアヤのお嬢様を取り囲んで、観察か鑑賞でもしているように見える。


「言葉は通じるの?あれ」


「私は恋物語の話で知ったので、多分通じるんじゃないです…かね…」


「お前にも、明るい話が思いつく時期があったんだなあ」


「何かひどいことを言われている気がしないでもないですが…」


 カナの思いがけない一面に、感慨を込めてトキトが言うが、その意味はなんとなくカナも理解できてきた。


「…で、すまないけど、その子からは離れてくれないかなぁ?」


「た、助けてくれますの?」


 レイの、ちょっと希望を感じた声色が痛い。

 トキトとしては、例の貴族令嬢誘拐事件が元国家元首候補誘拐事件にレベルアップしたので、解決するまで楽に死んでもらっても困るという話なのだが。


 つまり、これから人質兼交渉役として働かせる気満々と。


「…いっそ見捨てていいんじゃないの?人を売り飛ばして甘い汁を吸ってた人なんでしょう?」


「…んな…!?」


 ウブが、それなりに心のないことを言うが、怒りももっとも。

 言葉に関わらず助けるが、定期的に立場をわからせる存在は、トキトにとって普通に必要な人材なのである。


「今回はまあいいでしょう、とりあえず、そいつは助けてほしいんだけど~?」


 大仰にわざとらしく、を心がけてちょっと遊びだすトキト。

 相手の反応がなく、言葉が通じているのか判断できないのがそれをわずかに助長している。


「…やっぱ、ただのクリーチャーとして扱っていいんじゃない?」


「初手攻撃は、こっちからやりたくないねぇ、心情的にねえ」


 ウブはなぜここにきて前に出たがるのか。

 むこうも一応、こっちの様子をじっくり観察しているか仕掛けを警戒して待っているので、慎重にしたいところ。


「そうだ、ウブ、地面に文字かけない?」


「できるけど、何を書くのよ」


「まぁ、なんだ『話し合おう』くらいのやつで」


「仕方ないわね…」


 言って、背中の二つ折りの槍を展開するウブ。



 武器を出すな!

 おまえー!?



「…相手が怒ったけど!」


「当たり前だボケがぁ!!」


 こいつには脳みそがないのか!


「カナ、転移領域は出したまんまだから、誰でもいいからとにかく早くだれか呼んできて!」


「だれでも!?」


「ナインかヒメが理想だけど目について早いなら誰でもいいよ!」


「はい!」


「私はどうするの?もういっそ仕掛けていいの?」


「文字を書けって言ってんだよ!」


「あいつの体に?」


「もう自分の頭で考えるのやめろお前!!」


 大混乱。

 一応過剰を意識したボディランゲージで、やめろ、武器しまえを動きで双方にアピールするトキト。

 幸いなことに、敵対として即攻撃を行う様子はない。

 相手のほうが、頭がいいな。

 好感度上がりそうだ。


 吸盤ついてるけど。


「えと…なんて書くの」


「きさまー!!」


 首でも絞めてやりたいが、人が見ている手前、そこまでできず、取り繕いでトキトがウブに抱き着く形に。


「やっぱり私の体が目的なの!?こんな時じゃなくても!?」


「うっさいよ!お前の頭がいけないだけだろうが!」


「遊んでる暇があったら、こっち助けていただけます!?」





 そして、大急ぎでカナが戻ってみたところ…。





「いったい何が…」


 そこには。


 触手に絡められて、はだけたドレスにぬるぬるの、あられもない姿のレイ。

 棒に服を絡めた謎の道具を握り、地面のあちこちに一心不乱に線を引くウブ。

 半裸で両手をあちこちに振り回して叫ぶトキト。

 ほぼ棒立ち状態の、五人の何か。


 以上。



 つまり。



「何が起きたのか、わかりやすくなったりしませんかね…」


 なにもわからん。


「言葉が通じるなら何とかなるから、何とかして!」


 トキトの悲しい言葉が、もう限界だと訴える。

 が、カナの後ろからは。


「タベモノ、ヨコセー」

「およびトあらば即惨状!」

「ヒトよんでさすらいのヒーロー!」

「ナオナノレー!」

「余ノカオミワスレタカー!」

「ひかえおろー!」

「シシテシカバネー」

「ヒロウモノナシー」


「おまえらかい!!」


 役に立たなそうなのが大挙して、また意味不明なことを。

 カナさん?

 なんでこんなので、何とかなると思ったの?


「この大変な時に、さらに能天気を追加するのはだなぁ…」


「まあまあ、無駄なこともありませんわトキト様」


「……ユウリ?」


 見覚えのある、あまり見たくない顔が、さらに後ろに見える。


「とりあえず、そのお姿の理由は後でお聞きするとして…お急ぎでしょうし、解決を優先いたしましょう」


「ヴェルグルに何かこいつらと接点あるの?もしかして」


「ではタコビ様を、この場で正式にお借りします、宜しいですねシタニ様」


「報酬はゴ提案ドーリでいいのデすね?」


「書面は後で届けさせる形でよければ」


「無いホーが、アトクサレナシでヨロシイと思いマす」


 なんかヴェルグルのくせに、たまに知的なのがいるよな?

 そんな微妙な違和感をトキトが感じている間に、ヴェルグル二匹がトキトを通り越していく。

 そしてそのまま、コタツとか言われていたやつらの横も通り過ぎる。



 おい。


 すると。


「…み、耳鳴り…?」


「これはやく何とかしてくださいませんの!聞いてま…きゃっ!!」


 何の予備動作もなく地面に落下するレイお嬢さん。

 ほかのみんなにも、何か耳の異常が感じられるようだ。

 出本は、おそらく…。


「止んだ」


 問いただす前に、それと思われるヴェルグルが水に飛び込んだ。

 それを合図にするかのように、レイを離したミウノコタツたちも水中に。


「なにが何なのよ、ほんとにもう」


 ウブが、今までの努力が無駄になったような不満からか、まず悪態をつく。


「何なのって言いたいのは、わたくしのほうがよっぽどなのですがね!」


 レイも涙目で自分の体を撫でまわす。

 ネトネトしたの、気持ち悪いんだろうなぁ、きっと。


「トキトサマ、コチラニー!」


 川のほうのヴェルグルにトキトが呼ばれる。

 何か争いがないということは、多分会話か何か、意思疎通ができているということだろうか?

 すぐ行くよと声を上げようとした、その瞬間のこと。


「…お肌の色、今日もシミ一つなくおキレイですわトキト様…」


「ひ!!!?」


 背中からべっとり触られる感触。


「私、今日も今から『ア、レ』してくれるのを今から待ちきれません…」


「しねーよ!?抱きつかないで!?」


「あら残念」


 離れるユウリ。

 どさくさで、トキトの肩口に軽いキスをするアピールは忘れない。


「やっぱり、アンタそういう趣味で…」


「ちっがうからね!?」


 ウブの白い目に耐えかね、そこは、きっちり否定。


「こんなにご自分のハダカを見せつけて釣り針垂らしていらっしゃるのですから、いっそ染まってもよろしいですのに」


「やめてもらえないかしら!?」


 やむにやまれぬ事情からこうなっているんです!


「こっちの方も、そのうちトキト様の虜になるかもしれませんしねぇ…」


「わたくしに言っているのかしら!?おこぼれを貰った成り上がりの町娘さま!」


 急に正気に戻ったのか、レイが攻撃的にまた、四方八方に牙をむきだす。

 ユウリと何か因縁でもあるのか。


「あらあら、クアヤ侯の世間知らずのほうのお方でしたの?気が付きませんでしたわそのお姿だと」


 そこに、即時ユウリも乗っかって反撃。

 正直、やめてくれ。


「自分の淫売のような姿を鏡で見てから言ってほしいものですわね!田舎娘が!」


 ちょっとトキトも思ったりはしたが黙っていよう。

 とにかく、なんか、露出のすごい服は着ているのである。


「これは、トキト様がいつ求めてきてもいいように肌を出しやすくしている、鎖のようなものですのよ?むしろ美しさをわかっていただきたいです」


「すげえこと言いだしたぞ…」


 ターゲットのトキトも小声でドン引きだ。


「それに、クアヤの家そのものが取り潰しになるかどうかの裁量も私にだいぶ任されるのですから、お嬢様も口にはお気を付けになられるべきですわね」


「…なんですって!?」


「トキトサマーハヤクー!!」


「おけおけーい」


 険悪だ。

 すさまじく空気の悪いオーラを感じる。

 待ってろヴェルグル。

 私はこの空気から逃げるぞ。


「で、なんだろう」


 貴族同士の怖い罵り合いをよそに、それを忘れようとファンタジーな世界に歩み寄るトキト。


「コノコたちの来た理由、聞けマした」


「お手柄だねえ、すごいじゃない」


 微妙な上から目線。


「この川から流レ続けていた色の濃い水が、魔王の侵略に違いナイと調べに来たソーです」


「……おいおい」


 心当たり、ある。

【登場人物紹介】


トキト


異世界から転生して、その名で呼ばれている女の子

だいたい二歳か三歳と思われるが、魔法により基本は年頃の女性に変化をしている

前世は「近藤 まる」、さらにその前は「ナノ」という名であった



ヒメ


国王の実子ながら、王家のとある儀式に失敗したためか幼くして国外追放

その後唐突に連れ戻された末に継承権放棄の書面にサインさせられ国政から永久追放

あげく拉致されて国外に奴隷としてさばかれる直前まで来ていた王女

という何気に重い過去を持つ女性

当人はそれをさほど気にしていないので割と明るい

トキトと何気なくかわした「約束」がヒメにもトキトにも大きな転機を生む

刷り込みのようにトキトが懐くのは、トキトの肉体の記憶にはヒメに育てられた記憶が大半のためらしい

トキトに手を出したり傷つけるものは何人たりとも許さない構え。



ナイン


貴族令嬢誘拐の一連の事件以降トキト、そしてヒメに同行するようになる女性

ヒメより見た目は少し年上

ヒメのサポートをよく行っていて「ですので」が専らの口癖

警戒心が強く、よく他人を怪しんでいるが、怪しいのは常にお前だ



カナ・シーナ


貴族令嬢誘拐の一連の事件以降トキト、そしてヒメに同行するようになる女性

安易な鬱設定!の宝庫

当人の性格そのものはさほど暗い性格ではないが、トキトによく殴られる

ただ、常に控えめで、下手に出る性格ではある

妹がいて、名前はタノ



ウブ・キツカ


貴族令嬢誘拐の一連の事件以降トキト、そしてヒメに同行するようになる女性

正義感が強いが粗暴で、さらにそれを表にはあまり出さないのが持ち味

いわゆるツンデレ

傭兵家業の血筋を自称していて、武器の扱いにたけている



レイ・イバヤク・クアヤ


誘拐事件の実質首謀者とされクアヤ侯の元から拉致された一人娘

上流階級のプライドと作法、顔の広さでは誰にも負けない自信を持っているらしい

数々の恨みとばかりに人災天災を問わず襲い掛かる苦難の果てに彼女の明日はあるのか



マホ


国営大図書館の司書

趣味は防犯トラップである疑似空間の静かな環境で本を読むこと

トキトやヒメと出会ったことで自堕落なお役所仕事を改める気になっていくらしい



ユウリ


貴族令嬢誘拐の一連の事件で最初にトキトに魔力を吸われたのが彼女である

それによって何かに目覚めた

らしい



ミウノコタツ


海中に王国を作り特殊な文明を築いている知性体種族

触手のようなものが頭から生えている以外はすこし身長が違うくらいで人間と見間違う容姿をしている

ただ、乾燥に弱く、水中でしか発声ができず、性別は存在しないという身体特徴を持つ

トキトが川に流す工業排水によって人間と遠巻きのスタンスを転換することとなる


地上には団長プラナルフ

続いてデハイナ、トゥーマ、ノテスデとクハスデの姉妹?を主に使節として派遣している



ヴェルグル


謎の多い小人の種族

繁殖期になるとおおよそどんな動物とでも繁殖できるが女性のヴェルグルしか子供は生まれないという

その一代だけ強く親の能力の影響を受ける特性と生物としての特殊さからお互い人と距離を置くことが多いようだ

トキトたちのそばには十二人の集団が一緒に生活している

全員が同じ集落から人間にさらわれ、トキトとヒメに助けられたことで、それなりの恩を感じているようだ

食べ物の誘惑(とくに呪霊樹の実)にはとにかく弱い


リーダーの名前はシタニ


以下 ノマニ タコビ テイ イツ ワレ チデ ラハ カテ トタ ナッ スヨ の順に群れの地位が高い

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