表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
ダンジョンの真実

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/134

第83話 D155⑧

七月十一日 十二時


百四十層で幕末志士一行を仲間に加えて更に下層に向かう、百四十層に居た十名は


(805番目の世界)

坂本竜馬

岡田以蔵


(733番目の世界)

西郷隆盛

大久保利通

中村半次郎


桂小五郎

高杉晋作

村田蔵六


武市半平太

中岡慎太郎


 以上の十名だが、以蔵が少しふてくされている。

 半次郎は斬りかからなくて良かったと、安心している感じだ。


「以蔵さん、別に俺は根に持ったりしないから、機嫌直しなよ」

「……子猫に踏み潰されるとか、屈辱以外の何者でもない」


「以蔵さんは、流儀は自己流なんだろ? 寛永組と少し一緒に訓練したら、すぐに一つ上の段階に行けると思うぞ。素質は十分だと思う」

「本当か? 俺はまだ強くなれるのか?」


「以蔵さんが一緒に来た新八居ただろ? あいつはもう一週間程一緒にいるが、以蔵さん。あいつより強かったんだろ?」

「直接やり合ってはないが、そうだったと思う」


「今なら既に新八のほうが強くなってるぞ、寛永組の武蔵と一緒に行動して何か掴んだみたいだ」

「そうか…… 解った。鍛錬に励もう」


 百四十五層までの間の戦闘は【PU】とマイケル達に任せて、俺は幕末志士達と話を続けた。

 芹沢鴨とは一緒に来た物の、やはり根本的に考え方が合わず、もう随分長い間連絡もとってないらしかった。

 どちらかと言えば芹沢より、清河のほうが主導権を握ってるらしい。


 そして迎える百四十五層、ここは中央部に壬生屯所と書かれた建物があるだけで、後は一切が更地のステージだった。


 モンスターの湧きも非常に多く、そのモンスターがすべてゾンビ系だ。


 ジャンヌと坂内さんが主体となり浄化系のスキルと特技で片付けている。

 前田さんも坂内さんの攻撃をトレースしながら頑張っている。


 屯所の中に入ると四人の姿がある。


「坂本達まで丸め込まれたのか、情けない。そのような事で日本の未来を語るなど片腹痛いわ」


 すると、颯太がその連中に話しかけた。


「あなた達は、ちゃんと考えがあるのか? どういう世界を作りたいとかの」

「当たり前だ。せっかく特別な能力を手に入れたからには、我らが世界を支配する存在になり、他の人類を我らが過ごしやすい環境を、創るための道具として、導いてやることが仕事だ」


「民の暮らしが良くなるようにと言う考え方はないのか?」

「導く我らが快適な生活を送れるからこそ、民はそのおこぼれにより、今までよりは暮らしのレベルを上げる事が出来るのではないか、必要以上の金を与えたり楽な生活を覚えさせたりしてしまえば、民とは働かなくなる者だからな」


「世界に存在する民は俺達の為に一生懸命働き、貢ぐことが当然だ」


 その言葉を聞き俺は少し切れちゃったぜ。


「お前らは必要ない、邪魔をしないなら放っておくからそこをどけ」

「身の程を知らぬのはお前たちだ。この清河による指示も無しに近藤たちに勝てると思ってるのか?」


「当然だ早く退け。退かないのならここで退場してもらう」

「芹沢さん、伊藤さん、山南さん片付けてしまって下さい」


 しかし呼ばれた当人達は動くことは無かった。


「清河、何を勝手に決めている。俺はお前に命令をされる覚えはない」

「私達は自分の判断でどうするか決める。近藤さんの事も、こいつらの事も」

「俺はもう一度じっくり勇と話したいから、こいつらに付いて行くぞ」


「いざとなったら役に立たない奴らだな、まぁ俺だけでも十分だ」


【神竜召喚】


 清河がスキルを発動させ、ヴァハムートが呼び出された。

 理の呼び出す物と比べると、より、禍々しい雰囲気を漂わせている。

 その瞬間に鹿内と坂内が結界を展開しヴァハムートを包み込む。


 達也も精霊憑依を発動させ備えた。

 当然理も精霊憑依を発動させ一瞬でヴァハムートの眼前に現れ一気にプルート改に聖属性を纏わせた状態で、首を跳ね飛ばした。


 そのままの勢いで清河の両腕を狙い斬り落とす。

 東雲と颯太が特技の発動準備をした状態で、清河の左右に展開している。


「馬鹿な、神竜を一撃だと」

「お前を仲間に入れるつもりもないが、自分の意志で人は殺したくはない、これ以上邪魔をするなら、その限りではないがな通るぞ」


「強いな、俺を近藤の元へ連れて行け、役に立つとは言わんが確認したいことがある」と、芹澤鴨が告げた。

「敵対するつもりが無いなら構わない」


 三人を連れ清河を残し下層を目指した。

 竜馬が話しかけてくる。


「岩崎さん、あんたのレベルはいくつだ? 俺の鑑定が通じない奴など始めてだ」

「俺のレベルか? 今は二千八百程だな」


「何故そんなレベルに上がる? この世界の決まりを超越してるじゃないか」

「自分の出来ることをやって来ただけだ。決まりなどは良く解らん。自分の手の届く物は守ると決めた。それだけだ」


「この【D155】に辿り着くことが出来た他の世界の連中は今の清河たちが最後だ。後は近藤さんと一緒に来てるやつだけだな。この先は百五十層の中ボスを除いて、百五十五層まで普通の人々が暮らす空間だ、傷つけずに通り抜けて欲しい」

「当然だ。俺は別に近藤さんも敵だとは思ってないからな、この先に向けて力を借りに行くだけだ」


「まっこと変わった考え方をしとるのぉ、岩崎殿なら成し遂げるのかも知れぬな」


颯太がさっきの清河のヴァハムートとの戦いで感じた疑問を口にした。


「理、さっきのヴァハムートだが、理の呼ぶヴァハムートと比べ威厳が足らないと言うか、雰囲気が違ったのは何故だ?」

「この世界はイメージが大事だからな、龍と竜のイメージ一つでもこれだけ変わると言うことだろ」


「なるほどな」

「竜馬、百五十層の中ボスはモンスターって事か?」


「そうだな、同行者の数と同じだけの数の強烈なのが出てくるはずだ。俺達は数に含まれないが」


百四十六層から百四十九層の間は竜馬の言う通り、普通に人々が暮らす平和な江戸時代の光景が広がるだけであった。

 その中では笑顔が溢れ、悪政に悩まされる気配も感じられなかった。


「清河は、民を利用して自分たちに役立たせるみたいな発言をしていたが、そんな雰囲気を全然感じないのはなんでだ?」

「それはわしが答えよう。あやつは口だけの、妄想を楽しんでるだけだからだ。男が元服前の一時期、みんな罹る病のようなものだ。自分が英雄となり他の者が全部従ってくれればだとか、世界中の女を惚れさせたいだとか、俺には無限の可能性があるとかだな、清河はもう四千年以上の歳月をその病気から抜け出してないだけだ。岩崎殿も経験がないか?」


「それって、厨二病かよ…… じゃぁあれか? 芹澤さん。あいつも言うほど悪人じゃ無いって事か?」

「そうであれば、この【D155】に辿り着くほど己を鍛え、自分の世界を救おう等と考えないであろう」


「俺も芹澤さんを誤解していたかも知れねぇな。確かに冷静に考えれば世界を救うための手段を真剣に探してるやつじゃないと、ここに辿り着くことなんか絶対に出来ない」

「まぁだからと言って清河を救えとか言う気もないが、今ので病気から覚めれば勝手に付いて来るだろう」


「颯太、清河は颯太の仲間みたいだから、ちょっと拾ってきてくれないか?」

「言い方が酷ぇな、解った。今の話聞いたらちょっと親近感が湧いたし声をかけてくる。坂内、怪我が治ってなかったら治してやりたいから、ちょっと付き合ってくれ」


「了解しました。でも四千年以上考え方が子供のままって、ある意味凄いですね清河さん」


百五十層に到達すると、そこは広大な大地が広がり中央に、闘技場の様な場所が存在していた。


「岩崎さんは、転移とか当然使えるだろう?」と、竜馬が問いかけて来た。


「ああ、使えるぞ」

「この階層より下は、魔道具を使ってもスキルを使っても転移系の能力は一切使えない。近藤だけは使えるみたいだがな」


「どう言う事だ?」

「この先に進みたければ、ここのモンスターを自力で倒せるか、近藤の配下である事が条件になる」


「俺が全部倒しても、俺だけしか通れないって事か?」

「そうだな、一匹でもとどめを刺すと、勝手に下の階層に送られる。ここのモンスターを倒せる程度の実力がないと、近藤に会うことは出来ないって事だな」


「どの程度のレベルだ?」

「今までの中ボスと同じ条件だな。百五十層だから二千二百五十だ。これを倒せないやつがこの下へ行っても、役に立たないってのもあるがな」


「じゃぁ今日は一度ここで終わりにして、明日の朝から順番にクリアするか」


百五十層に転移門を設置して、全員で大阪城に戻った。


大阪城で、主だったメンバーに一度全員集まってもらい、明日の討伐の予定を說明する事にして、一度、理の家に行き、新八、晴明、信長、半蔵、卑弥呼の5人も連れてきた。


全員が集まった所で、理が説明を始める。


「明日は、いよいよ【D155】の討伐を完了することになる。現在百五十層に転移門を設置してあるが、それより下の階層では転移門を使用できない事が判明した。それともう一点は、百五十層のレベル二千二百五十の中ボスの止めを刺さないと、百五十一層に降りることが出来ないことも判明した。この事実により、明日の参加者は、最前線の討伐班の三十名と、【D155】で仲間に加わってもらったメンバーのみの参加となる。中ボスの討伐事態は、俺が鑑定をして体力を削った敵を、それぞれ相性のいいメンバーが順に止めを刺してもらい突破する。今日は明日に備えて、それぞれ十分に体を休めてくれ。開始は明日の朝八時からだ」


後で戻って来ることを告げ、理達の世界のメンバーは一度、理の家に戻った。


颯太と達也は総理への報告。


俺は、妻達と子供の顔を見て、翔達とも言葉を交わした。


まさかの事態が起こった場合は、みんなで話し合いながら最善の選択をしてくれるように頼んだ。


「なぁ颯太、お前はこの世界に残ってくれないか?」

「理、お前負けるつもりなのか? 弱気なこと言ってるんじゃねぇぞ」


「絶対に勝って戻れば良いだけの話だ。ここで参加しない選択はない。仮に理がもし負けたら、俺が残っても颯太が残っても、何日か全滅が遅くなるくらいしか変わらねえんだから、ここで最高戦力で挑むのは当然の選択だ」

「そうだな、相手が何であってもぶっ飛ばせば良いだけだったな」


 いよいよ決戦の日を迎える。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ