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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
ダンジョンの真実

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第78話 D155③

七月五日 十八時


 三日目の探索を終え、大阪城に戻ってきた。

 その頃には信長も息を吹き返しており、取り合えず藤吉郎の前に連れて行った。


「大殿なのでござるか? 良くぞご無事で、この藤吉郎、世界を何とか纏めてお待ちしておりましたぞ。この世界は大殿にお任せしますぞ」


「今更何言ってやがるんだ。纏めたのは猿がやったことだろ、てめぇが最後まで責任持ってやらねぇか、俺は岩崎さん達が何やるのか見届けることの方が大事だ。それに岩崎さんに付いて行くと、随分うまい酒と飯を用意してくれるらしいからな」


「では、討伐が片付いたらちゃんと戻ってきてくだされよ、わしは大殿が戻られるのをずっとお待ちしておりますぞ」


 ◇◆◇◆ 


七月五日 二十時


 九十一層に転移門を設置し、理たちは家に戻ってきていた。


「最近は毎日二十人以上になるから、桃子さんも一人だと大変だろ? 人を増やしたほうがいいな。夢さんは、子供の世話で手一杯だしな」


 と、俺が気を使って言うと、今井さんが激しく反応した。


「そんな事言い出すと、また女の人が増えちゃいますから、却下の方向でお願いします。家事が大変なのは私達も思っていましたから、討伐に参加してない私達で、交代でお手伝いしますから」


「理の信用がそっち方面では、全く無くなって来たな」


「俺は、自分から積極的に女口説いてるわけじゃねぇからな? 人聞きの悪い言い方をするなよ」達也に女たらしの様に言われたから否定しておいたぜ。


 清明と信長がこの世界の酒と食事を堪能しながら、感動している。


「この世界は随分と発展しているのですね。食事も素晴らしく美味しいです」


「この酒は旨いな、苦味があるが一気に飲み干せる。シュワシュワ感がたまらねぇ」と、ビールを飲みながらご満悦な様子だ。


 リビングのテレビ等にも凄い興味を示している。


「信長さんは、どうやって【D155】にたどり着いたんだ?」と、達也が聞いた。


「わしは、安土の洞窟で化け物退治をしておったら、アビスワームに飲み込まれちまってな、落ちた先が五百五十五番目の世界の【D1】ダンジョンだった。そこから結構頑張って戻る方法を探していたが、結局叶うことも無く、今に至るって感じだ。五百五十五番目の世界は忍術や平方と言う名前で魔法が発展しておったので、わしも結構使えるぞ」


「と、言う事は、アビスワームに飲まれると時間も逆行してしまうことが出来るって事だな、五百五十五番目の世界なんて、新八の話から考えると、四千年以上は前の筈だからな」


「【G.O】で渡ってくる途中の次元空間に、まだ俺も解ってない謎があるんだろうな。ナビちゃんがいたら聞けたかもしれないが、今はいなくなったから聞けないな」


「ご主人様、わざと私の存在に触れないようにしてない? 私に聞いてよね」と、【D2】コアが言って来た。


「解るのか?」


「解んないけど」


「思ったとおりだよ!」


今度は、清明に対して颯太が質問した。


「清明さんは、何番目の世界から来たんだ?」


「私は、四百四十四番目の世界ですね。見ての通りの陰陽師ですから、モンスターに関してはダンジョンが現れる前から討伐をしておりました。

私の居た世界では、日本にダンジョンが現れるのが遅かった為に、状況を把握できたときには、手がつけられない状態でした。

式神を使って世界の様子を調べた時には、日本以外では既にモンスターが蔓延する世界で、精一杯は抵抗を試みましたが実力不足でした。

コアに聞きながらなんとか【D155】まで辿り着き、近藤さんに挑みましたが返り討ちに合いましたね、それからの私は陰陽師としてモンスターを消し去ることだけを追求して参りました。

既に五千年の時を過ごしておりますが、未だ夢かなわずの状態です」


「昨日の新八の時も思ったが、ダンジョンの外に出ようと思わなかったのか? 【D155】の中じゃレベルも上げれないし、強くなれないだろ」


「出る事が出来なかったのです。私達ダンジョンマスターは同じ番号のダンジョンマスターがダンジョン以外の場所に存在する事が出来ません。今【D155】のマスターが外に出れないのは、それが理由ですね、私や信長さんも最近まで外に出ることが出来なかったのですが、恐らく岩崎さんが所持していた【D1】コアが大量のコアを融合させたまま、姿を消したことで私達は外に出ることが出来るようになったと考えられます」


その清明の話を聞いて、東雲さんが質問をする。


「えと、私達もまだ良く解ってないことが多いんですが、今までこちらで判明してることを少し確認させてもらっても良いですか?」


 平行世界は千百十一個作られた。

 平行世界の数は、始まりの世界でマイクロチップに移植された精神生命体の数と同数である。

 それぞれの世界は、始まりの世界をベースに独自の進化を遂げている。


 ダンジョンは百五十五個存在する。

 ダンジョンの本体は、始まりの世界に存在する。

 ダンジョンコアは、精神生命体の中から任意でダンジョンコアとなりダンジョンマスターを助ける。


 同じ番号のダンジョンコアは同時にはダンジョンの外の世界には存在できない。


「今の清明さんの話で解った事を、プラスしてここまでは間違いないのでしょうか?」


「そのはずです」


「それでは、ダンジョンコアにもなって居なくて、現在消滅している世界の精神生命体たちは何処に居るのでしょうか?」


「それは、おそらくとしか私も言えませんが、始まりの世界のどこかに存在している筈です」


「じゃぁ俺と一緒だった【D1】コア達も、始まりの世界へ行けば再び会えるって事なのか?」


「どのような姿で存在しているのかは解りませんが、恐らくその認識で間違いない筈ですね」


「そうか、それならさっさと【D155】を片付けて、ナビちゃんに会いに行くぞ」


「しかし岩崎殿この世界は楽しいですなぁ、昨日視せていただいたアニメの続きはござるか?」


「誰だよ、新八にアニメ視せたやつは? 天草たちで解ってだろ? これ以上ポンコツ製造するなよな」


「我らは【D155】ではレベルを上げることが適わぬから、最後の近藤殿の所へ向かう時までは、こちらの世界で鍛錬をさせてもらって構わぬか?」


「おう。是非やってくれ、もっと強くなってもらって侵略者達が来た時の備えをしなけりゃ成らないからな」


 ◇◆◇◆ 


七月六日 八時


 今日は九十一層からの探索だ。

 九十四層までは慶次たちに任せながら進む。

 五百人の部隊での探索は、隙間無く敵を殲滅して順調に進行する。


 そして訪れた九十五層、大きな川が流れその周りは葦が生い茂る。

 見通しも悪く、ステージは夜間だ。月灯りだけの頼りない明るさの中でいきなり攻撃を受ける。


 鎖鎌のような武器だ。

 そして気配がどんどん増えていく。


 煙が立ち上った辺りに向かって俺は斬撃を飛ばすが、煙が晴れたその場所にあったのは丸太だった。


「変わり身の術かよ。忍者なんだろうな?」


 そして最前線に居た理、颯太、達也、東雲、鹿内、坂内、TB、雪、慶次の九人を取り囲む様に、敵が姿を現した。


 敵の姿も同じく九人


「ここまで辿り着くなんて凄いなお前ら、だがこの先は通さないぜ『猿飛佐助』参る」


「猿飛佐助が居て、九人組ってこいつら真田十勇士か?」


 九人ずつで対峙し、緊張が高まる。

 その時後方から大声で叫ぶ奴が居た。

 緊張感の無いやつだと思いながら確認すると、真田幸村だった。


「佐助ーー、世界が違ってもお前は相変わらず戦が下手くそだな、いつも言ってるだろ一番大切な事は生き残る事だって、その連中と戦ってどうやってこの包囲を抜けるつもりなんだ?」


 既に、五百人の討伐隊に取り囲まれていた。


 後ろから声を掛けられ、一瞬動きを止める佐助「その声は、幸村様か?」

 

 三好青海入道が、対峙姿勢を壊さないまま佐助に声を掛ける。


「俺は幸村様と戦うつもりは無いぞ、止めだ」


「しょうがねぇなぁ、幸村様ーここで止めちまったんだから、責任持って俺らの指揮執ってくれるんだろうな? 上手な戦ってやつを責任持って教えてくれよ」


「任せろ。お前らが死ぬ時は俺も一緒だ。三途の川の渡り方まで教えてやるさ」


猿飛佐助

霧隠才蔵

三好清海入道

三好伊三入道

穴山小助

由利鎌之助

海野六郎

根津甚八

望月六郎


そして真田幸村


 真田の十勇士がここに揃い立つ。


 九人を幸村に任せ、さらに下層に向かって進んだ。


 ◇◆◇◆ 


 百層に辿りつく、ここには誰が待ってるんだ?


 ステージはずっと続く海岸線。

 真っ白な石造りの建造物が並び、青い空に白い砂浜、気持ちのいい光景だ。そしてギリシャ風の神殿が登場した。

 警戒を高めながら扉を開け中に入る。


 そこには人は居らず、久しぶりのモンスターの中ボスだった。


 メドゥーサ:レベル1500


 神話通りの蛇の髪の毛と、赤い瞳を持った女性姿のモンスターだ。

 いきなり飛び上がると毒蛇の髪の毛を周囲に解き放った。

 次々に解き放たれる毒蛇に神殿内は瞬く間に蛇で埋まっていく。


 前田さんが白目剥いて気絶した。

 ちょっとやばいぞ。


「みんな固まってくれ、鹿内さん、結界で俺以外をみんな囲ってくれ」


 神殿内には全員は入れなかったので逆に助かったな、結界内には討伐班の最前線30人がいるが、半数はメドゥーサに視線を合わされて石化を始めていた。


 「後でキュアストーン渡すから少し我慢しててくれよ」


 もう部屋は蛇だらけだ。

 これは精神衛生上きっついなぁ。


「ヴァハムート頼むぞ」俺は【神龍召還】を発動した。

 一気に燃えカスも残さない高温で、部屋の中の全てを消し去った。


 結界を解除してもらい、石化してたメンバーにキュアストーンを振りかけ、状態異常を治していく。


 一通りの治療が終わった頃に、いきなり鹿内さんの足に床から蛇の群れが伸びてきた。

 蛇が絡みつき引きずり込もうとする。

 床の中にはメドゥーサが横たわって赤い瞳を見開いていた。


「やば、直接見ちまった」


 理も足元から一気に石化していく。


 手に持っていたキュアストーンを取り落としそうになった時にTBが横から飛び出し、キュアストーンの瓶を咥えて離れて行く。


 その間に復活した30人のメンバーが床に埋まったメドゥーサに総攻撃をして完全に止めをさした。


 TBが戻ってきて、キュアストーンを振りかけてくれ、無事に復活できた。

 しかし今の光景はトラウマになるなぁ、部屋中埋め尽くす毒蛇とか誰得?


 でも、ここで状態異常掛けられた事は、これから先に進むための問題点を教えてもらって、逆に良かったかもな。


 早速【スキルリストオープン】


 状態異常無効 (パッシブスキル)……全ての状態異常を無効にする


 スキルLV上昇によりPTメンバーに対して、効果範囲が広がる。


 よし、取得。


 今日はここまでだな。


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