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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
第三章 俺の守りたいもの

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第66話 人材確保

十一月一日 十二時


 動物病院のオープンセレモニーが終了して、早速獣医師さんや動物看護師さんたちが職務に取り掛かって行った。

 俺は目立たないように少し離れた場所から様子を見ていたのだが、野口さんが気付いて、大きな声で、名前を呼びながら近づいてきた。


「岩崎さーん!  来てたんですね。ここの施設ってもしかして岩崎さんがオーナーとか? じゃ無いですよね?」

「違うぞ、俺はただのペット好きのオッサンだ」


「ふーん。まぁそういう事にしておきましょう」


 意外に野口さん鋭いな……


 そんな会話をしていると、佐千原さんが通りかかった。


「あれ? 岩崎さんですか? なんか凄い久しぶりですね、ずいぶん若返って見えるのは気のせいですか? TBちゃんも一緒に来てるんですね、久し振りに逢えて嬉しいです。私は動物看護師で採用してもらえたんですよ。やっと大好きな猫ちゃんたちと毎日触れ合える生活が出来ます」

「お久しぶりです佐千原さん。猫と一緒に暮らせるようになって良かったね。ここに集まってくる猫たちで気に入った子が居たら、部屋に連れて帰るのは自由だから、モフり放題の生活ができるよ」


 と、久しぶりに顔を見た佐千原さんと話してると、野口さんが喰いついて来た。


「こちらの女性の方も、岩崎さんの彼女さんなんですか? 」

「も、って何だよ俺が節操無しみたいな言い方するなよな」


「節操無しって言葉は岩崎さんのために作られてるんですよ?」


 その会話を聞いていた佐千原さんも確認して来た。


「岩崎さんってもしかして、凄くモテル人なんですか?」

「凄いんですよ、私がいくら言い寄っても相手にしてくれないくせに、周りは女の人だらけなんですよ」


「そうなんだぁ、ちょっと残念だな」

「そのセリフって……又ライバル増えるんですか?」


「いや、ありえないし」

「岩崎さんはここで働くんじゃないんですか?」


「俺は今はニートですよ、こうやってTBと散歩する位しかする事の無い毎日です」

「魔法使いさんが嘘ついてますー騙されたら駄目ですよ。私知ってるんですからね、岩崎さんが超凄いお金持ちだって」


「ちょ、野口さんそんな事人前で言わないでくれよ」

「言ったら駄目だったんですか? ご免なさい」


「えぇ、岩崎さんってそんなに凄い人だったんですか? 」

「嫌々そんな大騒ぎするほどじゃ無いよ、今まで通り普通に接して下さいね」


「解りました。これからもよろしくお願いしますね」


 と、言ってたけど明らかに俺に対しての見る目が変わっちゃったよね?



「野口さんは何の仕事をするの?」

「私はアニマルセラピーの明石先生の助手ですー、ゆくゆくは私もアニマルセラピストを目指して勉強中です」


「そうなのね、同じ病院でお仕事するから、これからよろしくお願いしますね。私の知らない岩崎さんの事とか色々教えて下さいね?」

「岩崎さんを口説き落とすのは私が先ですよ?」


「だから何でそういう話になるんだ、野口さんも佐千原さんも今は時間空いてるんだったら、一緒にお昼ごはん行かないか? ここの病院の食堂が凄い安くて美味しいらしいから、行ってみたかったんだよ」


「「ご一緒します」」


 ◇◆◇◆ 


 颯太たちは病院内をこの施設の院長と一緒に視察して廻ってる。


 病院での診察やペット関連の施設の一般開放は、明日からなので、今日はまだ比較的に和やかな空気が流れている。


 既に全国の犬猫の保護センターから、1000千匹以上の猫たちが連れてこられており、病院で診察を行い、避妊をしてない犬や猫に関しては、避妊手術が終わり次第この地域に解き放たれる。


 基本的には、ワンちゃんも猫ちゃんもこの区域内で自由に過ごしてもらうスタイルだ。


 ◇◆◇◆ 


 沙耶香は、今はこのペット地域全体の責任者の仕事をして貰ってるため、人事の問題やこの地域に出店を希望する企業との交渉など色々忙しそうだ。


「妊娠中なのにごめんよ」急いで替わりの人決めるからな。


 東雲さんと坂内さんは、大臣の島長官と斉藤ギルドマスターのSPとして、一緒に視察に同行している。

 颯太と達也を相手にして何とかできるやつとか、世界中探しても居ないだろうけど形式上って事だな。


 でも達也も凄いよな、思いつきで口にした様な【ギルドマスター】と言う仕事が、すでに8億人の組織になってその頂点だもんな。


 動かせる人数なら世界中の総理や大統領と呼ばれる人達よりも多い。


 しかもその殆どが、極めて高い戦闘力を持ってるとか、歴史上でもっとも偉大な将軍になったのかもな?


 それに匹敵と言うかそれ以上なのは、藤吉郎か。

 世界が違うけどあいつの場合は本当に世界の王だからな。


 でも、この先ダンジョンを討伐出来たとして、その先にある真実か……果たして何が待ち受けてるんだろ?


「なぁ雪。お前はダンジョンで生まれたのか?」

「違うよ」


「じゃぁなんでダンジョンの中ボスなんてやってたんだ?」

「なんとなく?」


「答えられない理由でもあるのか?」

「うーん意識はしてないんだけど、そういう事を話そうと思わせないようにされてるのかな?」


「そっか」


 ◇◆◇◆ 


十一月一日 二十時


「沙耶香。今日は疲れただろ? 無理させてごめんな。沙耶香はさ、誰か知り合いで今やってる仕事を任せられそうな人居ないのか?」

「居ない事はないけど、今私の廻りに居る人達ってみんな凄いじゃない? 大臣さんや国家公務員上級職のキャリア官僚ばかりで、そんな人達を見慣れちゃうと、どうしても物足りなく感じちゃうわね」


「そんなもんなのか?」

「そうですね、岩崎君の周りに居る人達はみんな凄いですよ! それより、あの病院施設に明日入ってる予約の人数って聞いていますか?」


「いや? 多いのか?」

「とても多いわね、申し込みがあった数だけなら五千件を超えてます。とても対応が出来ないから、一日千組に限定して順番に対応する事になってます。もちろん救急対応は別ですけど」


「めちゃくちゃだな、病院をもっと大きくした方が良いのか?」

「いえ、人ありきだから、箱だけ大きくしてもきちんとした対応が出来なければ意味がないです。でも、私がやってる仕事は基本山野さんや東雲さんに指示をしていただいた事を、そのまま口に出してるだけだから、そこまで大変じゃないんだよ? だから人選も急がずにゆっくりといい人を探しましょう」


「そうか、その辺りも俺は解らないから沙耶香が一番いいと思った方法で頼むよ」


 ◇◆◇◆ 


 颯太と達也が、北九州特区の今後の事を相談して来た。


「今日で一応北九州も一つの形はついたな、この後は星野と織田に舵取りは任せて、問題点が出てきたら対応すると言う形にして行く」

「ダンジョンの討伐はいつ再開だっけ? ちょっと頼みがあるんだが、学園都市に探索者養成課程を打ち出した学校もあるんだが、そこで【DPD】や【PU】、探索者の道を選んで自分の進みたい進路を目指してもらうんだけどな、授業で使えるようにダンジョンを一つだけ敷地内に設置したいんだよな、都合つけてもらえないか?」


「良いぞ、ちょうど今週出現する予定のダンジョンは既に討伐が終わってるから、木曜日の十一時十一分を過ぎたら設置できる。場所だけ決めておいてくれ、再開は一応来週の月曜日からの予定だ」


 次は、澤田さんが相談事を言って来た。


「岩崎さん少しお願いがありまして、聞いていただいけますか」

「おう、なんだ?」


「門司区に予定している、ホテルと飲食、ショッピングセンターに、世界中のブランドショップを中心にした施設群なんですが、当初は民間運営ですから場所だけ用意して、各企業に建築は任せようと考えていたんですけど、全国で防衛都市などの公共工事に人手も取られていて、任せてたんじゃ何年かかるか解らない状況になっています。それで建築物だけは各企業から図面を提出させて、こちらで用意してしまいたいと思いまして、手が空いたときに建設していただいていいですか?」

「今更だけど全然良いぞ。折角なら早いほうがいいだろう、図面がある建物は今週中にやっちまおう。資材はまだかなり残ってるし十分だろ。五百万人の生活圏に対応するショッピングセンターとか、俺も見てみたいしな」


「国内外の聞いた事のあるようなブランドや運営会社は、殆どが申し込んできていますよ」

「今は一般家屋はまだ立っていないので、施設内に仕事を持つ公的機関の職員用に建てて頂いたマンションと、ペットエリアの居住区の合計数で五十万人程度の住居しかないですから、今後の為にマンションは後二百万人分は対応できるだけの部屋数を確保したいですね」


「そちらは、既に図面は出来上がってますので、岩崎さんが時間が空いたときに、お願いします」



 次は鹿内さんが話し掛けて来た。


「岩崎さん、私から一つ提案があるんだけど良いかな?」

「なんだ?」

 

「開発の事や人材的な問題が、沢山山積みになってるでしょ? そんなの一々ここで進めてたら、とても処理しきれないと思うのよね。だから銀行を一つ買収してしまって、そこに色々な業務を任せてしまうのが良いと思うのよね。岩崎さんの資産規模なら信託銀行を傘下に持つメガバンク系でも問題なく買収できるから、基本的に株式の取得を100%してしまって、上場を廃止させれば使い勝手も良くなるしどうでしょうか?」


 と、話を振って来たが、そんな難しい話を俺が理解できるわけないじゃん! と思いながら考えてると、颯太が助け舟を出して来た。


「それは、いい意見だと思うぞ。ちょっと総理に聞いてみるな」


 それから三十分後大泉総理が現れた。


「銀行の取得は是非やってくれ、現在はどの銀行も貸付金の回収が出来なくて、潰れ掛けてるところばかりだから、買収自体は難しくない。だが国は一枚噛まさせてくれ。出資額の30%を国が出す形で頼む。折角来たから酒もって来たぞ」


 それから、総理も交えて遅い時間まで色々な話題を話した。


 俺が女性陣に対して、現状で十三人が実質嫁と呼んでもいい状況になってる事に対しては、法律的に重婚を認める事も出来なくはないが、それをすると潔癖症な意見を言い出す婦人団体なども必ず出てくるので、女性陣には今の形で誰とも結婚はしないけど、責任ははしっかりと持つと理が宣言する形がベストだと言う事になった。


 ◇◆◇◆ 


 翌日早速、財務の遠藤さんと言い出しっぺの鹿内さんが担当となり、国内最大規模の銀行を買収する話を纏めてきた。

 そのまま頭取には【DIT】から出向させる形で、メインバンクは遠藤さん。そこが抱えるグループ企業は、すべて鹿内さんが代表取締役を務める形になり、一気に人手を抱える事も出来た。


 鹿内さんすげぇな!

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