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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
第一章 ダンジョン黎明期

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第29話 お引越し

九月十日 九時


 今日は朝から東雲さんと一緒にダンジョンに潜る。

最近俺の用事ばかりで全然ダンジョンに潜れてないみたいだから、ちょっとはお手伝いもして上げないとね。


 お昼からは土地の契約とかあるし、引越しも済まさないといけないなぁ。

何か最近めちゃ忙しいな。


【D4】四層はレベル上げには本当に使いやすい。

 敵が常に複数で出てくるから効率いいんだよな。

 昼前まで狩り続け、俺がレベル54、TBがレベル46、東雲さんがレベル42まで上がった。

 後1上げれば、ここも限界になるな。

 夜もう一回潜ってあげてしまおう。


 お昼に一回家に戻り、シャワーを浴びて市内の法律事務所に向かったが、こういうところに来るの初めてだな。


 土地関係と、遺産関係の書類を作成してもらって十四時過ぎには終わった。

 思ったより早かったな。


「岩崎さん。スーツとかは持ってないんですか?」

「あーあるんだけどさ、サイズが合わなくなっちゃってるから着れないな」

 

「じゃぁ、買いに行きましょう!」と、嬉しそうに俺の腕を取って「お買い物デート♪」とか小さく呟いてた。


 何か高そうなイタリアブランドの店で、スーツ三着も買わされたよ。

 そんなに着る事なんかないと思うんだけどな?


「今日さ、朝からうちの庭、凄い賑わってたよね」

「【D1】と【D2】に五十人ずつ昨日着任した人たちが、潜ってるらしいですよ。【PU】の人達も初期メンバーは全員班長になったから、凄い張り切ってましたよ。【DPD】の人達も合わせると四百人近く増えるからしばらくは賑わいますね」


「でも流石に賑わいすぎるよ…… 普通の家の庭に百人も来ると」

「今日からは新しい家の方でいいんですよね?」


「もう荷物はアイテムボックスの中に入れてあるから、このまま行って荷物片付けたら終わりだね」

「今日は、全員来るって言ってましたよ。男性の方も」


「そうなんだね、何か用意する物とかある?」

「食器も揃えてあるし、料理は私たちが用意するから別に無いですよ。一応家に着いたら準備できる物は準備始めちゃいますけど、岩崎さんはやる事があればそっちを優先でいいですよ」


「そっか、じゃぁ昨日言ってた発電機でも試してみようかな」


 ◇◆◇◆ 


 引越しは、家について一時間もかからず終わった。

 寝室からそのままウオークインクローゼットに入れるから便利だな。

 反対側のドアからは、書斎に繋がってるし、書斎なのに本が無いけどね!


 ◇◆◇◆ 


 庭に出て、発電機をイメージし【魔導具創造】と念じた。


 魔導発電機:素材:ミスリル銀十キログラム、サンダーイーグルの魔核十個、魔核五万ポイント


成功確率 

 N   75%

 ロスト25%


 ありゃ魔核ポイントが足らないな。

 サンダーイーグルの魔核も一回分はあるけど、俺じゃもう出せない階層だし、ちょっと聞いてみるか。


『達也今大丈夫か?』

『おうどうした』


『発電機作ってみようと思ったら、魔核が足らなかった。五万ポイント分用意できるか? 』

『大丈夫だ。本部に来てくれ』


『了解』


 ◇◆◇◆ 


 本部に着き達也の部屋へ行くと総理も居た。


「こんにちは。また来てたんですね」

「休憩中だ。転移門のお陰で気楽に、ここに来れて助かる。ついでに魔導具つくるとこ見せてくれ」


「失敗するかもしれませんが、いいですよ」

「材料はここに用意してあるぞ」


「じゃぁ造るぞ」


【魔導具作成】


魔導発電機


【作成】

 

 まばゆい光に包まれて3m四方くらいの機械が現れていた。

 成功したようだ。


 これは凄いな。

 通常の送電の15万ボルトも送れるし、200Vと100Vが直接コードを繋げれば送電できる感じだな。


【鑑定】『魔導発電機』


 百万kwhまでの電力を作れる。

 一万kwの発電量に対して魔核ポイント1の消費。


「凄いなこんなサイズの機械一つで、最新の火力発電所と同等の能力だぞ。魔核1ポイントってのはいくらくらいの価値だ?」と総理が聞いてきた。

「百円くらいです、一時間一万円の燃料費で火力発電所と同等の能力か」


「日本の未来が変わったな。エネルギーの輸入をする必要が無くなる」

「火力発電所の百万kwhの設備が大体建造費に一千億円かかる。そして燃料費が1kw辺り10円弱だ。魔核発電だと百kwで1円だな。千分の一か」と達也が素早く計算した。


 やっぱり達也って頭いいんだな……


「素晴らしい、岩崎君ありがとう。これで日本は世界トップのエネルギー大国となる」

「ちょっと大げさすぎますって、なんとなく作って見ただけだから」


「これいくらで売ってくれるんだ?」

「値段はいつもお任せですから、今回も斉藤防衛大臣に任せます」


「安く買い叩いたりはしねぇよ」


 その返事を聞いた総理は満足そうに頷きながら帰って行った。


「さっき土地の契約済ませてきたけどさ、D特区と同じように回り囲んでもいいかな」

「問題ない、むしろやってくれ。出来れば津波対策の防波堤も造っておいて欲しい」


「澤田さんって今忙しいのかな? 少し付き合って欲しいんだけど」

「呼ぼう」


 ◇◆◇◆ 


 図面を持った澤田さんに確認を取りながら、俺は新しく取得した土地の周りを、一周ぐるりとセラミック製の壁で囲んでいった。


 何故だか解らないが、やっておかなくてはならない気がしたんだ。


 終わったら十九時になっていた。


「澤田さんありがとう。今日は澤田さんも来るんでしょ?」

 

「お邪魔させていただきます。あっという間に引越しまで漕ぎ着けましたね。私が設計図を引きましたが、私の引いた図面が、そのまま形になるのは初めての事ですので楽しみにしております」


「俺は建築の知識なんてまったく無いから、設計図をスキルに認識させないと建物は造れないからね、凄く助かりました」

 

「そう言って頂ければ図面を引いた甲斐があります」


 澤田さんと一緒に転移で新しい自宅に戻った。


 ◇◆◇◆ 


 家に戻ると、【DIT】のメンバーも揃っていた。


 颯太と達也だけは東京で用事があるらしく、少し遅れるとの事だった。


 女性陣たちは最新調理家電の揃ったキッチンで、はしゃぎながら準備をしてくれている。


 俺は、することも無かったので、リビングの80インチ4kTVを見ていると、画面には総理と達也、それに颯太も映っていて【DIT】の成果として大々的に今日作った発電機のお披露目記者会見をしていた。


 SRの収納バッグなら持ち運べるサイズだったしな。


「今日の発明は根本的に世界の経済情勢を変えてしまうレベルの物ですよ。日本だけで考えても各電力会社は発電事業からは一斉に撤退をする決断を迫られるでしょう。インフラ管理をするだけの会社になりますね」と、総務省出身の星野さんがコメントをした。


「世界がどう動くかですよね。まだダンジョンが日本でしか発現してないので、同じ設備があっても稼動できないですしね」同じく総務省の音羽さんも現実的な意見を出した。


 そしてその真面目な雰囲気の流れを断ち切るような鹿内さんの発言が……


「岩崎さん世界のエネルギー長者になっちゃうね。お嫁さんにしてくれなくていいけど、愛人として一生楽な生活させてもらえないかしら?」と、堂々と言い放った。


「却下の方向で」

「ケチ」


「さすがの鹿内さんクオリティーですね、その発言ができるのが羨ましい」

 と、山野さんが言ったけど、羨ましいって聞こえたのは気のせいかな?


「でも岩崎さん。会社設立をされた方がいいですよ? さすがにこの規模の案件になると商売相手は国家になりますし、個人での行動には限度がありますから」と、現実主義の大島さんがアドバイスしてくれたが……


「あーそういうのはいいや。俺は作った物を颯太に売りつけるだけで、後は【DIT】なり国なりが、考えてくれればいいと思うぞ。お金なんて必要以上にあってもどうせ使う暇も無いしな」と、返事をした。


 三十分後に料理も揃い、準備が整った頃に颯太と達也、何故か総理も一緒に来た。


「今日は岩崎君の引っ越し祝いパーティーだな。いい家が出来たな。チョクチョク寄らせて貰うから、これからもよろしく頼む」

「チョクチョク来るんですか? それはそれで、気が落ち着かないんですが」


「そんなに気にする必要はない。達也や颯太と同じ様に、俺もダチだと思って接してくれればいいさ」

「という事で、乾杯だ」


「今日は、総理の取って置きの酒出させたからな、ワインも凄いの揃えてるぞ」


 ◇◆◇◆ 


 みんなが帰ってそろそろ眠りに着こうとした頃、颯太から念話があった。


『まだ起きてるか?』

『どうした?』


『海外がな、かなり大騒ぎを始めてる。今の所、理のお陰でダンジョンのいい部分だけが目立ってるが実際どう思う?』

『もし今の状態で国外にダンジョン現れたりしたら、到底討伐は無理だと思う。実際【DIT】も頑張ってはいるが、俺抜きで考えたらボスの討伐なんてかなり厳しいんじゃ無いか?』


『俺も現時点では海外のダンジョン討伐は無理だと思うな。明日から海外からの治療の受け入れとかも始めるが、必ず理に接触して来ようとする人間も出てくるはずだ。気をつけてくれ』

『解った』


 今日は結局夕方ダンジョン行かなかったな。

 ちょっと目が覚めたから、今から一潜りするか。


 TBと一緒にダンジョンに潜る。

 そこには見たことのないモンスターが居た。


【鑑定】をかける。


ワイト 


LV60 スケルトン系の上位モンスター


HP  6000

MP  1200


攻撃力  60

防御力  60

敏捷性  60

精神力 120

知力   60

運    0


特技 :毒引っ掻き、物理耐性、魔法耐性


弱点 :聖属性


 普通に殴っても、なんとかなりそうだが、俺の持ってない属性が弱点の敵か、今からそういうパターンも増えるだろうな? だが攻撃の聖属性は無くても手はある。


 TBは本能的に敵の強さを察知して、低い声で威嚇はしてるが、尻尾が股間に向かって丸まってる。可愛いいぜ。

 

 実験して見るか? 取り敢えずこれで様子見だ。

 ポーションを取り出し投げつけてみた。


 白煙が上がり苦しそうなうめき声をあげた。

 効果はてきめんだ。


 HP結構削れたな。


 じゃあこれはどうかな? スキルを発動した。


 【回復】


 一瞬で消え去った。


 おお、すげーなやっぱスキルは別格だぜ。

 格上相手でも全く問題なかったぜ。


 レベルも無事に55に上がった。


 ドロップも出ている。

 

ポイントボール(大) 30ポイント

死霊のブレスレットSR:アクセサリー

 攻撃+10  

 クリティカルアップ発生率10%アップ   

 即死攻撃1パーセント


 結構いいな。

 TBにつけてやろう。


 さて、これでスッキリ寝れるぜ。


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