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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
第一章 ダンジョン黎明期

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第25話 D4

九月四日 九時

 

「おはようございます。岩崎さん」


 朝から東雲さんがやって来た。


 基本的に毎日【DIT】からの装備品やポーション類の納品の要請とかを纏めるのが主要任務で、昨日話題に上がった土地の交渉の窓口も行ってくれるらしい。


「俺さぁ今日は一日かけて日本中回って来るんだけど、東雲さんどうする?」

「では私も今日は土地等の件で、一応伝えておきたい事もありますので、ご一緒しても大丈夫ですか?」


「別にいいぞ」


 早速今日の俺の行動予定を伝える。


「まず転移で東京に行って、そっから新幹線で仙台、そのまま函館まで行って……


新潟

金沢

京都

広島

博多

熊本

松山


の順に行って戻る予定だよ。途中で時間足りなくなったら戻るけど、転移使えるとこは使うから大丈夫だと思う。スキルレベル上げたから、どこでもすぐ行ける様に登録だけしておきたいからね」


「了解しました。何かめちゃくちゃな行程ですね」


 とりあえず東京に転移して、仙台行きの新幹線の中で東雲さんが話し始める。


「岩崎さんが取得予定の土地の件ですが、海沿いから内陸方面に向けてD特区の東側を南北一キロメートル東西三キロメートルに渡り取得予定です。浜名湖の手前くらいまでになりますね」

「そんなに広い土地手に入れてもなんに使うのか解んないな」


「国から色々提案させていただく予定ですよ」

「東雲さんってさ、元は防衛省だったんだよね? 自衛隊の人達と同じように訓練受けたりしてたの?」


「一応キャリアでの入省なので、一般自衛官と同じような訓練は無かったですけど、それなりに鍛えてはいましたよ」

「そういえば、剣道のインターハイチャンプだったね。今レベルはどれくらいまで上がったの?」


「昨日で31ですね。勤務時間中にサポート職員は毎日二時間と、勤務時間外は自己判断でレベルを上げるようになっていますので、結構頑張ってますよ。今のところ私がランキング十一位ですね」

「PUの連中にも勝ってるじゃん。凄いね」


「みんな僅差ですけどね。ランキングは管理権限を島さん、斉藤さん、相川さん、上田さんの四人だけ持ってて毎日張り出されるんですよ」

「ギルドランクって項目あるじゃん。あれはどう使っていくの?」


「あれはですね。通知表方式って言うか全体の上位何%がSとかそういう感じにするそうですが、まだ稼動はさせてないですね。登録が魔核十ポイント分必要ですから一般の方が登録する時は初期登録費用一万円貰うそうです。斉藤さんが言ってたように百万人登録すれば、百億円ですね。でもそのうち世界中が登録を頼んでくると思うから、最終的には十億人規模になるらしいですよ」


「十億人とか滅茶苦茶な数だな。俺に払った金額も余裕で回収できるって訳か」


 ◇◆◇◆ 


 仙台に着くと、すぐ拠点登録をして函館に向かった。

 それを繰り返して、十九時には無事に予定を終了したぜ。


「そういえばさ、東雲さん俺のお古の装備使うかい? 今のよりは結構いいはずだよ」

「ありがとうございます。ぜひ譲ってください」


 直刀Rと匕首を渡した。


「この刀凄いですね、攻撃力五十も上がるとか、大事に使わせていただきます」

「ついでに俺の用事で動いてもらう事が多いからこれも使って」と【収納バッグR】を渡した。


「自分のお気に入りのかばんの内側に貼り付けて使えるから便利いいよ。装備もこの中に入れておけば、練習したらカバンから直接装着できるようになるよ」

「そんな使い方出来るんですか? 凄いですね。N品でも容量百キログラムありましたよね? ぜひ【DIT】のメンバー全員分作ってください」


「あーうん。気が向いたらね」


 さぁ明日は【D4】だ。


 ◇◆◇◆ 


九月五日 十時


 【DIT】メンバー全員が小学校の運動場に揃っている。

 理は列には並ばず端っこで様子を眺めていた。


 【PU】のメンバーは、装備のチェックやダンジョン内部での注意事項の再確認を行っている。

 今日はサポート班からは四名だけだ。

 島、斉藤、上田、鹿内、東雲、坂内で一班作って潜るらしい。


 相川さんは現場には行くが、中には潜らず待機するようだ。

 既にCH-47チヌークも待機している。


 ◇◆◇◆ 


 テレビでは、もう今日の十一時十一分のダンジョン発生は当然の事の様に報道していた。


 そして迎える十一時十一分。

 速報入りました博多です。


 博多駅と中洲の間の巨大商業施設内に出現しました。

 人的被害あり、人数は不明です。

 複数人が巻きこまれたようです。


 颯太に念話で伝える。


『先に行っている。後から合流してくれ』

『理。頼んだぞ』


 転移で博多に飛んだ。


 十一時二十五分現場に到着。

 隠密を発動し、商業施設内の中央広場へ出現したダンジョンに入っていく。

 まだレスキューたちも到着してない。

 内部には二十名程が居た。


 良かった、まだ襲われてはない。

 しかし入口付近にスライムが三匹居て、脱出する事が出来なかったようだ。


 隠密を解除しスライム三匹を手早く片付ける。


「もう入口に階段が出来上がってますので、急いで避難してください。怪我をされた方はいませんか?」


 手足を骨折している人が六人居た。

 ハイポーションを取り出し飲んでもらう。

 すぐに怪我も治り、全員無事に階段から自力で上がって行った。


 ようやくこの時になって、機動隊やレスキューが相次いで到着してきたようだ。

 こうやって巻き込まれただけでも、最低一週間の隔離になるんだったよな……しょうがないのかな?


 さてこのまま進めて行くか。

 このダンジョンは岩石洞窟のような感じで、少し進むと谷になっていた。


 敵は相変わらずのスライムとゴブリンなのでTBに全て任せている。


 中心部分にたどり着きダンジョンを鑑定する。


 階段発現条件はスライムを連続で20匹討伐だ。

 これもまた解析持ってない人には厳しい条件だな。


 クリアして二層に降りようとすると、達也から念話が入った。


『救助してもらったようで助かった。今到着したから、すぐに突入する』


『思ったより早かったな、俺は今から二層に降りるところだ。気をつけて追ってきてくれ』


 二層では、鳥系等の魔物がいた。


ウインドイーグル

サンダーイーグル


 地上にはオークが現れた。


 俺もTBも敏捷は高いので、相手の攻撃を避けつつ魔法で倒して行った。


 三層への条件は、ウインドイーグルとサンダーイーグルを交互に30匹の討伐。


 これも絶対普通に気づけないだろ……

 と脳内突っ込みを入れながらクリアする。

 三層の階段が現れる。

 ちょっと先に連絡入れよう。


 これ、条件知らずに途中で狩られると、数がリセットされるだろうから合流する事にした。


 颯太達が二十分程で到着した。


「このダンジョンは階段出現条件が特殊だから、PUの部隊は、二層で待機しておいて欲しい。四層の階段が出たら連絡するから達也も残ってくれ」


「了解だ連絡待ってるぞ」


 達也を残し、六人で三層へ降りる。


 三層は岩山を登って行くような感じだった。

 空にモンスターが見える。

 

 人と鳥の融合をしたようなモンスター『ハービー』だ。

 鹿内さんと、颯太がエアカッターで次々に撃ち落として行く。


 地上には大きな亀 『ビッグタートル』

 トカゲのモンスター 『火吹きトカゲ』

 花のモンスター 『ミスティックフラワー』


 の計四種類が現れ、TBと東雲さん坂内さんで次々倒す。

 

 山を登りきると広場になっていて、そこで鑑定をかけると、亀、トカゲ、花の順に三十匹の討伐だ。


 バラけると順番をミスする可能性があるので、みんなで一団になって狩をする。

 

 二時間程で条件をクリアしていよいよ四層だ。


 達也にも連絡を入れ合流してもらい、この層の探索はPUに任せ四層へ向かう。


「そういえば、PUのメンバーは探索系の特技は上げているのかい?」

「現状では、JOBやスキルに関しては指示を出していないな。これから先を考えると、方針を決めて計画的な習得を指示するようにするかもな」

 

 このダンジョンでもそうだけど、恐らくこの先もし俺が居なかったら、ダンジョンの下層へ下がる階段を見つけるだけでも大変だと思う。

 各班で必ず探索スキル持ちを育てたほうがいいな。


 いよいよ四層だ。

 巨大な渓谷をぐるりと回りこむように下がっていくフロアだ。


アイスイーグル

オークソルジャー

オーク

ホブゴブリン

ゴブリン


 の五種類が現れる。

 レベルは三十一から四十の間だ。

 単独では現れず三匹から五匹の群れだ。

 渓谷の中心部まで下りて行き鑑定を掛ける。


オーク 十匹

ゴブリン十匹

オークソルジャー十匹

ホブゴブリン十匹の順で倒す。


 又めんどくさいな。

 その間他のモンスターからの攻撃を倒さずに避けるのが大変だ。

 二時間を掛け条件を満たす。

 中心部に光の柱が立ち上がり、マスターが姿を現した。


 このマスターも特別な特技は無いようだ。

 全員で遠距離攻撃を浴びせ、俺が一気に削りきった。

 視界が暗転全員外へ出た。


『【D4】ダンジョンが討伐されました。報酬をお受け取り下さい』の声が聞こえた。


 俺は颯太へ「先に戻る」と伝え転移で戻った。

 現在十九時、島と斉藤は報道陣に囲まれ、【D4】の討伐完了を報告していた。


 報道陣からは【DIT】のチヌークが到着する前に現れ、被害者を救出し、骨折をポーションと見られる薬品で治療した人物についての質問が行われていたが……


「重要機密情報でお答えできません」で押し通した。


 颯太たちが帰還してきたのは二十三時前だった。

 まっすぐ俺の家に来たようで、まだ戦闘服だった。


「理。今日は本当に助かったありがとうな」

「あー気にするな出来る事をしただけだ。それより後からの記者会見で突っ込まれてたけど余分な仕事させちゃったな」


「国民の安全を守る事に勝る理由なんてない。本当にありがとう」

「照れるから辞めろ。使ったハイポーションだけ請求書回すぞ」


「そういえば理の転移ってどれだけ使えるんだ?」

「隠してもしょうがないから言うが、一昨日な、スキルレベルをMAXにしたんだ。今なら積載満タンのチヌークごと飛んでも、日本国内なら離島以外は大丈夫だろうな」


「すげーな」

「地点登録が必要だからそこが不便だけどな、今ならそれも五十箇所まで登録できる。昨日東雲さんと日本中回って主だったところ登録してきたんだよ。それがピンポイントで当たった。あ、博多駅からのタクシー代も請求していいか?」


「そういうところ小市民だよな」

「達也は明日の予定はどうだ? マスターになるだろ?」


「おうよろしく頼む。十一時頃からでいいか?」

「了解」


「明日は又うまい酒もって来るぞ」


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