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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
第一章 ダンジョン黎明期

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第15話 ダンジョンの発表と影響

 十八時を迎えた。


 俺の家のテレビでみんな並んで緊急放送を視ている。

 総理は渋谷の事件を発端に、ダンジョンが発現した事を公式に発表した。


 そこに現れるモンスターの危険性を国民が理解する事を説き、そこから得られる資源の可能性も説いた。


 そして、渋谷で現れたダンジョンが豊橋に出現した事を説明し、国民の保護の観点から付近一帯の国有化、隔離化を行う事。

 それに対応する組織としての【DIT】の正式な発足の発表、初代代表として内閣官房長官『島颯太』の名前が発表された。


 ダンジョンが新たに発生した場合の対処方法として、渋谷の時の様に事故でダンジョン内に進入をしてしまった場合でも、見つけて故意に進入した場合でも、最低一週間の拘束をされて検査を受けさせられる事。


 安全確認の出来ていない、ダンジョンからの産出物の取引の禁止、違反をした場合の罰則の規程等も合わせて発表された。

 今、ここに来ていない【DIT】のメンバーは全員が本部に集合して、放送を見ているらしい。


 国の主導する初動としては、一番いい形だとは思う。

 ダンジョンに入ると能力が人外になる。


 レベル2になっただけでも、レベル1の人間に比べたら大幅な能力の向上があるため、運動競技等は成り立たなくなる。

 その能力者を野放しにするような事では国が崩壊してしまう。


 後は国民にどれだけ理解してもらえるかだが、次回行われる国政選挙で審判はくだされるのであろう。


 ◇◆◇◆ 


「島さんちょっといいかな?」

「ダンジョンの有用性を理解して貰うのが、一番難しいと思うんだよね。それでね、俺が一つだけ持ってる特別なアイテムの【エリクサー】を使ってさ、この間の渋谷で足を失った女の子を回復させるってのはどう? その事実が出回るとダンジョンの開発に対して、前向きな見方をしてくれる人が増えると思うよ」


 本当は【エリクサー】なんか持ってないから【スキル】で直すんだけど、そんな事言ったら世界中から直してくれって人が来る未来が見えるからね。


「そんな大事な物をいいのですか? それが公になれば最高のパフォーマンスになります。ぜひお願いします」

「明日早速行くよ。忙しいだろうけど島さんも明日は付き合ってね」


 ◇◆◇◆ 


 放送も終わり一息を付く。

 斉藤防衛大臣は【DIT】の実働部隊と共に隔離する区画を確認しに行った。


 島内閣官房長官は、俺からの情報でダンジョンの警戒をする必要が無くなった事を受け【DIT】の二十四時間体制を解除する事をメンバーに伝え、明日から豊橋へ本部移転をする為に必要な指示を出した。


「坂内と東雲から聞いたよ、二人ともダンジョンに潜ってレベル上げしたって話だったけど俺もダンジョンに入りたい」

「今日は、俺は【D2】に潜って自分のレベル上げしないといけないから駄目だよ。【D3】出現までに上げれる所まで上げてないと、結局対処できませんでした。って訳には行かないからね。後で桑田さんたちのグループが入るらしいから、それに付いて行けば? 効率は悪くてもレベル2くらいには上がれると思うよ」


「焦ってもしょうがないか、明日から基本こっちに居る事になるし、チャンスはいくらでもあるからな」


 先程の政府の緊急放送を受け、各局が特番を組み、ダンジョンの議論をしていた。

 みんな想像で話してる筈なのに、結構的を射たことを言ってるよな。


 世間一般の認識の中でのダンジョンと言う物のイメージが実際に発現しているんだろうな? と実感した。


 ここ豊橋の上空にも各局の報道ヘリが旋回を始めている。

 

 ダンジョンを探してるのかな? 許可制にしてるから見えないけどね。


 ◇◆◇◆ 


 斉藤防衛大臣が桑田班のメンバーと共に戻ってきた。


 明日からの防護壁の設置を自衛隊が人員を出して行う事に決まり、配置を決める指示を出していた。


 総勢二千人規模で突貫工事を行うらしい。


 ◇◆◇◆ 


 俺はTBと一緒に【D2】二層に来てる。


『ナビちゃん。ちょっといいかな』

『いかがなさいましたか? 理様』


『TBって装備品とかつけられるのかな?』

『テイムされた生物は、アクセサリーのみ装備可能です』


『そっかぁまだアクセサリーって持ってないな、ドロップしてくれたらいいのに』


 サハギンを中心に狩を続けていると、見た事のない個体が現れた。


 早速【鑑定】をかける


影鰐R


LV30


HP  600

MP  300


攻撃力  120

守備力  60

敏捷性  30

精神力  20

知力   20

運     0


特技   噛付き強化 LV5 噛付き攻撃時500%の補正

弱点   電属性


 レア個体だ、かなり強いな。

 身体強化無かったら絶対無理な感じだ。

 でも弱点が雷なら黒魔術師レベル15で獲得した『サンダー』が有効だな。


 『サンダー』の雷光が、一直線に影鰐を貫く。


 HPは半分以上削れてる。

 スタン効果も付く攻撃だ。

 後は直刀に電気を纏わせ一気に削りきった。


 脳裏に声が響く


『ミッションクリアだよご主人様【D2初めてのレア固体討伐】報酬は50ポイントだよ』


『D2コアちゃん。おひさ』

『暇だから少しは呼んでよね!』


 ドロップも出てる。


 ポイントボール(中)ポイント+10

 鰐皮の首輪 アクセサリー 攻撃力+5防御力+5


 早速アクセサリーだ。

 やっぱりアクセサリーの事考えてた時に現れた敵だからかな?


 ポイントボールは使ってなかったから、中が2個小が5個かこの際全部TBに使ってステータス上げよう。

 早速TBに首輪も装備させたぜ。



【ステータスオープンTB】


TB 黒猫


LV9


HP 171

MP 19


攻撃力  18+5

守備力  17+5

敏捷性  17

精神力  9

知力   9

運    9


スキル(無し)


特技 サイズ調整LVⅡ


装備 鰐皮の首輪 攻撃力+5 守備力+5


 これなら、D2は余裕だね。

 ん? サイズ調整のレベルとかあるのか。

 

「TBちょっと今なれる最大の大きさになってみて」

「はいニャ」


 子牛くらいの大きさになった。

 強いんだろうけど…… 顔が子猫のままって、迫力は足らないよな。


 ◇◆◇◆ 


 ダンジョンを出ると、桑田班のメンバーが疲れきった感じで座ってた。


「今の装備だと溶解液に対応できないので大変ですね。五人で二十匹倒して全員がレベル2になりました。ステータスを確認を出来るようになったので出てきました」

「やっぱり通常装備だと軍用の物でも厳しいんだねぇ。でもさ、レベル2になったなら、次からはだいぶ楽に狩れると思うよ。装備は生産系の職を取る人もちゃんと用意しないと、今の装備ではどっちにしても通用しなくなるしね」


 ◇◆◇◆ 


 島官房長官が東京に戻る前に挨拶をしてきた。

「私たちは、一度東京に戻ります。岩崎さん明日は何時頃に出てこられるのですか?」

「お昼十二時頃に行くよ。場所はどこがいいかな?」


「警察庁に来てもらうのがいいですね。私はそれなりの立場があるから、SP無しだと普通に出歩くだけでも結構大変なんで」

「警察って俺みたいな小市民は悪い事してなくても敷居が高いんだよね、でもしょうがないか。受付で呼んでもらえばいいのかな?」


「着いたらスマホに連絡してもらえれば、迎えに行きますよ」


斎藤防衛大臣が「今日はありがとう。世界最強の男に合えてよかったよ。今度は、俺も一回ダンジョンに連れて行って欲しいな」と言ってきた。


「その呼び方は羞恥プレイっぽいから勘弁してください。ダンジョンはまぁ気が向いたらで」


 二人はSPの上田さんと共に東京に戻っていった。


 ◇◆◇◆ 


 大島さんが相談があると言ってきた。

「岩崎さん。当面【DIT】に装備品を供与して頂く契約は出来ないですか? 桑田さんの班の話を聞くと、鹿内さんから聞いた狩とは随分温度差があるんですよね。明日当然官房長官に確認を取ってからになりますが、正式に貸与もしくは販売の契約を纏めたいと思っていますので、よろしくお願いします。安く買い叩いたりはしませんのでご安心を」


「やっぱりそうなるよね、でも買って貰えるなら悪くないかもな。とりあえず前向きに検討すると言う事でいいかな」


 ◇◆◇◆ 


【DIT】のメンバーは市内のホテルに泊まることとなり、やっと一人になれた。

 

 現在の俺のステータスを確認しておこう


岩崎理 


LV32


JOB

【剣士】  LV16 

【シーフ】 LV16 

【黒魔術師】LV16

【鍛冶師】 LV 9

【薬師】  LV 7


ポイント 38


HP 370

MP 730


攻撃力 76

守備力 37

敏捷性 61

精神力 61

知力  37

運   114


所持スキル 

【アイテムボックス】LV4

【鑑定】   LV5

【転移】   LV5 

【エスケープ】 LV2 


【身体強化】 LV5 

【回復】   LV6

【錬金】   LV4

【生活魔法】 LV5 


【メイク】   LV1

【テイム】 LV1


【転移】 がLV5まで上がっていて、必要MPがレベル1の時の、60%になってるので、今なら百キロメートルまでは転移で行ける。


東京までは三百キロメート位か、MPを二千まで上げれれば、行けない事はないけど調整してみようかな。


【メイク】

HP   50

MP 2065


攻撃力 76→5

守備力 37→5

敏捷性 61→5

精神力 61→328

知力  37

運   114→5


 足りたぜ。

 これで東京まで転移で行けるな。

 帰りは普通に新幹線でいいか。


 ◇◆◇◆ 


 二十二時を回って、そろそろ寝ようと思っていると、玄関で呼び鈴が鳴った。

「こんな時間に誰だろう?」と思って出てみると、お向かいのお婆ちゃんが来てた。

「岩崎さんちょっといいかい?」


「どうしたの? こんな時間に」

「今日テレビでやってたけど、この辺りは全部立ち退きになるんだよね?」

 

「うん。そうみたいだね」

「この歳になって引っ越すのも辛いわ。何でこんな事になったのかねぇ? お爺さんとの思い出の詰まった家を手放さなくていい方法は無いのかねぇ」


「国の決定だから何とも言えないけど、おばあちゃんの家は取り壊されたりしないようには、出来るかもしれないよ。お婆ちゃんにだけは言うけど、俺は今回の事件に巻き込まれちゃってるから、国の人たちと話す機会もあるんだよ。少し相談してみてあげるけど内緒にしてね。ご近所さんとかお婆ちゃん以外とは話をした事もないしね。俺も私もってなったら全部無理になるから」


 大きな事はやりたくないけど自分に見える範囲、手の届く範囲くらいは何とかしてあげたいと、俺は思った。


 ◇◆◇◆ 


 翌日、今日は日曜日だ。

 新聞も一面にでかでかと、ダンジョンの事ばかり触れてる。

 朝一番でホテルに泊まっていた【DIT】のメンバーが訪れた。


「おはようございます岩崎さん。今日もよろしくお願いしますね」

「おはよう。あのさぁ相談があるんだけどちょっといいかな? 大島さんと鹿内さんに聞きたいんだけど、今からさここの地区には、ダンジョン関連の政府の施設が出来ていくんだよね?」


「はい、そうなる予定です」

「それでね、この地区に住んでる人達を優先的に雇用して上げれないのかな? って思ってさ。それならこの地区から立ち退かなくてもいい人も出るんじゃないかな? ダンジョンも討伐した上でここの地区に設置するんだから、外にモンスターが出る事もないし、問題はダンジョンで能力が上がった人の管理だよね? 米軍施設の軍属みたいな感じで【ダンジョン属】みたいな制度を作って、ある程度この地区の人達の意見を取り上げて欲しいな? って話なんだけど駄目かな?」


「当然施設が出来る以上雑務に従事する人間の雇用は起こります。この地区在住の人達に関しては、優先的に雇用できるよう配慮させていただきます」

「何か勝手な事言っちゃってごめんね。でもよろしくお願いしますね」


 鹿内さんが俺の言葉を聞いて「意外ですわ。岩崎さんってそんな事に興味を持たない人だと思ってました。貴重な意見をありがとうございます。それは別としまして私を見て何か感じませんか? 昨日に比べて明らかにお肌が若返っているんですよ。私頑張ります。今日もモンスター倒しまくります」と、意気盛んになってた。


「……あーいいことだと思います」(棒読み)


 大島さんが今日の予定を聞いてきた。


「今日は何時頃に東京に向かわれるのですか?」

「十一時頃まではここに居るよ」


「時間の整合がちょっとおかしい気がしますが、まぁいいでしょう。それで昨日の話しなんですが、試験的に装備をお貸しいただけませんか。今ここにいる桑田班の六名、私、鹿内で装備できるだけの数は在庫があるのでしょうか?」


「大島さんと鹿内さんはウサギシリーズだね。ちゃんと記念写真も撮るから。桑田さん達にはシールドと武器がいいかな」

「覚えてたんですね……」


「今日の午前中の狩りは付き合うよ。それと鹿内さんはJOB獲得した?」

「はい、獲得しました。魔法職ですね、黒魔術師と白魔術師を選びました」


「それなら一階層は楽勝ですね。俺が倒しちゃうとレベルの関係でドロップが出ないから、今日は鹿内さんの魔法と桑田さん達の武器攻撃で倒していって下さい。あーD1だと今数を少なくしてたから、今日はD2の一階で狩ってもらうね。百匹沸いてるけど、俺とTBもいるから大丈夫ですよ。きっと?」


「少し不安が残りますが、岩崎さんが言うのなら大丈夫なのでしょう。それでお願いします。今は七時半ですので装備などの確認をして、八時から十時までの予定で狩を行いましょう。その後十時半には自衛隊の部隊が順次海岸に集まる予定になってますので、そちらに向かいます」


 うさ耳お姉さんとうさ耳お兄さんに並んでもらって写真を撮った。

 やはりシュールだ。


【D2】一階層は百匹のモンスターがひしめき合ってた。


「TB、取り敢えず少し間引いて」

「了解ニャ」


 大きくなったTBがサクサク敵を狩って行く、その姿にみんな目が点になってた。


 桑田さんたちも結構順調に敵を倒して行ってる。

 元々連携は取れているから、装備の不安が無ければ問題は無いみたいだ。


 うさみみお姉さんは、ファイアで無双してた。

 うさみみお兄さんは、お姉さんの影で「ちょっともう少し離れてよ、邪魔」とか言われてた。


 ドロップもそこそこあったが、そこは公務での獲得という事できちんと纏めて管理するそうだ。


 二時間が経過してそれぞれ……


鹿内  LV5→LV7

大島  LV1→LV4

桑田班 LV2→LV5


 と、順調にレベルは上がっていた。


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