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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
第一章 ダンジョン黎明期

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第13話 初めてのテイム

 島はヘリコプターで警察庁に直接戻り首相官邸に向かった。

 そこでは既に大泉と斉藤が待っていた。


「結構派手に動いてるみたいだな。防衛省の内部では【DIT】の話題で持ちきりだったぞ」と斎藤が声を掛けてきた。

「今のところは順調と言いたい所なんだけど、今日話を聞いてきたダンジョンの討伐者からは、これからの日本の在り方を根本的に見直さなければ成らないほどの重大な話がいくつも飛び出してきて、とても俺だけで判断する範疇は飛び越えちまったから、総理に取りあえずの方針を決めてもらおうと思って、大急ぎで戻ってきたよ」


 総理が「大体の所は送ってもらったメールで確認したが、事が大きすぎて(にわか)には信用できないレベルだ」と、口にした。


 斎藤も「このままだと『世界は滅亡します』と言われてもしょうがないくらいの話だよな」との反応だ。


「まずは対応策の協議だ。豊橋のダンジョンの件だが、これを活用して戦力の増強を図る事は可能なのか?」

「まだ許可はもらっていませんが、岩崎氏の性格と考え方を聞いた上で問題は無いと思われます」


「それならばまず現地一帯を国有化して関連法案が一通り決定するまで、一般人が原則ダンジョンに入ることができない様にする。強攻策とは成るが、福島の事故で同じ様に町全体を入場規制した前例もある。ダンジョンの出現という事態は、それ以上の被災を招く見込みが高い。更に攻略されたダンジョンをその場所に集中させることが出来れば、今後【ダンジョン資源】と言う物が活用され始めたときに、大きなプラス要素になるはずだ」

「達也は明日、颯太と一緒に現地に乗り込み、国有化する範囲の選定を行ってくれ」


「了解しました」

「次に海外への対応だ。ダンジョン出現が日本だけで無いという情報を持った以上、秘匿するのも後々問題になると思うがどう思う?」


「現状では、可能性があると言うだけです。当然諸外国は既に日本のニュース番組などを通じ、ダンジョン出現の事実は把握しているはずです。情報を制することで、この先のダンジョン外交で優位な立ち位置になる事は間違いないので、こちらからの積極的な情報開示の必要は無いと判断します」


 斎藤も「俺も同意見だな。客観的に、もし合衆国、中国、ロシアが日本の立場であった場合100%情報は秘匿されるし、そこは聞かれた事に関しては考える位でいいと思う」と賛成してくれた。


「今後約三年間で百五十五か所のダンジョンが出現して、毎週討伐レベルも上がって行く。しかも討伐しなければ僅か六週後にはモンスターがあふれ出す。そこまでの情報があれば、ある程度の対策は取れるものなのか?」


「五階層以降では現在地上に存在する兵器では、ダメージを与える事すら出来なくなるようですので【ダンジョン資源】【ダンジョン素材】と呼ばれる物の研究開発を進めるしかないのですが、素材が特殊であれば、その素材を加工する技術も、ダンジョン内でしか得ることが出来ないと予見されます。そのための人材育成をどう行うのかが重要ですね。【DIT】に関しては、豊橋に拠点を確保し本部機能を持たせ、そこで人材の育成研究を行って行く事が現実的だと思います」


「毎週発生していくダンジョンを、どれだけ早く見つけられるかが重要だが、発生時刻は毎週木曜日十一時十一分だと決まっているんだな? そうであれば人工衛星をフル活用して、ダンジョンの発生場所を素早く察知する事は、可能なはずだ。また、ダンジョンが地下に発生するのであれば、地震感知の機器も役に立つ可能性が高いな。先日の渋谷にダンジョンが発生したときのデータを解析し、地震感知機器に動きがあったのかを調べさせてくれ。衛星が存在する高高度から、100%視認できる場所にダンジョンが発生する訳でも無いだろうし、見えない場所へ入り口が発生する可能性も考慮して、視認意外での変調で感知できるシステムを構築しないとな。

 颯太は今後【DIT】の活動を最優先にしてもらうために、肩書きを変える必要があるが現状では予算の問題がある。

 官房機密費を使える立場の官房長官である事が大きな意味をもつので、ダンジョン関連の法案が成立、可決するまではこのままの立場で頼む」


 ◇◆◇◆ 


 翌朝


【DIT】から実働部隊である桑田班と、サポートメンバーとしてB班から鹿内と大島の二名が、豊橋へ向かう事となり準備を整えていた。


 車輌で向かう事になり、九時出立十二時現地到着予定である。

 可能であればダンジョン調査を行うために、フル装備での移動となったので、最寄りの交通機関を使う訳にもいかないためだ。


 ◇◆◇◆ 


 理の家では、朝から味噌汁の良い匂いが漂っていた。

 坂内と東雲の二人でコンビニで材料を揃え、朝食の準備をしてくれていたのだ。


 現在時刻は七時三十分である。

 匂いにつられて起き出した理が「おはよう」と挨拶をする。


「岩崎さんおはようございます。勝手にシャワーを使わせてもらいましたすいません。朝食の準備をしましたので、一緒に如何ですか?」


 と、坂内さんが返事をした。


 東雲さんは「勝手に人のうちの台所を使っておいて、大きなお世話かもしれないですが、ビールとお酒の肴だけしか無いのはびっくりですよ」


 と、微笑みかけて来た。


「ビールだけじゃなくてちゃんと居間には、俺の大事なコレクションの焼酎と日本酒もあるぞ」

「……まぁいいですけど」


「こうやって人と朝ご飯食べるとか十年ぶりだよ。同じような内容でも、凄く美味しく感じるなー」


 と、素直に喜びを伝えると、東雲さんと坂内さんも嬉しそうにしてくれた。

 朝食を食べながら、この後JOBの取得をして貰う事を説明した。


「JOBはね、最初のイメージが大事らしいから、『やりたい事』『成りたい自分』をしっかり思い浮かべて『JOBリストオープン』と念ずればいいはずだよ」


 食べ終わったら、早速やってみてね。

 朝食の片付けを終え、居間に集合する。


 まず坂内さんから


【JOBリストオープン】


 槍術士  習得ポイント 5

 白魔術師 習得ポイント 5


 薬師   習得ポイント 10

 騎士   習得ポイント 10


 聖騎士  習得ポイント 30

 白魔導師 習得ポイント 30


 賢者   習得ポイント 50

 聖女   習得ポイント 70


「凄いのが沢山表示されてます。聖女まであるんですね」


「今はポイントが10しかないし、レベルも足りないから、習得が5ポイント以内のJOBしか選べないけどね」


「そうなんですね、それなら魔法は使いたいから、槍術士と、白魔術師かな」


 早速選ぶ。


「JOBの取得でステータスも変わるから、確認してみてね」


【ステータスオープン】


『坂内 美穂』


 LV5 


 JOB 

 『槍術士』LV1 『白魔術師』LV1


 ポイント 0


 HP     50

 MP    100

 攻撃力   10

 守備力   5

 敏捷性   5

 精神力   5

 知力    10

 運     5


 所持スキル 無し


 ◇◆◇◆ 

 

 次は東雲さんだね。


【JOBリストオープン】


 剣士    習得ポイント 5

 料理人   習得ポイント 5

 修復師   習得ポイント 5


 剣豪    習得ポイント 10


 剣聖    習得ポイント 30


 剣王    習得ポイント 60


 剣神    習得ポイント 99


「なんか凄い剣に特化した感じのJOB構成です。剣神とかあります。他は料理人と、修復師だけですね。料理は普通に出来るから修復師にしておこうかな」


「凄いねー、でもやっぱりその人がイメージしたものが現るんだねぇ。潜在的な意識とかを反映するのかな?」


【ステータスオープン】


『東雲 あずさ』


 LV5 


 JOB 

『剣士』LV1 『修復師』LV1


 ポイント  0


 HP    50

 MP    75


 攻撃力  10

 守備力   5

 敏捷性   5

 精神力   5

 知力    5

 運    10


 所持スキル 無し


「修復師は、運が上がるんだね。生産職全体が運なのかな?」

「でも、なんだか運が上がるのって得した気がしますね!」


「だよね! 所で交代の人ってさ何時頃来るのかな?」

「お昼頃になると思います」


「そっか、俺は用事があるからもう出かけちゃうけどさ、お昼には戻って来るから聞かれたら言っておいてね。もし坂内さん達も出かけるなら、鍵とかは気にしなくてそのままでいいからね、取られる様な物も無いし」

「岩崎さんが帰って来るまでは居ますから、ステータスの効果とか確認したいしダンジョンに入っても良いですか?」


「JOBにもついたし、大丈夫だとは思うけど油断はしないでね。念のためにモンスターが出現する数を、減らしておくね。後、防具はちゃんと装備してね」

「「了解です」」


 ◇◆◇◆ 


 理は公園に来た。


「今日は絶対、黒ちゃんと仲良くなって、テイムするぞ!」


 黒ちゃんの姿を探すが、なかなか見つからない。

 公園の奥に木が立ち並んで、木陰になってる場所があるが、そこにカラスが集まって鳴いてるのが見えた。


 気になって見に行くと、黒ちゃんが居た…… 傷だらけになってた。


 子猫はカラスに襲われやすい。

 集団で襲われると簡単に捕食されてしまう。


 俺はすぐに駆け寄りカラスを追い払う。

 かろうじてまだ息はしているが、もう自力で起き上がれないくらいに衰弱してる。

 目も怪我をしてる。


「黒ちゃん絶対助けるからね」


 すぐにスキルを発動した。


【回復】

 やわらかい光が黒ちゃんを包む。

 呼吸も安定して、傷口は塞がったが目や耳など欠損した部分が直らない。


 俺はすぐにポイントを使い回復のスキルレベルを上げる。


 回復をレベル4からレベル6にポイントを55使用して上げた。


 再び【回復】


 さっきより大きな光が黒ちゃんを包む。

 頑張れ黒ちゃん。


 光の中から目も耳もきれいに直った黒ちゃんが現れた。


 良かった…… 本当に良かった。

 ちょっと自分でウルウルしちゃった。


「あのぉ……」


 突然声をかけられた。

 しまった見られたか。

 まぁきっとなんとかなるさ。

 そこには、昨日の綺麗なお姉さんが居た。


「私、カラスが怖くて、近寄れなくて、チビちゃんが助けられなくて…… ありがとうございます。チビちゃん助けてくれて……」


 そこに元気に立ち上がった黒ちゃんがやってきた。

 今日は俺にシュリーンと身体を擦り付けてくれた……

 

 ぉぉ超幸せ。


 この為なら【スキル】見られるくらい平気だぜ。


「チビちゃん良かったね。元気になれて本当に良かったね」


 綺麗なお姉さんもちょっとウルウルしてる。

 今度はお姉さんのほうに近寄ってシュリーンとする。


 本当にめちゃ可愛い。


「私、佐千原っていいます。佐千原(なつめ)です。お名前お聞きしてももよろしいでしょうか?」

「あ、はい。俺は岩崎と言います。今日は俺この子飼いたいと思って探しに来てたんです。佐千原さんは飼ってあげることは出来ないんですか?」


「うちのアパートでは、ペットは無理なんです。ここで会うのが精一杯でした。でもこんな事があると、保護してあげないと、駄目ですよね。岩崎さんみたいな素敵な方がチビちゃん飼ってくれるなら、安心してお任せできます。チビちゃんのことよろしくお願いしますね」


 と言って深々と頭を下げ、立ち去っていった。


 黒ちゃんは俺の足元でゴロゴロしてる。

 俺はかがみこんで黒ちゃんに声をかける。


「うちの子になりなよ」


【テイム】スキルを発動した。


 黒猫のテイムに成功しました。

 名前をつけて下さい。


 名前は決めてたよ、TB、君は今日からTBだよ。

 「ニャン」と短く返事してくれた。


【ステータスオープン】


『TB』 黒猫 


 LV1


 HP  90

 MP  10


 攻撃力 1

 守備力 1

 敏捷性 1

 精神力 1

 知力  1

 運   1


 特技 ???


 念願のテイム完了だ。

 

 幸せだなぁ


 しかし佐千原 棗さんか、綺麗な人だったな。

 絶対スキル使ったとこ見られたよな。

 何も触れられないと逆に不安になるぞ。


 そうだ忘れないうちに聞いておこう。


『ナビちゃん。ちょっといいかな』

『いかがなさいましたか? 理様。綺麗なお姉さんの家は存じ上げません』


『妬いてる? テイムしたペットはスキルとか覚えさせる事は出来るの?』

『スキルを覚えさせる事は可能ですが、テイムをされたペットには、有用な特技が芽生えますので、スキルは自分で覚えたほうが効果的でございます。あと、妬いてはないです』

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