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次の朝、スマホの充電は残り四パーセントだった。
「えぇぇ…なんで充電できてないの…」
充電器のコードは枕の下から出てきた。もちろんスマホには挿さっていない。これではただの紐である。
学校で結果を見るつもりだったのに、三時間目の途中で電源が落ちた。四パーセントと考えたら随分と持ったほうだ。スマホに昨日は頑張ったもんね~と、労ってあげたい気持ちが湧いて来ないでも無いけれど、違うそうじゃない。
ワンチャンないかな~と思い、鞄をひっくり返しても、都合よく充電器は出てきたりはしない。机の中も見た。もちろんある訳がない。思わずため息が漏れる。
「朝、充電しなかったの?」
「時間なくて」
「それ、いつものやつじゃん」
茉莉乃の指摘が正しすぎて、何も言い返せなかった。そして茉莉乃も充電器は持っていなかった。詰んだ。
家に帰って、すぐさま充電をする。結果が今すぐ見たい。でも見始めたら「ご飯だよ」って呼ばれてぐぬぬ…となるのが目に見えてる。仕方がないので、ご飯とお風呂を済ませ髪もきっちり乾かしてからベッドによじ登った。
ドキドキしながらアプリを開き、イベント結果をタップする。
一位だった。
「……え?」
『全国ランキング』って書いてあるそこには、私とHONEの名前。個人記録でも、フレンド内の順位でもない。
「え、うそ。嘘。えっ、一位!?」
スマホを抱えたまま、ベッドの上をごろごろ転がった。掛け布団が床にずり落ちたけど、そんなことは気にもならない。
「やった! やったやった、ほんとに一位!」
ひとしきり騒いでから、慌ててチャットを開くと、タカオミからメッセージが届いてた。
『おっす!!!! お疲れ様!!!!!』
『マジ1位ありがとう!!!!!!』
『サイコーーーー!!!!!!!!!!』
びっくりマークの方が多さに声を出して笑った。お店ではあんなに小声だった人が、文字だとこんなにうるさいとか面白すぎる。
『お疲れ様でした!HONEのおかげで一位取れました!』
『初めてのセッションでこんな結果になるなんて……本当にありがとう!!!』
送って、そのまま続けて打つ。
『よかったら、直接あってお話ししませんか?』
そこで手が止まった。
気がついたら、あの時に送るのをやめたメッセージをまた打っていた。
お祝いって、どこで。何すんの。
向こうは仕事であちこち回ってる社会人で、私は高校生。
しかも、会ったのはお店で一回きりだ。
……何考えてんだ、落ち着け。
しばらくその一文とにらめっこしてから、また消した。
送った二通には、もう既読がついてた。




