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あれからイベント前の作戦会議を行い、それはほぼ毎晩続いた。
編成、得意な曲、遊べる時間帯。それを決めるだけのはずが、途中で必ずめぐりちゃんの話に脱線してしまう。タカオミさんが長文を送ってきたら、私も負けじと長文で返す。読んでる途中で次の通知が来て、ちょっと待ってどんだけ文字入力早いの、ってなる。
年齢の話になったとき、タカオミさんが二十四歳だって知った。私が高三だって言ったら、『高校生!?』って返ってきた。女の人はメイクで印象変わるから、年齢までは分からなかったとのこと。まぁそれは確かにそうか。
『あと、さん付けいらないっす!!同志なんで!!』
『じゃあタカオミで』
『それで!!』
次の日にはもう、話題はゲームに戻ってた。
『俺、高校の時こんなにフルコン取れなかった』
『そこ?』
茉莉乃とも毎日しゃべるけど、楽しさの種類が違う。めぐりちゃんの衣装について三行で説明したら、五行で返ってくる。この人の頭の中、ガチで一度くらい直接のぞいてみたい。
ふと、こんなにメッセージで盛り上がれるなら、実際に会えばもっと盛り上がるんだろうな。なんて思った。
『よかったら、直接あってお話ししませんか?』
打ちかけたその一言は、なんとなく送れず消した。
イベントが始まると、二人ともスキマ時間でライブを回しまくった。
私は宿題を片づけてから。タカオミは仕事の合間とか、夜になってから。プレイ時間がかぶると、チャットが一気にうるさくなる。
音ゲーの腕だけなら、二人ともけっこうイケるようで、フルコンを重ねるたびに順位が上がって、初参加の私は更新されるたびにリザルト画面を見る。
ただ、上位に食い込んでからは、ちょっと様子が変わった。
「……待って」
HONEの使用アイテム欄を見て、目を見張る。
金色のブーストアイテムがずらりと並んでいる。見間違いかとも思ったけど、次の回も、その次の回も増えてる。配布分だけでこの数になるはずがない。
課金画面で同じアイテムを見つけて、値段を確認してそっと閉じた。
…聞かないでおこう。
『今42位!!』
『いけるいける!あとちょっと上げよう!!』
本人はめちゃくちゃ元気だった。私も『了解!回します!』って返す。お財布事情にはちょっと引いてたけど、ここまで来たら私だって上が見たい。
指が疲れたら休んで、水を飲んで、またスマホを横にする。ミスったら悔しいし、二人そろってうまくいったら、そのたびにスタンプが飛び交った。
最終日、最後のライブを終えたとき、私はベッドの上で両手をグーパーした。親指の付け根がじんわり重い。
『お疲れ様でした!』
『こっちこそ!いやー楽しかった!!!』
ランキングの更新が止まって、『集計中』の表示に変わる。 もう遊べないって分かったら、さっきまで興奮してドーパミン大放出中だったのに、スン…と落ち着いた。
やり切った。燃え尽きた。そして画面を眺めてるうちに、そのまま寝落ちしてしまった。




