第二十一話 新・突然の訪問者!!
「メ……ちゃ……、……ア……ん」
(う~ん、もう少し)あと五分寝かせて。
「メア……、……ちゃん」
うるせえな~。
誰かが起こしに来たみたいだ。まだ眠たいが、渋々起きる事にした。
ゆっくり目を開けると爺ちゃんが居る(お爺ちゃんは相変わらず怖い笑顔ね)隣には婆ちゃんが居た。爺ちゃんの名前はロワ、婆ちゃんの名前はレーヌだ(正解よ。ちゃんと覚えているわね)
しかし、どう見ても爺ちゃん婆ちゃんという容姿ではないが(二次元の見た目年齢が、まったく当てにならないのを忘れていたからね)ココは三次元なんだが……ややこしくなるだけか。
婆ちゃんのテンションがなぜか爆上がり状態だ。
「じ~じ~、ば~ば~」
まあ、その、なんだ、色々勘違いしていたが、今は仲良くできていると思う。
「は~い~、ば~ば~ですよ~。おどきに! なってぇ!! くださぁ!!! い、フンッ!!!」
ドゴーン!!!
婆ちゃんが爺ちゃんを雑にどかしてベッドから落とした。婆ちゃんのその手には哺乳瓶が有り、どこかソワソワしている。
「ご~は~、あ~~♪」
口を開けると喜び勇んで、俺を抱きかかえ哺乳瓶を口に入れられた。すると、一気にみんなの視線が集まる。
「ちゅっちゅっ、み~な~で~!」
手を振り振りして顔を隠すが、必死の抵抗も虚しく、みんなニマニマした表情になっている(かぼちゃが五つ居るだけよ)そうだ。あれは人ではなく野菜だ(野菜なんだから)
ぷい!
……
「けぷ」
「おいしかったですか~?」
「あい! けぷぅ」
ちゃんとゲップをしないと、もどしちゃうからな。食事も定期的な時間になって、哺乳瓶係のローテーションもキッチリ決まっている(でもちょっと足りないね)空の哺乳瓶を吸っておかわりを要求した。
「おかあさま、おかあさま、まだたりないみたい」
「残りはお願いするわね」
母さんがベッドの上でぴょんぴょん跳ねて自己主張している(カワイイ!)ゆっくり壊れ物を扱うように俺を渡すと、男性陣にベッドから離れて後ろを向くように言っている。チノに交代だな。
チノ?(…………)おーいーチーノー?(……そろそろメアちゃんが飲んでみたら?)な、なに、何を言いだすんだあ? 人格が増えるぞ。チノツーが生まれるぞ!(ヘタレ)だってぇ(ヘタレ)……俺はヘタレだぁ!!
逃げるように共有を切った。
(はぁ~まあいいわ)
…………
……
(メアちゃん終わったよ)その、ありがとう、ごめん(ちょっと言い過ぎたわ。でもメアちゃんはお母さんの子なんだから、気にせず飲めばいいのよ)その、ごめん(……飲みたくなったら言ってね)――うん。
「あーー! そうだーー!! カレンダーにまるをつけなきゃ」
よく通る大きな声が部屋中にコダマした。みんな慣れたもので、あまり動じていない。
「おねがいねメアちゃん?」
「あい」
頷くや否や、母さんに抱きかかえられたまま、慌ててカレンダーに連れて来られた。するとすぐに、エイドさんがペンを差し出す。
「ココをまるしてね」
「あい」
五月十六日の所に丸をした。ここ最近の仕事だ(いい仕事してますね~。実に多種多様な丸です。こりゃあ芸術だぁ)先生と呼んでくれたまえ(メアちゃん先生!)ちゃんは無しで。
「メアちゃんは天才、これでこの国は安泰だ」
「メアちゃんは本当にすごい器用ね~」
一辺に喋られると何言っているかわからない。俺が首を傾げると、その場は異様な熱気になった。
…………
……
「あか、あお、さんかく、しかく」
「あ~あ~、あ~お~、さ~あ~く~、し~あ~く~」
床で母さんと積み木遊びをしている。他のみんなは見ているだけ。
こんなに人数がいるから何かして遊びたいな?(わたし達ができる遊びって、何かあるかな?)こういう時は人に頼るべきだろ?
ハイハイで婆ちゃんの所まで行って、ドレスをひらひらさせる。
「あ~そ~で~」
「遊んで欲しいのですか?」
「み~な~で~」
「みんなと遊びたい?」
「あい」
俺の提案を受けてみんなが一様に悩んでいる。婆ちゃんは悩んでいるが、とても気品がある。さすが貴族の婦人様だ(お母さんは……可愛い~)――NOコメントで、爺ちゃんは邪竜が宿った顔をしている。
エイドさんは母さんを見てニタついている。そして俺は行儀よくお座りだ。
「僭越ながら申し上げても宜しいでござるか」
声の主を見るといつも爺ちゃん達に付いて来てるジエンさんだ(珍しいね?)
「どうしたジエンよ? 申してみよ」
「――御意! しからばお馬さんごっこは如何でござるか?」
「ジエン、なんて事を言っているの!? ここは孤児院ではないのよ!!」
エイドさんがジエンさんを猛烈に怒っている。どうやら失言したみたいだが、知らない単語が入り混じっていたのでよくわからない(でも許してあげて欲しいな)
「えぃ~ど~、め~」
エイドさんを指さし、指を前へ振り振り(お口をぷっくり)エイドさんはしょんぼり。
ジエンさんは気づかれないように、俺に向かって感謝の意を表した。しかしすぐにバレてしまい、ふたたび怒ろうとしたエイドさんに対して、俺は睨みを効かす。
「も、申し訳ございませんメア様」
すぐさま頭を深々と下げて謝罪をしてきた。
「お馬さんごっこね~、なつかしいわー。ねぇ? ロワ!」
「昔を思い出すのぉー」
「え!?」
爺ちゃん達はボーっと上を向き、エイドさんは珍しく驚きを隠せていない。ジエンさんはホッと胸を撫で下ろしていた。
母さんは目をキラキラさせている。なぜこっちを向いているのです?(あの顔は人の話をまったく聞いてないよ!!)
「失礼ながら、陛下方もされた事があるのですか!?」
「「もちろんある」わ」
さすが夫婦、息ぴったりだ。
「エイド少しこちらに」
婆ちゃんが何か頼み事をしているようだ。
母さんは暇なのか俺の髪の毛で遊び始めた。まだぜんぜん伸びてないし、早過ぎじゃないかな?(3cm位は伸びたかなぁー)ろくに遊べないと思うが?(でも伸ばす気はあったんだ~。へぇーそうかそうか)――アッ! ふ、ふん!!(すぐ誤魔化すぅーー)
「承知いたしました。すぐにお持ちします」
ガチャ! ガチャ!
ええぇ! あれれ? 部屋から出たと思ったら、乗馬用の鞍抱えてもう帰ってきてる!?(サイズ、小さくない?)
「どうぞお受け取りください」
婆ちゃんがさきほどの鞍を受け取りお礼を言っている。爺ちゃんは手と膝を床に着いて、いなないていた(これはアレよね?)アレだなたぶん。
「メア様失礼します」
「あ~あ~、メアちゃんのポニーテールが~」
俺の髪で遊んでいたのが、戻されて口をムニムニ言わしている。婆ちゃんがよしよしと頭を撫で、慰めてあげると機嫌を元に戻していた(微笑ましいね)普通に見ていると美人姉妹だな。
「ほれ~、お馬さんだよ~」
爺ちゃんの上に乗せられた。鞍が少し大きいがかなり安定しているな。ゆっくり動きだすと振動が……こないぞ?(快適ね~)これは中々楽しいもんだ(行くのよ。ロワザレッド!)なんだその名前?
「キャッキャッキャッ、も~と~、も~と~」
俺の掛け声とともに、どんどん加速していく。
速度はもはやバイククラスだ。これはお馬さんごっこではない。風と友達になる行為だ!(ねぇ、アレ!?)ん? 横を見ると婆ちゃんとジエンさんに、同じ鞍が乗せられていた。
「ティアものーりーたーいー!!」
「レーヌ殿下、本当によろしいのですか?」
「任せなさい! 息子達で鍛えあげた技術を見せてあげましょう。ロワー、ロワーー!!」
……
どうやらレースを開始するみたいだ。そして、俺が乗る馬を決めなければならない。
爺ちゃんは子蛇のように見つめてくる(……コワかわいいよ?)婆ちゃんはお姫様が頼み事をする時のポーズ(まるで本当の王女様みたい)ジエンさんは背中に鞍があるのに直立不動で仁王立ちしていた(硬直しているとも言う)
ちなみに母さんとエイドさんは、今回は乗る側だそうだ。なのでこの三頭から選ぶ事になる。
勝つにはロワザレッドが一番じゃないか?(いいえ、サクラレーヌが本命よ)でも選ばなかった方は拗ねそうだな(う~ん、そうよね~、じゃあジエンソルジャーにする?)そうだな。ジエンさんとは遊んだことがないからな。
「じ~え~!」
ジエンソルジャーを指名。爺ちゃん達はこの世の深淵を覗いた顔にみるみる変化していく。そして殺意が籠った視線を送っていた。ジエンさんはその視線に耐えられず、足をガクガクとさせている(助け船を出さなきゃ)
「お~こ~! め~!!! め~!!!」
両手を上下に、首を横に振り爺ちゃん達を睨むと、ジエンさんへの視線を止めて、俺へのご機嫌取りに奔走しだした。
「すまぬ。しかし、儂に乗れば一番になれるぞ」
「ごめんなさいね。でも、わたくしに乗ればロワには負けませんわ」
無視してジエンさんにハイハイで近寄る。
「の~て~? の~て~?」
挙動不審になっているジエンさんは、エイドさんに助けを求めている。が、その人は素知らぬ顔で爺ちゃんに乗ろうとしていた。母さんは婆ちゃんに乗っているが、なぜか後ろ向きに乗って手を振っている。
ジエンさんは意を決して俺を乗せてくれた。さながら、死地に赴く兵士の如き雰囲気だ(違うわ! あれはまだ勝利を信じている目よ)
「ジエンよ、手を抜くでないぞ」
「わたくし達に本気で挑みなさい」
エールを送っているようだ。
「先に城を十周した方が勝ちです。コースは覚えられましたか?」
「うむ」「ええ」「――ッハ!」
スタート位置にみんな着いたようだ(ジエンさん行くわよ)
負けられない戦いが、
今ここにある!!!
「よ~い! ドン!!!」
エイドさんの掛け声とともに、戦いの火蓋が切られた。
…………
……
いや~危なかったぜ(わたし達の大勝利!)
爺ちゃんに俺達のメロメロ作戦が効かなかったら危なかったな。それに最後は母さんが鞍から落ちなければ負けていた。
(途中でお母さんが魔法使ったり、エイドさんがどこからか網とかだしたり、お爺ちゃんは何かよくわからない道具を使おうとして、お婆ちゃんに蹴り飛ばされていたりして、滅茶苦茶だったけどね)
いや~楽しかったな(そうね)でもこうして、
「メアちゃん楽しい?」
「あい」
三人――俺とチノと母さん――でゆったり乗るのが一番楽しいな(うん!)
さあ、凱旋だジエンソルジャー!!
「ひひーんでござるー!」
イベントクリア報酬
ゲットスキル
【人見知り+】 ⇒ 【人見知り++】
人=野菜で克服できたら苦労しない。でも気持ちまし
補正 逃走成功率+30%UP 素早さ+3 <new>防御力+1
【ヘタレ++】 ⇒ 【ヘタレSP】
ヘタレと自覚しているなら変われるから
補正 回避率+5%UP 抵抗力+3 <new>防御力+20%UP 抵抗力+20%UP
ロワ
【馬++】 ⇒ 【馬SP】
スポーツカー並に速度がでます
補正 素早さ+5 TP+5 <new>素早さ+30%UP
レーヌ
【馬++】 ⇒ 【馬SP】
新幹線並に速度がでます
補正 素早さ+5 TP+5 <new>素早さ+30%UP
ジエン
【馬+】 ⇒ 【馬++】
ヘリ並に速度がでます。一時的に
補正 <new>素早さ+5 TP+5
創作日記:物語には緩急が必要だそうです。
今回は緩い回にしてみました。
どうでしょうか?
ずっと緩い回ばかりだった?
3人で……をテーマに今回の話は考えました。
3人で一緒に寝て、3人が遊びに来て、3組で戦って、3人で勝利して、3人で楽しむ(オチ)。
いつもの3人のイスナー? 君が入ったら緩くできないからすまぬ。
え? メアチノの扱いが1人だったり2人だったりしている? 細かい事は気にするな!
これを書いている時が執筆し始めて3ヶ月目になります。
そして物語の時は4ヶ月と15日経ちました。初めての投稿からは3ヶ月と15日目にこれが投稿されます。
だれか俺に速筆の加護をスキルを魔法を授けてくれ~~
はい相変わらずちんたらスピードです。1日4000文字とか書いている人は本当に化け物ですね。あれは天才ですね。
未来日記:また分割しちゃった♪
改稿後は全部で四十話になってそう。
完結時には一章までで五十話になってそう。




