第73話 公爵令嬢様、王城で会った瞬間に今日一日分の言葉を失います
皆さん、こんにちは!!
アルフレッド・シェルザートです。
王城の春の親睦夜会。
当日。
ついに。
当日である。
明日でもない。
あと一日でもない。
今日。
しかも。
もう朝になっている。
目が覚めた瞬間。
俺は、天井を見た。
いつもの天井。
自室。
白い朝の光。
カーテン。
寝台。
枕。
昨夜と何も変わらない。
だが。
今日の夕方。
俺は濃紺の礼装を着る。
リリスは、深い青のドレスを着る。
王城へ向かう。
第一控え廊下で会う。
そして。
第一舞踏。
危ない。
起きて一息目で、すでに踊っている。
戻る。
今日は今日。
いや。
今日なのだが。
まだ朝。
夜会は夕方。
朝食。
昼食。
休息。
身支度。
軽食。
出発。
王城。
一つずつ。
俺は寝台の上で、深く息を吸った。
吐く。
足を床へ。
痛み。
なし。
違和感。
なし。
立つ。
少しだけ眩暈。
いや。
急に起きたからだ。
夜会ではない。
水。
机の上に用意されていたグラスを一口。
一口は一口。
乾杯ではない。
ただの朝の水。
飲む。
落ち着く。
窓へ。
カーテンを開ける。
空は、薄く晴れていた。
雲はある。
だが重くない。
風も強くない。
庭師が庭へ出ている。
使用人たちが、いつもより静かに廊下を行き来している。
馬車の確認。
衣装箱。
予備品。
護衛。
連絡。
屋敷全体は忙しい。
しかし。
誰も慌ててはいない。
昨日までに、ほとんど終わっている。
今日は。
増やさない。
確認しすぎない。
忘れ物を恐れて、必要のないものを持ち込まない。
そして。
楽しむ。
寝間着のまま、少しだけ窓辺へ立つ。
今日。
この日。
ここまで来た。
最初は。
リリスが近すぎる。
ただ、それだけだった。
顔が近い。
腕を掴む。
袖を握る。
泣く。
すぐ呼ぶ。
アル。
そして俺が。
待ってください。
近いです。
それ以上来ないでください。
ツッコミ続けて。
いつの間にか。
距離を測るだけではなくなった。
リリスが、自分で選ぶこと。
俺が、自分を下げないこと。
家族が、見守ること。
兄が、手を離すこと。
父親が、札を使うこと。
友人が、笑ってくれること。
全部。
今日の夜会へつながっている。
だが。
今日を、これまでの成果発表会にしてはいけない。
試験でもない。
完璧にできたら合格。
失敗したら失格。
違う。
幸せな記憶を、持ち帰る日。
そう教わった。
俺は。
それを忘れない。
扉を叩く音。
「若様」
ライズ。
「入ってくれ」
「失礼いたします」
ライズは、いつも通り。
だが。
いつもより、さらに整っている。
従者用の正式な礼装。
髪も。
靴も。
夜会へ同行する者の姿。
「おはようございます」
「おはよう」
「体調を伺っても?」
「はい」
今日は俺が聞かれる。
「痛みなし」
「はい」
「違和感なし」
「はい」
「起床時に軽い眩暈。水を一口飲み、現在はなし」
「受け取りました」
「睡眠は?」
「途中で一度起きた」
「何時頃でしょう」
「分からない」
「時計は?」
「見なかった」
ライズの眉が。
ほんの少し上がった。
「見なかった?」
「はい」
「進歩でございます」
「褒められた後も?」
「朝は続きます」
「はい」
今日も。
変わらないやり取り。
それが少し嬉しい。
「朝食までの予定は?」
「洗顔。着替え。短時間の体調確認のみ」
「礼装は?」
「午後まで触れません」
「靴は?」
「同様でございます」
「持ち物は?」
「すでに揃っております」
「ハンカチは?」
「十分に」
「枚数は?」
ライズが一拍。
「お聞きにならないお約束でございます」
「はい」
危ない。
聞くところだった。
習慣。
「今日は、記録するのか?」
「当然でございます」
「夜会中も?」
「差し支えない範囲で」
「俺ばかり見ないでくれ」
「若様の従者でございますので」
「楽しんでいる時は?」
「邪魔をいたしません」
「はい」
「ただし」
「何だ」
「食事を忘れられた場合は、一度確認いたします」
「はい」
「呼吸が乱れた場合も」
「はい」
「先回りされた場合は」
「止めてくれ」
「承知いたしました」
ライズは一礼する。
今日。
俺一人ではない。
ライズがいる。
父上。
母上。
リリス。
友人。
教師。
王城係。
頼っていい。
「若様」
「何だ」
「楽しみでございますか?」
一拍。
答える。
「はい」
「怖くは?」
「怖い」
「不安は?」
「ある」
「それでも?」
「楽しみだ」
ライズが、ほんの少し微笑んだ。
「受け取りました」
朝食。
食堂。
父上と母上。
二人とも、まだ普段着。
夜会用ではない。
それが安心する。
「おはようございます」
「おはよう、アル」
「おはよう」
席へ。
朝食。
温かいスープ。
パン。
卵。
果物。
普通。
夜会当日でも、朝食は普通。
父上が聞く。
「眠れたか」
「はい。途中で一度」
「時計は?」
「見ませんでした」
「よし」
母上。
「食欲は?」
「あります」
「無理は?」
「していません」
「今日の予定を言える?」
俺は。
予定を全部言いかける。
だが。
「ライズが管理します」
父上と母上が、ほぼ同時に俺を見る。
「俺が覚えているのは」
「はい」
「朝食」
「はい」
「昼食」
「はい」
「休息」
「はい」
「身支度」
「はい」
「軽食」
「はい」
「出発」
「それで十分」
母上が微笑む。
「時刻は、必要な時に教えてもらう」
「はい」
「時計を追わない」
「はい」
父上がスープを一口。
「今日」
「はい」
「王城で何かあった時」
「はい」
「父上と母上だけでなく」
「はい」
「王城係へ頼れ」
「はい」
「家族だけで抱えるな」
「はい」
「特にガロウ公爵が動いた場合」
「王城係へ?」
「セレスティア夫人へ」
「はい」
それが一番早い。
母上が笑う。
「ガロウ公爵の札は、二十四枚から?」
「昨日の夜に二十枚まで減ったそうだ」
「まだ多い」
「本人は、相当努力したらしい」
「はい」
「夜会用の内ポケットへ入る枚数が二十枚だった」
「物理的な理由ですか!?」
俺の声。
朝の食堂に響く。
父上が笑う。
「残りはレオナルド殿が持つ」
「結局二十四枚以上ありますよね!?」
「予備だそうだ」
「札の予備まで」
母上が肩を震わせて笑う。
夜会当日の朝。
なのに。
いつもの公爵。
少し安心する。
母上が俺を見る。
「今日、失敗したら?」
「持ち帰ります」
「何を?」
「失敗した記憶も」
「はい」
「笑えたら、笑います」
「はい」
「まだ笑えなければ?」
「後で話します」
「よろしい」
「帰りたくなったら?」
「伝えます」
「リリス様が帰りたいと?」
「理由を聞きます」
「はい」
「俺が決めません」
「はい」
「でも、危険なら」
「王城係と家族へ」
「よろしい」
最後の確認。
新しいことではない。
もう知っている。
それでも。
言葉にすると。
胸が少し落ち着く。
「アル」
母上が言う。
「今日、最初にリリス様を見たら」
「はい」
「何を言う?」
昨日、リリスにも聞かれた。
その時に。
「その時の俺が」
「はい」
「その時のリリスを見て」
「はい」
「言います」
母上が微笑む。
「よろしい」
父上も。
「決めておかない方がよい言葉もある」
「はい」
「今日の言葉は、今日生まれる」
「はい」
朝食は続く。
夜会の話だけではない。
庭。
領地から届いた報告。
リーマスが、夜会用手袋を昨夜三回確認し、ライズに止められた話。
「リーマスも?」
「若様の手袋が、王城の光を受けるのかと思いますと」
食堂の端。
リーマスが胸元へ手を当てる。
「確認したくなりました」
「三回も?」
「一回目は縫製」
「はい」
「二回目は色」
「はい」
「三回目は感情でございます」
「三回目は確認ではありません」
「はい」
皆が笑う。
夜会当日。
でも。
笑える。
朝食後。
普段着。
午前中は。
何もしない時間。
いや。
何もしないわけではない。
通常の読書。
短い散歩。
休息。
体を整える。
俺は、自室で本を開いた。
読む。
一行。
二行。
三行。
頭へ入らない。
王城。
リリス。
戻る。
本。
もう一度。
同じ行。
やはり入らない。
無理に読むことをやめる。
窓辺へ。
庭を見る。
鳥。
風。
木の葉。
屋敷の者たち。
今日の夜会へ同行しない使用人もいる。
彼らも。
朝から準備を手伝っている。
夕方。
俺たちを送り出す。
夜。
屋敷を守る。
帰りを迎える。
夜会は、王城にいる者だけでできるものではない。
帰れる場所。
待つ人。
支える人。
今日。
その全部がある。
昼食。
少し軽め。
母上の指示。
消化しやすいスープ。
パン。
柔らかな肉。
野菜。
食べる。
食欲はある。
父上と母上も。
会話は少ない。
だが、重くない。
皆。
体を夜へ残している。
「アル」
母上が聞く。
「食べられている?」
「はい」
約束ではないが。
同じ言葉。
「スープ、パン、肉、野菜」
「分かりました」
「母上は?」
「同じ」
「父上は?」
「同じだ」
「分かりました」
評価しない。
家族。
皆で整える。
昼食後。
休息。
自室の寝台。
横になる。
眠らなくてもいい。
目を閉じる。
王城を想像しない。
無理。
浮かぶ。
第一控え廊下。
深い青。
止める。
呼吸。
香り袋。
机の上。
濃紺。
青い薔薇の香り。
一度だけ。
近づける。
温室。
戻る。
自室。
午後。
目を閉じる。
少し。
眠った。
目が覚める。
時間は。
見ない。
扉の外。
ライズがいる。
「若様」
「はい」
「休息終了のお時間でございます」
ちょうど。
時計を見なくても。
来る。
「眠れた」
「何よりでございます」
「どのくらい?」
「四十分ほど」
「十分?」
「はい」
「夜、眠れなくならない?」
「支障のない範囲でございます」
「はい」
入浴。
身支度。
ここから。
本当に。
当日が動き始める。
湯。
香りは弱く。
長く入りすぎない。
体を温める。
肩。
腕。
足。
痛みなし。
浴室を出る。
髪を整える。
爪。
肌。
香り。
ライズと、屋敷の衣装係。
何人もの手。
でも。
騒がしくない。
順番。
淡々と。
俺は座っている。
何もしていないように見える。
だが。
待つ。
呼吸。
体。
これも身支度。
ライズが言う。
「若様」
「何だ」
「緊張は?」
「朝より少し強い」
「呼吸は?」
「問題なし」
「食欲は?」
「今は分からない」
「十六時の軽食で確認いたします」
「はい」
髪を整える。
いつもより、少し後ろへ。
固めすぎない。
顔周り。
襟へかからないように。
鏡。
少しずつ。
普段の俺から。
夜会の俺へ。
言葉の衣装。
服の衣装。
でも中身は同じ。
アルフレッド。
アル。
シェルザート伯爵子息。
全部。
軽食。
まだ礼装前。
小さなパン。
果物。
水。
食べる。
一口。
飲む。
緊張で、少し喉が狭い。
だが。
食べられる。
「若様」
「はい」
「食べられていますか?」
「パン一つ。果物。水」
「今後は?」
「出発前に、もう一口水」
「受け取りました」
母上も。
別室で身支度中。
父上も。
屋敷全体が。
いよいよ。
礼装。
箱が開く。
今朝見た。
だが。
もう一度。
今度は本番。
シャツ。
袖。
濃紺。
肩。
胸。
留め具。
青の刺繍。
手袋。
夜会用靴。
履く。
立つ。
痛みなし。
違和感なし。
ライズが、一つずつ整える。
襟。
袖。
腰。
靴。
髪。
最後。
胸元。
青。
「完成でございます」
鏡。
今朝より。
すべて整っている。
濃紺。
銀。
青。
髪。
靴。
手袋。
俺。
胸が鳴る。
自分ではないような。
でも。
俺。
ライズが、少し下がる。
「若様」
「はい」
「ご確認を」
腕。
上がる。
礼。
歩く。
一歩。
二歩。
靴。
問題なし。
呼吸。
問題なし。
「似合っている」
自分で言う。
今度は。
鏡へ。
「はい」
ライズが答える。
「十分に」
「十分?」
「本日は、完璧と申し上げても信じられますか?」
俺は少し考える。
鏡。
今日の自分。
皆が整えてくれた。
自分で選んだ青。
リリスの隣へ。
「今日は」
「はい」
「少し信じます」
「では」
ライズが胸元へ手を当てる。
「大変よくお似合いでございます」
目元が熱い。
だが、泣かない。
「受け取る」
「はい」
扉。
食堂ではなく。
玄関広間へ。
父上と母上が待っている。
父上は。
黒に近い濃紺。
銀の飾り。
落ち着いた礼装。
母上は。
淡い銀青。
派手ではない。
だが華やか。
美しい。
俺は。
言葉を失う。
「どう?」
母上が聞く。
「綺麗です」
すぐ言えた。
母上の目が潤む。
「ありがとう」
「父上も」
「ついでか?」
「似合っています」
「そうか」
父上が笑う。
二人が俺を見る。
長い。
少し。
居心地が悪い。
「何ですか」
母上の目が。
さらに潤む。
「大きくなったわね」
強い。
今。
夜会。
今日だけではない。
幼い頃。
家。
全部。
「母上」
「はい」
「今日は今日です」
「分かっているわ」
でも。
母上はハンカチ。
父上も。
目元が少し。
「父上も?」
「少しだけだ」
「はい」
リーマスは。
玄関広間の端で。
すでに完全に泣いている。
「若様」
「はい」
「これほどまでに」
「まだ王城へ着いていません」
「承知しております」
「泣きすぎです」
「今日までの日々が」
「振り返りは夜会後です」
「はい」
ライズがハンカチ。
リーマスへ。
使用。
一枚。
「俺の枚数に入れないでくれ」
「感情起因は」
「入りません」
「承知いたしました」
玄関。
使用人たちが並ぶ。
夜会へ同行しない者たち。
料理人。
庭師。
侍女。
従者。
皆。
静かに。
でも。
目が温かい。
「行ってらっしゃいませ」
声が揃う。
胸が熱くなる。
父上が礼。
母上も。
俺も。
「行ってきます」
言う。
この屋敷へ。
帰ってくる。
馬車。
扉。
乗る。
父上。
母上。
俺。
ライズは従者用の位置。
馬車が動く。
屋敷が遠ざかる。
見送る人々。
手は振らない。
でも。
視線。
帰れる場所。
王城への道。
夕方。
町の光が変わり始めている。
道には、他家の馬車。
紋章。
礼装の人々。
同じ方向。
王城。
胸が鳴る。
「アル」
母上。
「はい」
「呼吸」
「問題なし」
「足」
「問題なし」
「食欲」
「今は分かりません」
「それでよいわ」
父上。
「外を見るか」
「はい」
王城へ近づく。
石造りの建物。
高い塔。
夕方の光。
旗。
門。
王城は。
何度か来たことがある。
だが。
夜会の王城は違う。
馬車が連なる。
門には灯り。
王城係。
護衛。
音楽はまだ遠い。
でも聞こえる。
弦。
低い。
空気。
夜が始まる前の王城。
馬車が止まる。
王城係の声。
「シェルザート伯爵家、ご到着でございます」
来た。
扉が開く。
父上が先。
母上。
俺。
足を地面へ。
夜会用靴。
問題なし。
立つ。
王城の石。
冷たい空気。
灯り。
人。
視線。
胸が鳴る。
だが。
立てる。
ライズが近く。
父上。
母上。
俺たちは。
受付へ。
列。
進む。
止まる。
昨日までの練習。
今日。
本番。
前の家。
挨拶。
待つ。
後ろの馬車。
声。
だが。
焦らない。
父上の背。
母上。
俺。
同じ列。
王城係。
「シェルザート伯爵閣下」
「はい」
「ご家族の確認を」
名。
招待状。
礼。
問題なし。
控え廊下へ。
歩く。
王城の中。
高い天井。
壁の灯り。
絵画。
磨かれた床。
足音が響く。
俺の靴。
大丈夫。
胸の青。
触れない。
まだ必要ない。
第一控え廊下。
十八時十五分。
予定通り。
いや。
時間はライズに任せていた。
でも。
王城係が言う。
「こちらで、フルーラ公爵家との合流をお待ちください」
来た。
待つ。
家族。
壁際。
椅子。
でも立つ。
足。
問題なし。
水。
一口。
母上が聞く。
「食べられそう?」
「今は、まだ」
「分かりました」
「王城へ着いたら、最初の軽食を」
「大広間へ入ってからね」
「はい」
人々が通る。
知らない貴族。
知っている顔。
礼。
呼称。
父上が挨拶。
母上。
俺も。
短く。
会話。
続く。
でも。
俺の視線は。
廊下の向こうへ行きたがる。
フルーラ公爵家。
まだ。
待つ。
父上が小さく言う。
「見続けるな」
「はい」
視線を戻す。
母上が。
別の夫人と話す。
俺も。
話を聞く。
自分の夜会。
まだ大広間ではない。
でも始まっている。
やがて。
廊下の向こう。
王城係の声。
「フルーラ公爵家、ご到着でございます」
胸が。
止まる。
いや。
強く鳴る。
灯りの向こう。
最初に。
ガロウ公爵。
正式な礼装。
大きい。
胸元。
少し膨らんでいる。
札。
たぶん。
隣。
セレスティア夫人。
深い青より少し淡い、上品なドレス。
美しい。
レオナルド先輩。
濃い青灰。
落ち着いた礼装。
そして。
その間から。
リリスが。
来た。
深い青。
最初に。
色が見えた。
夜の海。
青い空。
王城の灯りを受けても、派手に光らない。
深く。
柔らかく。
裾。
布が歩くたびに揺れる。
肩。
胸元。
飾りは控えめ。
銀。
そして。
髪。
少し上げた金の髪。
左側。
青い薔薇。
一輪。
銀を減らし。
青い花弁を一枚増やした。
リリスが。
自分で選んだ花。
顔。
少し緊張。
目。
俺を探している。
見つける。
止まる。
ほんの一瞬。
俺も。
言葉が。
ない。
何を言うか。
決めていなかった。
今日の俺が。
今日のリリスを見て。
その時に。
でも。
何も出ない。
綺麗。
似合う。
深い青。
全部。
小さい。
足りない。
リリスも。
俺を見ている。
濃紺。
青。
俺の礼装。
彼女の口も。
少し開く。
でも。
声がない。
廊下。
王城。
家族。
人々。
皆。
見ている。
沈黙。
長い。
ガロウ公爵の目が。
一気に潤む。
札へ手が。
セレスティア夫人が先に一枚。
『二人の言葉を待つ』
公爵の手が止まる。
レオナルド先輩も。
何も言わない。
父上。
母上。
ライズ。
ミラ。
皆。
待つ。
俺は。
呼吸。
一拍。
リリスを見る。
深い青。
青い薔薇。
泣きそうな目。
でも。
笑っている。
今日。
自分で似合うと言えた。
その姿。
「リリス」
公的な場。
周囲。
だが。
今は家族だけに近い。
それでも。
呼び方は。
「アマリリス様」
言葉に礼装。
リリスの目が。
潤む。
「はい」
声。
リリス。
「……とても」
言葉が。
また止まる。
綺麗。
それだけでは。
でも。
それでいい。
今の俺が言える。
「とても、綺麗です」
言った。
短い。
普通。
でも。
本当。
リリスの涙が。
一気に落ちた。
笑顔が。
広がる。
「ありがとうございます」
一拍。
彼女が俺を見る。
濃紺。
胸元の青。
靴。
髪。
全部。
「アルフレッド様」
「はい」
「とても」
リリスも。
言葉が止まる。
俺は待つ。
家族も。
「とても、お似合いです」
胸が。
熱い。
「ありがとうございます」
「本当に」
「はい」
「私の隣へ」
リリスの声が震える。
「はい」
「立ってくださる方に見えます」
強い。
俺の目元が熱くなる。
「受け取ります」
リリスの涙が増える。
俺も。
ハンカチ。
ライズが差し出す。
俺が受け取る。
リリスへ。
だが。
公的な場。
手を伸ばしすぎない。
ミラが先に。
リリスへ。
俺は。
自分の目元。
一枚。
使う。
ガロウ公爵は。
完全に泣いている。
セレスティア夫人の札。
『まだ挨拶前』
公爵が立っている。
抱きしめない。
動かない。
だが。
涙。
レオナルド先輩も。
少しだけ目元を逸らす。
母上はハンカチ。
父上も。
少し。
第一控え廊下。
夜会。
まだ入場前。
なのに。
全員。
すでにかなり泣いている。
ライズが。
小声で。
「記録を開始いたしました」
「今言わないでくれ」
俺のツッコミ。
家族の間に。
小さな笑い。
リリスも。
泣きながら笑う。
「アルフレッド様」
「はい」
「今日も」
「はい」
「ツッコミが追いついています」
「今のところは」
また笑い。
緊張が。
少しほどける。
ガロウ公爵が。
俺へ向く。
「アルフレッド殿」
「はい」
声。
震えている。
「似合っている」
「ありがとうございます」
「リリスの隣へ」
一拍。
「よく」
言葉が詰まる。
セレスティア夫人が。
夫の腕へ。
軽く触れる。
支点。
「よく、来てくれた」
胸が熱くなる。
公爵。
娘の婚約者。
今日。
王城。
「こちらこそ」
俺は礼。
「アマリリス様の隣へ立つ機会をいただき、ありがとうございます」
ガロウ公爵の涙が。
さらに増える。
札。
自分で取り出す。
『第一控え廊下で結婚式まで行かない』
必要。
かなり。
「公爵閣下」
「はい」
「今日は夜会です」
「分かっている」
「まだ入場前です」
「分かっている」
「結婚式ではありません」
「札にある」
「なら大丈夫です」
周囲の家族が笑う。
通りかかった貴族たちも。
事情は分からないが。
少し笑っている。
温かい。
王城係が近づく。
「フルーラ公爵家、シェルザート伯爵家の皆さま」
「はい」
「間もなく、王族へのご挨拶列へご案内いたします」
来た。
夜会。
本当の。
挨拶列。
家族が整う。
涙を拭く。
姿勢。
呼吸。
リリスも。
ミラが目元を整える。
化粧。
問題なし。
俺も。
ライズが襟。
胸。
手袋。
問題なし。
王城係が言う。
「公爵家を先に」
家格。
順番。
リリスが。
俺より前へ。
一歩。
二歩。
昨日の練習。
離れる。
でも。
同じ列。
リリスが。
一度だけ。
振り返る。
目が合う。
頷く。
俺も。
声はかけない。
戻る合図も。
使わない。
大丈夫。
列が進む。
ガロウ公爵。
セレスティア夫人。
リリス。
レオナルド先輩。
少し間。
父上。
母上。
俺。
前。
後ろ。
でも。
同じ方向。
廊下の先。
大きな扉。
その向こう。
王族。
大広間。
音楽。
灯り。
人々。
列。
止まる。
進む。
また止まる。
俺の胸。
鳴る。
呼吸。
足。
問題なし。
後ろ。
見ない。
ライズは近く。
母上。
父上。
前に。
リリス。
見える。
深い青。
大丈夫。
王城係の声。
「次、フルーラ公爵家」
リリスたちが進む。
王族の前へ。
俺は。
少し離れた位置。
見守る。
ガロウ公爵。
礼。
セレスティア夫人。
リリス。
レオナルド先輩。
名。
挨拶。
声は聞こえにくい。
だが。
リリス。
言えている。
背筋。
深い青。
王妃殿下が。
何か言う。
リリスの目が。
潤む。
危ない。
でも。
泣かない。
一拍。
答える。
会話。
続く。
王妃殿下が微笑む。
王が頷く。
ガロウ公爵が。
横で泣きそう。
札へ。
セレスティア夫人が。
視線だけ。
公爵が止まる。
フルーラ家の挨拶。
終わる。
脇へ。
次。
「シェルザート伯爵家」
父上。
母上。
俺。
一歩。
王族の前へ。
胸が。
強く鳴る。
灯り。
玉座ではない。
夜会用の挨拶位置。
王。
王妃。
王太子。
王女。
視線。
周囲。
でも。
俺は。
礼。
「お招きいただき、光栄に存じます」
声。
出た。
急いでいない。
王が父上へ。
短い会話。
母上へ。
そして。
俺。
「アルフレッド・シェルザート」
「はい」
「本日の夜会を楽しみにしていたと聞いている」
誰から。
教師?
王城係?
家族?
分からない。
でも。
答える。
「はい。緊張もございますが、家族や友人と同じ場を過ごせることを、楽しみにしております」
王が微笑む。
「よい」
「ありがとうございます」
王妃殿下が。
俺の胸元の青へ。
「その刺繍は」
「はい」
「婚約者のドレスと合わせたものかしら」
胸が鳴る。
「はい。家族と相談し、選びました」
「ご自分でも?」
「はい。青の位置を、指一本分下げるよう希望いたしました」
「なぜ?」
周囲。
王族。
聞かれている。
戻る合図。
個人的すぎる?
答える範囲。
「大切な場で、自分を戻すための目印として」
王妃殿下の表情が。
柔らかくなる。
「素敵ね」
胸が熱い。
一拍。
「ありがとうございます」
「婚約者の方も、ご自分で髪飾りを選ばれたそうね」
「はい」
「互いに選んだ色で、並ばれるのね」
「はい」
強い。
でも。
会話は続く。
「どうか、楽しんで」
「ありがとうございます」
礼。
終わる。
脇へ。
息を吐く。
母上が、少しだけ見る。
頷く。
父上も。
リリスが。
離れた位置。
こちらを見る。
目が合う。
微笑む。
俺も。
合図は。
使わない。
必要ない。
列を抜ける。
次。
大広間への入場待ち。
王城係が、家族を再びまとめる。
フルーラ家。
シェルザート家。
友人たち。
ユリウス。
エレナ嬢。
ニール。
それぞれ。
礼装。
ドレス。
普段と違う。
でも。
顔は同じ。
「アルフレッド」
ユリウスが。
公的な場だが。
親しい者。
「はい」
「似合ってる」
「ありがとうございます」
「自分でも?」
「思っています」
「強い」
「今日は言います」
エレナ嬢が。
リリスへ。
「アマリリス様」
「はい」
「とても美しいですわ」
「ありがとうございます」
リリスが。
一拍。
「自分でも、似合っていると思えました」
エレナ嬢の目が潤む。
「本当に」
「はい」
「素敵です」
「ありがとうございます」
ニール。
礼装。
少し緊張。
「シェルザート君」
「はい」
「僕、もう帰りたいくらい緊張しています」
「休めば戻れそうですか?」
「たぶん」
「なら、水を」
「はい」
エレナ嬢が水。
ユリウスが。
「鈴、鳴らす?」
「持ってきていませんよね」
「今日は持ってない」
「はい」
皆が少し笑う。
クラリス嬢の糸輪。
控え鞄。
見えない。
でもある。
同じ夜。
王城係の声。
「まもなく、大広間へご案内いたします」
扉。
大きい。
向こうから。
音楽。
人の声。
光。
夜会。
来た。
リリスが。
ほんの少し。
息を吸う。
俺も。
家族。
友人。
皆。
扉が。
ゆっくり開く。
光。
大広間。
高い天井。
無数の灯り。
磨かれた床。
音楽。
貴族たち。
ドレス。
礼装。
色。
声。
王城の夜。
リリスが。
深い青で。
その光の中へ。
一歩。
俺も。
濃紺で。
一歩。
同じ場。
でも。
まだ隣ではない。
家族順。
列。
進む。
群衆の視線。
少し。
こちらへ。
「フルーラ公爵令嬢」
「深い青」
「美しい」
「髪飾りは青い薔薇?」
「婚約者の礼装も」
「色を合わせているのね」
声。
全部は聞かない。
盗み聞きしない。
でも。
好意的な空気。
リリスの目が潤む。
一拍。
歩く。
止まらない。
ガロウ公爵は。
横で。
札。
『群衆の声を全部拾わない』
自分で見ている。
偉い。
俺たちは。
指定された位置へ。
家族が一度分かれる。
友人。
王城係。
そして。
ようやく。
俺とリリスが。
同じ位置へ案内される。
「シェルザート伯爵子息」
「はい」
「フルーラ公爵令嬢」
「はい」
「第一舞踏まで、こちらでお待ちください」
来た。
第一舞踏。
まだ。
少し時間。
壁際。
高い机。
水。
軽食。
約束。
最初の軽食。
俺は。
リリスだけを見て忘れそうになる。
ライズの視線。
分かる。
「アマリリス様」
「はい」
「何か召し上がれましたか?」
「まだです」
「俺もです」
「一緒に?」
「はい」
軽食台。
歩く。
俺はパン。
小さな肉。
水。
リリスは果物。
小さなパン。
花の果実水。
違うグラス。
同じ机。
以前の練習。
本番。
「アマリリス様」
「はい」
「食べられていますか?」
「はい。果物とパン」
「分かりました」
「アルフレッド様は?」
「パンと肉」
「分かりました」
評価しない。
食べる。
一口。
飲む。
リリスも。
群衆。
音楽。
王城。
でも。
食べられる。
リリスが。
小さく笑う。
「アルフレッド様」
「はい」
「違うグラスです」
「はい」
「同じ夜会です」
「はい」
「本当に」
「はい」
「来ました」
目が潤む。
「はい」
「一口分だけではありません」
「今日は、一晩分です」
「はい」
涙が。
一粒。
でも。
グラスを置く。
先に。
「置けました」
「はい」
「泣いてよいですか?」
「少しなら」
「評価では?」
「分かりました」
言い直す。
リリスが笑う。
ミラがハンカチ。
ガロウ公爵が。
少し離れた場所から。
こちらを見ている。
札。
『食べている時は見守るだけ』
使っている。
セレスティア夫人が夫へ。
水を渡す。
公爵も一口。
食べる。
偉い。
レオナルド先輩は。
友人と話している。
でも。
たまに。
こちらを見る。
見続けない。
皆。
自分の夜会。
音楽が。
少し変わる。
第一舞踏の準備。
王城係が。
中央を整える。
踊る組。
王族。
上位貴族。
婚約者。
順番。
俺たち。
呼ばれる。
「アルフレッド・シェルザート様」
「はい」
「アマリリス・フルーラ様」
「はい」
「第一舞踏のご準備を」
胸が。
強く。
鳴る。
リリスの呼吸も。
少し浅い。
俺は。
声をかける。
「アマリリス様」
「はい」
「痛みは?」
「ありません」
「違和感は?」
「ありません」
「気分は?」
「緊張しています」
「俺もです」
「はい」
「戻る合図は?」
「必要なら」
「はい」
「今は?」
リリスが考える。
「必要ありません」
「俺も」
「はい」
俺は。
手を差し出す。
公的な距離。
リリスが。
自分で。
手を重ねる。
必要な分だけ。
でも。
今日は。
舞踏のため。
中央へ。
一歩。
二歩。
三歩。
深い青。
濃紺。
床。
灯り。
群衆。
音楽。
視線。
父上。
母上。
ガロウ公爵。
セレスティア夫人。
レオナルド先輩。
ユリウス。
エレナ嬢。
ニール。
教師。
王族。
皆。
見ている。
でも。
俺が見るのは。
リリス。
だけではない。
自分の足。
周囲。
音楽。
でも中心は。
彼女。
リリスが。
俺を見る。
「アルフレッド様」
「はい」
「今」
「はい」
「近づいてもよいですか?」
聞いた。
第一舞踏。
正式な距離。
必要な位置。
「はい」
俺は答える。
「舞踏の距離まで」
「はい」
「俺からも」
リリスの目が。
大きくなる。
「半歩」
「はい」
俺も。
半歩。
リリスも。
半歩。
舞踏の位置。
手。
肩。
腰。
近い。
でも。
許された。
互いに。
音楽。
最初の音。
一拍。
踏み出す。
第一歩。
右。
左。
呼吸。
リリス。
動く。
深い青の裾。
俺の濃紺。
回る。
灯り。
群衆。
音楽。
俺たちは。
踊っている。
王城で。
本当に。
練習ではない。
第一舞踏。
リリスの目が。
潤む。
「まだ泣かないでください」
俺が小さく言う。
「努力します」
「グラスは持っていません」
「はい」
「でも、足元」
「見ています」
「俺も」
リリスが。
少し笑う。
動き。
次。
回る。
俺の足。
リリスの裾。
問題なし。
戻る。
音楽。
一曲。
一曲は一曲。
結婚式ではない。
一生ではない。
でも。
大切。
リリスが。
小さく言う。
「アルフレッド様」
「はい」
「幸せです」
胸が。
熱くなる。
でも。
足。
止めない。
会話は。
踊りは。
続く。
「俺もです」
言う。
短い。
でも。
本当。
リリスの涙が。
一粒。
頬へ。
それでも。
踊る。
笑う。
群衆の中。
誰かが。
息を呑む。
温かな声。
「綺麗」
「お似合い」
「よい舞踏ね」
聞こえる。
でも。
全部は拾わない。
リリスの足。
一瞬。
少しずれる。
俺の靴へ。
軽く。
触れる。
踏んだ。
ほんの少し。
リリスの顔が。
青くなる。
「ごめんなさい」
「痛くありません」
「でも」
「一曲は続きます」
リリスが。
泣きながら笑う。
「はい」
戻る。
足。
次。
成功。
世界は。
終わらない。
ガロウ公爵が。
中央へ出そうに。
一歩。
札。
レオナルド先輩が。
公爵の腕へ。
『第一舞踏へ入らない』
公爵が止まる。
周囲が。
少し笑う。
俺も。
それが見える。
「お父様」
リリスが小さく。
「止まりました」
「はい」
「成長しています」
「はい」
俺たちは。
踊る。
最後の旋律。
回る。
止まる。
礼。
一曲。
終わった。
沈黙。
ほんの一瞬。
そして。
拍手。
大広間。
大きな。
温かな。
拍手。
王族。
家族。
友人。
貴族たち。
皆。
俺たちへ。
完璧ではなかった。
少し足が触れた。
リリスは泣いた。
俺も、言葉が少し遅れた。
でも。
踊り切った。
拍手。
リリスの涙が。
さらに増える。
俺も。
目元が熱い。
だが。
まだ。
夜会は始まったばかり。
俺は。
小さく言う。
「褒められた後も」
リリスが。
泣きながら。
「夜会は続きます」
俺たちは。
同時に笑う。
再び。
礼。
拍手の中。
大広間の端へ。
家族。
友人。
皆が待つ。
ガロウ公爵は。
完全に泣いている。
札を。
何枚も握っている。
セレスティア夫人も。
母上も。
父上も。
レオナルド先輩も。
ユリウスは。
大きく拍手。
エレナ嬢は。
目元を押さえる。
ニールも。
泣いている。
俺たちが戻る。
ガロウ公爵が。
言う。
「リリス」
「はい」
「幸せか」
リリスが。
泣きながら。
はっきり。
「はい」
ガロウ公爵の涙。
さらに。
「とても、幸せです」
公爵が。
立っている。
抱きしめない。
飛び出さない。
ただ。
頷く。
「そうか」
短い。
でも。
全部。
セレスティア夫人が。
夫の手へ。
自分の手を重ねる。
レオナルド先輩が。
俺へ。
「よく踊った」
「ありがとうございます」
「足は?」
「痛くありません」
「リリス」
「はい」
「踏んだか」
「少し」
「アルフレッドは?」
「大丈夫です」
「ならよい」
責めない。
笑う。
ユリウスが。
「三十秒の大恋愛より長かったね」
「一曲です」
「一曲の大恋愛」
「やめてください」
皆が笑う。
リリスも。
泣きながら。
エレナ嬢が水。
「お二人とも」
「はい」
「まず、お水を」
「はい」
水の橋。
受け取る。
一口。
リリスも。
ガロウ公爵も。
父上。
母上。
皆。
一息。
夜会。
始まった。
まだ。
第一舞踏。
これから。
会話。
軽食。
第二舞踏。
庭園。
家族。
友人。
予定外。
きっと。
でも。
今。
幸せな記憶が。
一つ。
できた。
深い青。
濃紺。
足を少し踏まれた。
泣いた。
笑った。
踊り切った。
拍手。
リリスの。
『幸せです』
俺は。
胸元の青へ。
触れない。
今は。
戻る必要がない。
ここにいる。
リリスも。
隣。
家族。
友人。
皆。
いる。
俺は。
心の中で。
深く息を吸う。
そして。
今日も。
いや。
今夜も。
心の底から叫んだ。
公爵令嬢様!!
深い青のドレス、本当に、本当に綺麗です!!
少しくらい俺の足を踏んでも、第一舞踏は終わりませんでした!!
そして――
俺も、今、とても幸せです!!
あと、お父様!!
第一舞踏へ飛び込まずに止まれたのは偉いですが、札を一度に七枚握る必要はありません!!
夜会は!!
まだ!!
始まったばかりです!!




