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78 *R15

 村娘は攫われた挙句暴力を振るわれると言う理不尽に、泣き喚きたくなるが、喚けばまた硬い拳で口元を殴られるだけだと目を見えている。

 涙目になりながらも声を抑えて、上目遣いでツグミが何をしてくるのかを恐る恐る伺っていた。


 ツグミは、そんな村娘の涙目に興味を持った。


「それじゃあ、まずはその綺麗な目を貰いますね〜!」


「め……?」


 村娘がその言葉の意味に気付く前に、ツグミが人差し指を村娘の片目に突き入れた。


 村娘の口からは悲痛な叫び声が上がるが、ツグミは気にも留めずに人差し指を動かす事に集中している。


 少しして、村娘の顔から瑞々しい球体が零れ落ちた。

 それをツグミが反対の手で受け止める。


「ほうほう、これが眼球ですか! ちょっと血で汚いけど、洗ったら綺麗になるかな〜?」


 ツグミは相も変わらず楽しそうに、水で洗い流して綺麗になった眼球を観察している。


「あ……ぁ……」


 一方で呻き声を上げる村娘の顔は、片目がポッカリと虚ろになって薄暗い眼窩を晒しており、苦痛で歪んでいた。


「目が痛いんですか? どんな風に見えるんですか!?」


「痛いよぉ……見えないよぉ……」


「まぁそうですよね〜! じゃあ目の次は、その真っ白な歯を貰いますね〜!」


 その後ツグミは、問答無用でベンチで残っていた歯を全部引っこ抜いた。

 歯の硬さや上手く喋れない村娘の反応を楽しんでいる。

 

 ……そういえば、歯は凄い硬いとか歯が無いと上手く喋れなくなるとか、そんな事を教えてたなぁ。

 それを自身の目で確認しているのだろう。


「う〜ん、加虐心がそそられる可愛らしい叫び声だったんですけど、歯を抜いたら少し微妙になっちゃいましたね〜」


「ほめんなひゃい……ほめんなひゃい……」


 村娘は必死に謝ろうとするが、歯が無いので上手く喋れないし、口を開く度に血が溢れる始末だ。


 それを見てツグミは何やら一人で考え込んでいる。

 暫くすると意を決したように頷き、村娘に猿轡を噛ませ、服を脱がせた。


 村娘は裸体が顕になるが、何をされるか分からない未知の恐怖で一杯で、恥ずかしがる余裕は無い。

 ツグミはそんな村娘の恐怖を煽るように、短剣を持って言う。


「綺麗な胸ですね〜! ずっとこの中がどうなっているのか、凄い気になって居たんですよ!」


 ツグミは短剣で、村娘の胸を切り落とした。

 そのまま好奇心の赴くままに、村娘の身体を切り開いて体内の構造を観察する。


「この黄色いのは脂肪だね! 赤いのが……筋肉だ!」


 村娘は最初は、猿轡越しに血眼になって叫んでいた。

 だが、次々と身体を切り開かれて行く内に声量が徐々に弱まって、やがては叫ぶ事も、呼吸をする事もしなくなった。


「お父さんは何事も勉強だと、自身の目で見て学ぶ事が大事だと言ってました! まだまだ調べさせて下さいね〜!」


 ツグミは息をしない村娘に声をかけ続ける。


 普通の感性を持つ者がこの光景を見れば、余りの凄惨さに吐き出して、トラウマになる者もいるだろう。

 だが、この空間に普通の感性を持つ者は居ない。


 僕らは、暖かい目でそんなツグミの様子を見守っているのだった。



――――――――――――――――――――



「お父さんありがとう! 楽しかった〜!」


「それは良かった。何が一番楽しかった?」


「脳と目だね! 脳は複雑そうで、調べ甲斐がありそう! 目は凄い綺麗だった、ほら!」


 ツグミが差し出した掌の上には、あの時くり抜いた瑞々しい眼球が置かれてある。

 どうやらこれが気に入ったらしい。


「そうかそうか。これからも定期的に、ナダールに人間を取り寄せて貰うとしよう」


「ホント!? お父さん大好き!」


 ツグミが返り血を浴びた状態で僕に抱き着いてくる。

 僕の服が汚くなるが……まぁ今はご機嫌だし、指摘するのは明日でいいかな。


 とりあえず、今は死体の処理をしなければ。

 ツグミの足元には、頭が割れて脳漿を垂れ流し、四肢は切り落とされ、胸も眼球も女性器も残っていない、中々に悲惨な骸が転がっている。


 リンに持たせていた通信の魔法具を受け取り、起動する。

 相手は職務室に居るであろうフランコだ。

 

「フランコ、第六研究室に死体があるから、奴隷を何人か送って回収と埋葬をさせておいて」


『分かりました、今すぐ何人か動かします』


 奴隷の管理はフランコにやらせているので、こういうのもフランコに頼めば何とかしてくれる。

 フランコは事務に関しては、非常に優秀で有難い限りだ。戦力としては少し頼りないけど。


「よし、それじゃあツグミは、適当な部屋で身体を綺麗にして来なさい」


「分かった! 行ってくる〜!」


 ツグミは結局最後まで僕の服を汚した事を気付かずに、部屋の外へと駆け出して行った。

 終始ずっと元気だったなぁ。




 ツグミが退室したのを見届けたら、ツグミの今後の処遇についてリン、ツバキと三人で話し合う。


「まだ言動に問題はあるけど、人間を与えておけばそのうち落ち着くよね。子育ては続行かなぁ」


 やはり言動に問題はあったが、今後の研究の際にその行動力や好奇心は頼もしい。


「そうですね。ご主人様への忠誠心もあるので、適度に人間を与えておけば暴走する事は無いと思います」


「うんうん、本当に三人とも良い子に育ってくれて嬉しいよ。ホムンクルスも次の段階に行くかぁ」

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