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 無事に受精卵を取り出せた。


 研究室には三つの大きな透明な筒が置かれており、その中にホムンクルスが一人ずつ入っている。

 今は子供くらいの大きさまで成長した。


 だが、まだ出さない。

 子供だと警戒はされにくいが、森の近くに居れば心配の目を寄せられるし、自由に動ける範囲も狭い。

 それに身体能力にも不安がある。


 今欲しいのは、即戦力になる人材だ。

 悠長に十数年掛けて育てられる程暇でも無いので、筒の中で成人する位まで成長させてみる事にした。


「このペースだと後一ヶ月位で取り出せるかなぁ」


「なぁマークス、ホムンクルスにはどちらの脳改造を施すんだ?」


 どちらの、とはレナート教授のやっていたような感情を無くしてゴーレムのようにする脳改造か、僕らが新しく編み出した忠誠心を植え付ける脳改造か。

 ツバキはその二択を聞いているのだろう。


 僕らはレナート教授のように、単純な労働力の確保が目的では無い。

 人と接する機会もあるかもしれないし、後者だ。と言いたい所だが……。


「いいや、今の所逃げないように指輪で行動は多少縛るけど、脳改造を施すつもりは無いよ。調べたり試したい事が色々とあるからね」


「ふむ、詳しく聞いていいか?」


「いいよ、それはね――」



 今回やりたい事は、大きく分けて二つある。


 一つ目は、ホムンクルスに関する情報収集。


 ホムンクルスの作成は出来るが、情報が足りてない。

 生まれて数ヶ月でそれなりのコミュニケーションを取れるようになる、というレナート教授が育てていた一人の事例しか分かっていないのだ。


 これを機に、ホムンクルスによって能力の差はあるのか、遺伝の影響は出るのか、素質はあるのか等々、情報を徹底的に集める。

 上手く行けば、今後より優秀なホムンクルスを生み出したい際に活かせるだろう。



 二つ目は、教育について。


 生まれたばかりのホムンクルスは脳が空っぽなので、色々教える事で知識を頭に入れてやらねばならない。

 その際に常識や倫理も教える事になるのだが、僕の手駒にマトモな倫理観を持った者は要らない。


 教育に勝る洗脳は無いと聞く。

 上手く教育してやれば、指輪の契約や脳改造を施さずとも、忠誠心を植え付ける事が出来るかもしれない。


 知識や感情を持ちつつも非人道的な事が出来る、リンやツバキのような理想的な手駒が生み出せるのでは無いか?


 僕はそう考えた訳だ。

 要は倫理観を歪めた教育――洗脳教育だ。


 代替は利くので、失敗したら脳改造を施して軌道修正したり、最悪処分すれば良いだけの話だ。



「――と言う訳だ」


 僕の考えを伝えれば、ツバキは上機嫌に頷く。


「成程成程、洗脳教育は面白そうだな。指輪も脳改造も不要となれば、相当便利な手駒になるぞ」


 そう、出来るようになれば相当便利なのだ。


 指輪の場合は、指輪が外れたり魔法が誰かの手によって解除されたりする可能性もある。

 白銀の乙女とエルナのように監視を付けたり、ナダールのように反逆心を強くさせないようにしたりと、かなり警戒する必要がある。


 脳改造の場合は、フリスク公のように素質で見抜かれる可能性もあるし、生物学の学者が調べれば脳の構造に違和感を持つかもしれない。


 そう考えると、洗脳教育はほぼ完璧だ。


「だけどさ、洗脳教育って言っても、具体的には何をやれば良いんだ?」


 ツバキがご尤もな疑問を呈する。


「やる事は至って単純だよ」


 ツバキに教師のように、色々と説明をしてやる。


 最初に見た相手を親と認識する動物の刷り込みのように、空っぽの頭に歪んだ倫理観や思想を『常識』として教えて、徹底的に刷り込んで行く。


 その後にマトモな倫理観を持った人間社会――外の世界を『非常識』として教え、その非常識な世界で生きていけるような嘘、演技、話術を教えてやる。


 本来は世間が常識で僕らが非常識な訳だが、それを逆にするのだ。


 他にも僕に絶対服従、不老不死を目指す、命を賭して僕の身を守る……等々細かい事も教えて行く。


 ここは鉱脈という閉鎖空間なので、外部との接触も無い。


 どうなるかはやってみないと分からないが、幼いリンで似たような事をして来たので、成功率は高いと見ている。


「なるほど……。面白そうではあるな」


「僕らは偶に仕事をしないといけないから、一番ホムンクルスと接するのはツバキだ。宜しく頼むよ」


「分かった、頑張ってみよう!」


 ツバキの熱意に満ちた返答。

 興味を持って貰えたようで何よりだ。


 やはりツバキには、人間に関わる研究が似合う。


「まぁでも、心臓移植で躓く可能性もあるし、今すぐ始める訳じゃないからね。まずは『ある物』の開発を進めるよ」


「あぁ、分かっている」

戯言。


実は書く前に大体の流れ(プロット)は用意してたんですけど、書いてるうちに違う方向に進んだので、この辺で完全にプロットが崩壊してます。

いざ書いてみると凄い難しいんですよね。


なので、良く言えばアドリブ、悪く言えば無計画に、書き進めて居ます。

今後その所為でキャラ被り等の失敗が多々ありますが、多めに見て頂ければ幸いです。


次作を作る予定はあるので、その時に失敗を活かしてしっかり改善しようと思います。

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