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 ―――スミア王国


 大国であるパーテェ王国に隣接する小国で、昔から永くパーチェ王国と友好関係を築いている。 


 海にも面しており、広大な森もある。

 お陰で漁業や林業が盛んだ。


 国の統治に関しては、三つの公爵家がありそれぞれの公爵家の代表が領主として治める領地がある。

 また三つの公爵家から一人が貴族全体の代表として国王となり、国全体と王都を治めつつ外交を行う。


 王族というものは特には無いらしい。

 三つの領地と王都で成り立っている、立憲君主制の王国と言った所か。



 また先程述べた広大な森は「大密林」と呼ばれており、そこには魔物が多く出現する。

 間引きはしっかりと出来ているが、それに一杯一杯であまり開拓は進んでいないらしい。


 ただ開拓をすれば、様々な発見があるとされている。



 そして各都市に秩序を守る憲兵は居るものの、しっかりとした軍隊は存在しない。

 何故なら戦争する相手が居ないからである。


 海や森に面しては居るものの資源が豊富にある訳では無く、パーチェ王国にも守られているので、わざわざ大国を敵に回してまで狙おうとする国は居ない。


 現れてもせいぜい盗賊や海賊等で、武官や憲兵で対処している。




 ――とまぁ、これが図書館で色々とスミア王国について調べた事なのだが、正直小国を舐めていた。

 政治体制はパーチェ王国よりもマトモそうだが、人材や資源、軍事力に余裕が無い。


 足りない部分はパーチェ王国との交易で補っているものの、パーチェ王国に見捨てられたらかなり窮地に陥る。

 産業もパーチェ王国が積極的に交易してくれるからこそ、栄えているのだ。


 幸いにもスミア王国の国王がパーチェ王国の王族と政略結婚しているので、理由も無く見捨てられる事は無いと思うが、パーチェ王国の上層部は腐敗しきっていると聞く。

 土台にするには些か不安定に思える。


 もしもの時は大密林の開拓をして、起死回生の一手を見つけると言った所か?

 そんな事にはならないよう願うばかりだ。



「なぁマークス、スミア王国で土台を作るにしても、その『土台』とはどう言ったものになるんだ? まさか国王になるとか言い出さないだろうな」


 リンやツバキにもスミア王国について調べさせて、今後の動きについての戦略を練って貰っている。


「国王は目立つし暗殺されそうだからやらないけど、好き勝手出来るようにはしたいね。上層部や貴族しか知らない情報も沢山ある筈だ。その情報や金、実験台にする人間、手駒を楽に手に入るようにしたい。後は仕事を誰かに押し付けるとかかな」


 自分で言うのもあれだが、大分強欲だなぁ。


「ふぅむ……。細かい所は行ってみないと分からんが、小国だから人が少なく、その分目立つぞ。土台作りに指輪や脳改造を使うんだろうが、悟られずに出来るのか?」


「そこなんだよねぇ」


 ある程度の地位は欲しいが、真面目に働いて成果を上げて昇進しようとすると、どれ程時間が掛かるか分かったものでは無い。


 その為指輪や脳改造を軸に動くつもりだが、その存在を知られると不味いことになる。国が敵になるだろう。

 最悪逃げれば良いが、流石に国を敵に回すような真似はしたくない。


 無能が居れば、上手いこと扇動して目立つ囮になってもらう予定だが、そもそも無能が居るのかも分からない。

 現地に行って情報を集めつつ、臨機応変に動くしかないな……。




「なぁマークス、リンをBランクに上げなくて良いのか? 周りから一目置かれるような実績になるぞ?」


「上げなくて良いよ、リンはあまり目立つのが好きじゃないからね」


「そうか、もうやり残したことは無いな?」


「大丈夫だよ、父さん」


「分かった、三人ともこの馬車に乗れ」


 この村でやれる事はやり切った。

 洞窟に研究の痕跡は残さないようにし、人に見せれないような道具はナダールに運ばせている。


 今僕の持つ手駒はリンとツバキ、ナダールに白銀の乙女だ。

 白銀の乙女は一足先にスミア王国へ拠点を移し、ナダールは気配を殺して、頑張って荷物を運んで貰っている。


 これらの手駒と指輪や脳改造を駆使して、スミア王国を研究の拠点として使えるように動いていくぞ。

 相当大変になるだろうが、場所も資金も情報も手に入るようになるのは余りにも大きい。


 ここまで大掛かりな動きは初めてになる。

 上手く立ち回って行こう。



――――――――――――――――――――



「……」


「どうしたロシェ、急に立ち止まって」


「あの女……私たちよりも強い。私達四人がかりで勝てるかどうか」


「それ、本気か?」


「本気」


 ロシェの素質は、強さが見ただけで大体分かるというもの。強さに応じたオーラのようなものが見えるらしい。


 今までその素質のお陰で、俺らは相手との力量差を見極める事が出来、生きてAランクまで上がって来れた。


 俺らの代わりに上位ヴァンパイアを倒したのがどんな奴か見に行ったが、それ程の強さとは参ったな。


「かぁーっ、マジかよ。そんな奴に尾行は怖いな、大人しく軽い聞き込みだけで情報を集めておくか」


 仲間たちも同じ考えのようで、同意してくれる。



 やはりというか有名人で、情報は直ぐに集まった。

 リンという名前の剣士らしい、素質は不明。


 一時期は白銀の乙女と組んでいたが、結局チームには加わらずソロで活動。


 過去にCランクの冒険者と揉めた時に、首を切り落としたらしい。容赦ねぇな。


 忌み子の剣士、リンか……。後々Aランクに上がってくるかもしれない。覚えておこう。

冒険者編はこれにて終了です。

次話からはスミア王国編・前編になります。


この度総合評価が100ptを超えました。

ブックマークや評価ポイントを頂けて大変励みになっております。


今後は、この話の後半部分のように素質の設定をどんどん活かす予定です。

また、書き方もどんどん変えていきます。読みやすいようになれば幸いです。



お詫び。


再び一週間程更新を止めます。


一応ストックはあるのですが、私的に読みたい本やストーリーが溜まっているので、そちらの消化に専念させて頂きます。


一週間、気長に待って頂けると幸いです。

今後とも宜しくお願い致します。

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