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 狩りをしていた頃から三年以上経ち、身体も大きくなったので今の体格に合った装備を新調した。


 今日から僕とリンは、冒険者として活動を始める。

 ツバキは僕の家での家事に慣れさせたいので、暫くは家で大人しくして貰う事にした。


 冒険者ギルドのドアを開け、足を踏み入れる。

 一瞬視線が集まったが、直ぐに各々の作業に戻る。


 受付で話をする者、集まって話し合いをする者、依頼を眺めている者、様々だ。

 皆が皆、ここで依頼を受けたり魔物を倒したりしてお金を稼いでいる。


 将来のライバルになると思っているのか、新参者の僕らを観察する者もいるな。


 冒険者はほぼ全員が平民だ。

 強くなるには自己流でセンスや素質頼りの人が多い。


 だが僕らはこの世界で、貴族並の最上級の教育を受けてきたのだ。自主的に鍛えてもいたので、この中ではかなり強い方になっていると思う。

 というかそうでなくちゃ困る。


 自分達の実力を見極めさせてもらおう。

 まずは受付で登録だ。




 審査とかがあると思っていたが、簡単に出来てしまった。身分の確認すらなかった。


 怪しい人でも入れてしまう……のは承知の上か。

 貧しい人や強力な素質に目覚めた人、凶暴な人や異常者などのアウトローな人を全部纏めているわけか。


 冒険者は実力主義と聞くし、物騒な事になり得るな。

 変なトラブルを起こさぬよう、受付嬢からのルールの説明をしっかりと聞く。


 お金を稼ぐ方法について。


 魔物を討伐して指定された部位を回収して換金するのと、村人や貴族からの依頼を受けて完遂することで報酬金を受け取る、というお金を稼ぐ二つの方法がある。

 実際僕も狩人の時に商人を仲介してお金を稼いでいた。


 他にも冒険者の強さをランク付けしており、Sが最高でA、B……Eと6段階に分けられている。

 僕ら冒険者だけでなく、特殊な魔物や森によってもランク付けされており、同ランクで五分とされていて指標にして欲しいと。


 もちろん僕らはEランクからスタートだ。

 魔物の討伐実績と本人の意思があれば、ランクは自由に上げられるらしい。


 ランクは上げていくと換金する際の額が増え、Bランク以上は二つ名やチーム名が作れるということで、皆のモチベーションにさせている。


 後は、冒険者同士のトラブルは基本放置らしい。

 狩場の独占など、冒険者ギルドにとって損をもたらす様な事をしていると追放されるが、基本不干渉だ


 冒険者同士ならば殺しも罪に問われない。

 冒険者は短気な奴が多いのだろう、死に損だ。


 当然適当に殺しまくれば、冒険者ギルドの収入源が減るので追放されてしまうし、民間人に手を出せば即指名手配される。そこは注意しなければ。


 リンは実力は確かだが、僕以外の人とのコミュニケーションがまだちょっと不安だからな……

 トラブルを起こしそうだ。殺す分には問題無いが、強い奴を敵に回すと不味い。事前に色々言い聞かせておこう。


「お二人はチームを組まれますか?」


 チーム、チームか。

 ソロとチームのどちらが良いのだろう。


 素直に聞いてみたがチームの方が生存率が上がるので推奨しているとの事。

 基本は別行動する予定だし、ソロにしておけばリンが何かしても僕は目を付けられない。

 ソロにしておくか。


「畏まりました。説明、手続きは以上です」


 よし、まずは二人で腕試しだ。



――――――――――――――――――――



 結論から言おう。


 リンが出鱈目に強い。


 身体能力が高いと言われている忌み子を、僕が幼少期から鍛えさせ、薬でドーピングし、貴族並みの教育を受けていたのだ。

 しかも忠誠心故に、サボらずに毎日こなしていた。


 それはまぁ強くなるだろうと思ってはいたが、ここまでとね……


 それに素質も強い。

 最初は隠密行動を取る際や密偵対策に使うもので、戦闘系では無いと残念がっていたが、撤回しなければ。


 誰よりも先に気付けるので、背後から不意打ちはされないし、先手も取り易い。


 Aランクの魔物も一人であっさりと倒してしまった。

 これは流石に知られては不味いな。目立ち過ぎる。


 僕一人でもAランクの魔物を何とか倒せたが、時間は掛かるし多少の怪我をした。

 一応僕も強くなってはいる。


 王都や他の都市にAランクの冒険者はいるが、この辺りの辺境で活動する冒険者はBランクが最高らしい。


 これは敵無しか?

 いやいや、対魔物と対人間では全然違う。

 慢心してはいけない。


 人間には高度な知能がある。

 数や連携を使ってくるし、変わった素質、独自の魔法、奥の手なんかもあるだろう。

 下手に敵も増やしたくないし、注目も集めたくない。


 これらを踏まえて、リンに色々指示を出すか。


 僕はツバキと研究を進めないといけない。

 リンにはこれから一人で、上手いこと動いてもらおう。

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