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様々な書き方を試行錯誤しているので、一部違和感があるかもしれません、ご了承ください。
―――パーチェ士官学校
王都にある、貴族や平民が幅広い分野において、国から雇われた武官や研究者などから教わる学びの場である。
そのような場は、大国であるパーチェ王国でさえも一つしかなく、小国には一つもないことが多い。そのため、他の国から生徒がやって来るのも珍しいことではない。
授業は貴族と平民で分かれているが、分野ごとの先生は同じであり、平民にも貴族と同等の教育をされることが保証されている。
六歳から十二歳までの、貴族のみが入れる初等部。
十三歳から十五歳までの、貴族と推薦された平民のみが入れる中等部がある。
それより上は無く、成人するまでに仕事を探す期間だったり、本職の人に弟子入りして修行をするなどの、猶予期間に当てられている。
さて、そんな学校では今、多くの大人が一つの部屋集まって話し合っている。そこにいる人は貴族や武術に優れた者、研究者などである。
その中でも豪華な椅子に座る一人の貴族が喋っている。
「さて、これで明日の入学試験は大丈夫だろう。例年通りの進め方でやっていく、トラブルがあれば報告するように」
「皆さん、これから審査をするのは未来ある若者たちです。感情的になって、迂闊に若い芽を摘まないように。それでは皆さん、お疲れ様でした」
「「「お疲れ様でした」」」
一斉に他の大人たちが頭を下げる。
それを見て、一人の貴族がその部屋から立ち去っていく。
他の者たちはそれを見届け、完全に出ていくと緊張から解き放たれたのだろう。息を吐いて弛緩する。
そして各々が近くにいる者たちと雑談に耽る。
「ようやく校長の話が終わりましたか、いやぁ今年はどんな生徒が来ますかな」
「楽しみですね、特に入学試験で上位の子がどの学部に入るのか気になります」
「是非とも我が学部に入ってもらいたいものですな」
楽しそうに話す二人の教師。その間に謎の男性が割り込んでくる。
「えぇ、本当に今年こそは誰か我が学部に入ってきて欲しい所です。どうして貴方たちとは違って、生物学部には中々人が来てくれないんでしょうかね」
「え、えぇ……そうですね……」
二人の教師はその人を見て、引き攣った笑みを浮かべながら後退りし、どこかへと立ち去っていく。立ち去ったのにも関わらず、謎の男は話したてる。
「皆は何故我々は生きているのかを考えたことがないんです? 普通に生きていれば生命に興味を持つのが普通だと思うんですがね、何故同じ考えの人が現れないのでしょうか。奴隷を使ってるから問題無いはずなのに、皆頭ごなしに否定して。あんな剣を振るだけの馬鹿と……あれ、居なくなっちゃいました」
まあいいでしょう、謎の男はそう呟き自分の研究室へと戻って行く。
彼の名はレナート、生物学部が担当の先生だ。
生物学は本来は、様々な生き物の体内構成や臓器の役割を調べる学部だ。
だが彼の場合、その主な対象が人間なのだ。
人の臓器や生命について研究しており、時折学校に遺体や殺してしまっても良い奴隷を要求している。当然周りからは嫌われ、追放すべきだという声も上がっている。
が、彼は貴族なのだ。領主の跡継ぎだったのに、研究のためにその立場を捨てた変人。
それでも貴族なのに変わりはない。
いくら学校でも、無下に扱えるほど権力は強くない。
「あぁ、誰か一緒に研究をしてくれるような人はいないものでしょうか」
――――――――――――――――――――
いよいよ試験当日だ。
今、リンと二人で住んでる村からはかなり離れた、学校のある都市――王都に来ている。
あれから村や洞窟の荷物を整理して、荷造りをしておいた。もし合格すれば、学校は村からかなり遠いので寮暮らしになる。平民用の寮は二人でルームシェアをするタイプだが、リンと二人セットだから大丈夫だろう。
当然怪しいものは抹消し、洞窟や荷物を探られていても問題はない。寧ろ問題なのは試験の方だ。
僕やリンは比較的賢い方だとは思うが……なんせ合格の基準が分からない。貴族は無条件で合格なのだが、平民は志望者も多く、厳選される。
推薦したものが落ちるのは、推薦した者の醜聞に繋がりかねない。前世の受験戦争の様な苛烈さを感じる。
僕も決断したからには落ちる訳にはいかない。リンがあまり詳しくなかったのもあって、再び図書館で調べ直し、試験の準備をしてきた。
周りでは見送りし声援を送る親と、緊張した顔つきでそれを受け止める子供で一杯だ。そんなことしたら子供が余計に緊張するだろうに。
そんな中に首輪を嵌めていない忌み子が居るから悪目立ちする。
ただ、リンは感情も抑制しているし、目立つのには慣れているのか平気そうだ。
僕もちゃんとリラックスして試験に挑もう。
無事試験は終わった。筆記試験、実技試験、最後に一人一人軽い面接をして終わった。
ハッキリ言ってレベルは低いように感じた。
筆記試験はこの世界の常識から知識や計算と、幅は広かったが、特別難しい問題はそこまでなかった。一ジャンルに数個あったくらいだ。
リンも手応えありと言っている。
実技試験は各々が自由な武器を使って、試験官に挑むというもの。
最初は様子見で距離を取りつつ軽く攻撃していたのだが、実力があると判断されたのか全力を出す前に終わってしまった。
試験官は僕らには倒せなさそうな程、強かった。
面接は……顔合わせ程度だった。名前や出身地、推薦された人とその関係性を確認されたくらいだ。
素直にスミア王国の騎士の息子です、と答えたが特に反応は無かった、この学校では普通なのだろう。
合否が出るのは一週間後である。そこでまた確認しに王都に行って、受かったら寮での暮らし、学校生活が始まる。
何か発見や人材確保が出来るだろうか。
前世も学生だったからな、少し楽しみだ。




