殲滅クエスト開始
やっぱり投稿遅くなってしまいました、ごめんなさい。
パリィィン、パリィィン、パリィィン……
静かな森にポリゴンの破裂音が鳴り響く。辺り一面に赤く輝くポリゴンが漂っている。その真ん中に、銃と剣を構えた俺達が立っていた。スキル使用後の硬直が解けた途端、優真が自信満々に話しかけてきた。
「よっし、俺の方が多く倒したな!」
少し膨れっ面な俺に向かってニヤニヤしながら話しかけてくる優真を押しのけながら言い返す。
「俺だって、お前と変わらないぐらい倒してるよ!第一、お前の乱射に当たらないように戦ってるからお前より倒した数少ないんだよ!」
俺が使っているのは、初期装備を強化したビギンソード、片手剣なので一気に広範囲の敵を攻撃できる。なので普通に考えると拳銃の優真より、俺の方が多く倒しやすいのだが、俺達の場合は少し違った。
優真が使う銃は『デザートイーグル』、拳銃の中では最高クラスの威力をもつ銃だ。その分、反動ももちろん大きく、俺達のような中学生には到底撃ち続けられるものではないのだが、俺達の中学校には『射撃部』という珍しい部活が存在する。射撃部の活動は、基本はサバイバルゲーム中心なのだが、特別に許可を得て、実銃を使って訓練を体験させてもらえる制度がある。優真はその射撃部のキャプテンであり、実銃使用体験成績トップという実力を持っている。正直どこで使うんだその無駄なスキルは……と思っていたのだが、意外な形で活躍しているようだ。
さらに、基本7発しか入らない銃弾の再装填スピードがめちゃくちゃ早いのだ。腰のベルトに替えのホルダーがあるときは、7発しか入らないのが嘘かと疑ってしまうぐらいの連射をしてくる。はっきり言ってチートだ。(少なくとも俺はチートだと思う)
その連射弾幕を避けながら切り込まないといけないので、俺より優真の方が多く倒しているというわけだ。(一回抗議してみたが、笑って流されたので諦めた)
「っていうかまだ出てくるのか……?」
俺は新たに出現したモンスターに片手剣スキル『スキート』(垂直軽攻撃技)を打ち込みながらため息をついた。これまでかれこれ50匹ずつぐらい倒しているのに、まだまだ出てくる気配がしていた。クエストクリア条件が敵の全滅なので、全て倒しきらなければならない。
「まあそう言うなって。スキルの試し撃ちだとでも思っとけよ」
同じどころか俺より多く倒しているはずなのに、優真はまだ全然疲れを見せていない。それどころか、新しいスキル『ブレットリガー』(広範囲殲滅型スキル)をばんばん敵集団の中で使いまくって暴れていた。何故あんなにも生き生きと同じようなモンスターばかり倒し続けられるのかと疑問に思いながら、優真と同じく、新しく習得した、『ダブルアート』(広範囲殲滅型スキル)を敵集団に向けて使用する。片手剣全体が赤いエフェクトに染まり、普通なら到底出来ないような速さで剣が敵を切り裂いていく。そうしながら何となく、こうしている間は確かにあれだけ暴れられるのもわかるなと思っていた。
さらにそれから一時間ぐらいが経ち、さすがにモンスターの出現数も頻度も減って来ていた。早く終わらせて、リーフベイの和風な宿で休みたいという気持ちが大きくなってきたころだった。
「さ、もう少しだ。がんばろうぜ!」
「ああ、とっとと終わらせてやるさ」
そう言い合って、お互いにラストスパートをかける。優真はベルトにある残り少なくなったホルダーの一つを再装填し、俺はぎゅっと剣の持ち手を握り直した。
パリィィン、パリィィン、パリィィン……
俺の剣と優真の銃弾が、ほぼ同時に最後の一体になったモンスターにとどめを刺す。全力の(少しのイライラを込めた)攻撃がモンスターに当たり、モンスターはポリゴンの欠片を撒き散らしながら消えていった。
最後の一体を倒したことで、俺達の前には大きなウィンドウが出現し、クエストクリアを伝えてきた。紙吹雪のエフェクトが俺達を彩り、大きな達成感が俺達を包み込んだ。
「さって、じゃあもう帰るか」
剣を鞘に戻しながら、俺は優真に向かって言った。だが優真は、どんでもないことを口にしやがったのだ。
「ああ悪い、まだもう一つ残ってるんだよ、クエスト」
「ふっざけんじゃねえぞこの野郎!」
俺の絶叫が、静まっていた森に響き渡った。近くの木にとまっていた鳥たちが一斉に飛び立って行く。少しの罪悪感を覚えながら、こう叫ぶ原因になった奴を睨む。
「まあまあ、そんなに睨むなって、な?どうせすぐ終わるクエストなんだし、いいじゃねえかちょっとぐらい」
「ちょっとぐらいじゃねえよ!さっきのクエストで体力使い果たしたよこの野郎!せっかく帰れると思ってたのにさ!」
一瞬本気でこの阿保を頭から真っ二つに切り裂いてやろうかと思ったが、ギリギリのところで理性が抑えきってくれたようだ。叫びすぎて渇いた喉を豪快に水を飲んで潤す。こうなったら優真は聞かない、長年の付き合いで、それなりには優真の性格を知っていた。俺は諦めて、できるだけイライラしているような口調で言った。
「わかった、やってやるからとっとと行くぞ!」
それを聞いて安心したのか、優真がクエストの内容を伝えてきた。(多少は相手のことを考えて自重しろよと思ったが、言っても無駄なので言わない)
場所はこの森、クリア条件は、この森のどこかにある『蟲の鈴』というアイテムを、依頼主のNPCに届けるというものだった。確かにこれならさっきの殲滅クエストよりは簡単そうだ、そう思いながら俺達は、森の奥へと足を踏み入れて行った。
今回も読んでくださってありがとうございます!
また投稿に時間がかかってしまい、申し訳ありませんでした。
今後も、こんな感じになってしまうかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。




