ゲームのような世界
「…い、おい!」「……!」
誰かの声ではっと気がついた。どうやらあまりにもパニックになりすぎて現実逃避してしまっていたようだ。俺は声がした方へ顔を向けた。
「おい、大丈夫か?」
そう言って声をかけてくれたのは、俺と同じ中学の平崎優真だった。優真とは小学生からの幼なじみで、よくゲームの話で盛り上がっていた。服装は俺と同じだが、優真が持っている武器は黒く輝く拳銃だった。
「ああ、大丈夫だ。それよりここは……?」
一番気になっている質問をぶつけてみる。
「わからねえ、俺もいつのまにかここにいたからな。だけど……」
予想通りの答えだった。だが、何やら優真の話はまだ終わっていないようだ。
「こんな風に敵っぽい奴らに向かって攻撃すると……」
一旦会話を切ると同時に優真は、自分の持っている拳銃で、向こうにいた狼のモンスターを撃ち抜いた。撃たれた狼は苦しそうな声をあげて倒れる。だがそれだけではなかった。次の瞬間、その狼は弾けるようにポリゴンの欠片となって消えていった。
「な、ゲームみたいだろ?」
唖然とする俺の目の前で、優真はそう言って笑った。
「驚いた、本当にゲームみたいだな」
優真に指摘され、物陰に隠れながら虫型モンスターを切り伏せた俺は、興奮が抑えきれなかった。ゲームの中に入る、そんな夢みたいなことが出来るなんて思ってもいなかった。
「そうだろ、この銃を撃った感じなんて本物そっくりだからな」
優真も、ゲームみたいな世界に入ったことを楽しんでいるようだった。
「他の奴らはどんな様子?もう慣れた感じか?」
さらに出現したモンスターを切り伏せながら優真に尋ねる。
「ああ、さっき俺が会長に伝えといたからな」
会長とは、俺達の学校の生徒会長である富沢杏奈の事だ。しっかりした性格で、皆の事を第一に考えるような人だ。その人に伝えたのなら問題ないだろう。すぐに皆に伝わるはずだ。
「さて、現状報告も済んだところで、この世界を探検と行きますか!」
優真が生き生きとした声で言う。俺の答えはもう分かりきっているだろう。
「ああもちろん、早速行こう!」
俺も生き生きとした声で答える。普通異世界に迷い込んだ人達は、怯えたり脱出方法を探して右往左往するものだが、俺達は違った。何しろ俺達はこの現状を楽しんでいたのだ。この迷い込んだ異世界で何をしてやろうか、などと考えるほど危機感を持っていなかった。次に聞こえてきたアナウンスの内容が、理解出来るまでは。
『ようこそ、バインドゲイムへ。皆さんは、これからプレイヤーとしてこの町を攻略していってもらいます。この町は皆さんの住んでいる町をそのまま飲み込んで作られているため、地形や建物の位置などは同じです。ここから五つの迷宮へ挑んでもらい、五つ全てを攻略出来ればプレイヤー全てを解放します。ただし皆さんの視界の右上にあるHPゲージが0になったとき、それはこの世界のでの『死』、そして現実世界での『死』ということを示していますのでご注意ください』
二話目の投稿です。早くも頭を悩ませました(笑)
なんかどこかで見たことがある設定かもしれませんが、そこは突っ込まないでください(笑)
それでは三話投稿を目指して頑張ります!これからもよろしくお願いします。




